SCP-1697
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アイテム番号: SCP-1697

オブジェクトクラス: Safe Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1697は標準人型収容室に収容されます。SCP-1697はその解剖学的欠陥により、苦痛を軽減するための手段が講じられており、皮膚の擬似組織が提供されています。補水液は筋肉組織の機能を維持するために提供され、リドカイン溶液の皮下注射はプロジェクト管理者の裁量で適度に与えられます。

SCP-1697は広範囲に渡る筋肉の酸性症の症状の為再生治療が許可されています。週2回、特定の機器及び安全な場所はSCP-1697による使用の為、使用期間中監視されたうえで許可されます。これらは全て特権とみなされ、被験者が協力を拒否した場合もしくは管理官の判断により取り消す場合があります。

説明: SCP-1697は死亡したCharles Lexi博士の活動的な死体です。Charles Lexi博士はミネソタ州でギャラリーに人体模型の展示や催しをする「Body World」という展示会を開催していた科学館の前館長でした。2012年5月、Lexi博士は癌と診断され、既に治療が不可能なほど腫瘍が広がっていました。Lexi博士の死後、その身体は科学館の展示のために処理を施され、皮は取り除かれました。SCP-1697の要求に従い、被験者はチェスボードを挟んで別の死体と向かい合った状態で、左足が上になるように足を組み、右手で脹脛をにぎり、左手を足にもたせ掛け、頭を傾けていわゆる”思考”の体勢をとっていました。検証の一環として、SCP-1697の頭蓋骨の25%は脳の解明のために取り除かれました

SCP-1697が処理され、ワイヤーで固定されて6日間展示会に展示された後に、被験者は意識を回復しました。1財団の介入後、SCP-1697は回収され、損傷の軽減のため緊急の外科手術が行われました。現在のSCP-1697は片目が不自由で、一部の筋肉組織に低酸素症に似た損傷を負っています。行われた外科手術には、人工頭蓋骨の形成や、ディスプレイに固定する為に使われたすべてのハーネスとワイヤーの撤去も含まれます。

SCP-1697は血液の殆どが血漿で構成されているにもかかわらず、循環系が機能し続けています。血液検査により少量の赤血球の存在が明らかになりましたが、身体呼吸に最低限必要なヘマトクリット値を遥かに下回っていました。電解質および血漿のタンパク質量は典型的な人の血液、及び被験者と同年齢の男性が生成するタンパク質との一致を示しました。白血球及び血小板が血液内に存在していないにもかかわらず、SCP-1697は収容時以降、上記の損傷を除いて病気、伝染病、または損傷から起因する悪影響に一切陥っていません。

特筆すべきは、現在のSCP-1697の体内には彼の死因である腫瘍や癌の残滓が存在していない点です。

補遺1697-1: インタビュー記録SCP-1697-2013/1/3

対象: SCP-1697 学術博士、Charles Lexi博士
インタビュアー: プロジェクト管理者、レベル3上級研究員David Holmes博士
付記: このインタビューはSCP-1697の過去の経歴を確立し、現在の状況が発生した原因を示す情報を明らかにするために行われました

<録音開始、18:32:28>

Holmes: こんばんは、1697。

SCP-1697: ああこんばんは、Holmes博士。

Holmes: まずは貴方がどのように目覚めたかを聞いていこうと思います。その後に貴方の性質の経緯について話し合います。

SCP-1697: すごいですね。貴方達のそのプロ意識が大好きです、博士。

Holmes: その状態になる前で最後に覚えていた事はなんですか。

SCP-1697: 家族と会話していた時には、腫瘍は体の殆どに転移し、広がっていました。私が最後に覚えていることは論文をいくつか起草し、妻にさよならを言っていたことです。その後、彼らに鎮痛剤を打たれ、眠りに落ちました。

Holmes: その後、どのように目覚めましたか。

SCP-1697: 私は体にまだモルヒネが残っているのか疑いました。つまり興奮から覚めたかのように感じたのです。[笑い] 私は痛みを感じるべきだと気づくまで、痛みさえ感じませんでした。両瞼などがなかったのです。それは貴方達が考えているほど不快ではなく、痛覚のほとんどが皮膚にあった為だと思います。私は人込みの中で意識を取り戻し、人々は私の動く様を見て叫び始めました。その時に、「何だこれは、私の皮膚はどこなんだ?」と言おうしたのですが、殆どの人が逃げてしまっていたようでした。

Holmes: 貴方に何が起きたかを理解するのに役立つかもしれない事は何かありますか。

SCP-1697: 私は実際に死んでしまったと確信してます。肉体的な感覚を除けば、生きている頃と感じ方が違うのです。言葉では表せない、そう思っています。 [SCP-1697は数秒間躊躇った] 生きている心地はしません。失望しているわけではありません。ただ虚しいのだと思います。私はちゃんと自分の記憶を持っており、自分の人格が存在していて今も心臓が動き続けていると思っています。しかし私は以前に持っていたものがあると感じていません。もしそれが魂なら私はそれが欠けているのでしょう。どこかへ行ってしまったと思います。そしてそれはまだ元気なのでしょう。それしか言えませんが、私はこうして今もう一度動いています。それに私はそれほど困っていません。

Holmes: 他に我々が知っておくべきことはありますか。

SCP-1697: 貴方達がここでしている事に不満はありませんが、少し欲しい生活用品があります。時間があればでかまいません、博士。

Holmes: 時間はたくさんあります。

SCP-1697: 体が痛いです。もしポリエステルの裏地のとても厚い寝袋が手に入るなら、それが一番ですね。私の部屋では毛布で温まるのが難しいのです。その上私には皮膚がありません。殆どの人は知らないと思いますし、知る理由もないでしょうが、綿は私の筋肉に引っ付きやすいのです。あのような状態で眠りに落ちるのは絶対に不可能です。

Holmes: [笑い]分かりました。ではさようなら、1697。

SCP-1697: さようなら。

<録画終了、18:36:49>

補遺1697-2: ステータスアップデート-2027/10/18
Lexi博士の死の直前、妻であるCourtney Lexiは妊娠していました。収容時以前も以後もSCP-1697はそのことを知らされていません。過去数週間のSCP-1697の行動はうつ病の症状が僅かな期間発生することを除いては理想的でした。関連して、SCP-1697はHolmes博士と親密になり、頻繁に会い、普通のインタビューを行い、しばしば共にチェスの試合をしていました。この日までにSCP-1697のほとんどの要望や対談は許可されました。今月18日、Holmes博士はSCP-1697が子供の事に気づいた旨を報告しましたが、それはセキュリティや情報の漏洩に起因するものではありませんでした。

SCP-1697は明らかに子供の異常なビジョンを経験しており、タバコの喫煙や徘徊、あるときにはふれあい動物園のラマを「解放」するなどの非行を挙げて、父親がいない環境で育つ子供の事を心配しています。これらのビジョンについての調査はそれらが確実であることを証明しています。 Holmes博士とSCP-1697との最近のインタビューにおいて、SCP-1697は父親のいない環境で育つ息子のために生前の日付で遺書を書くことを要請しました。Holmes博士は人型情報防衛プロトコルDelta-62に従い遺書を受け取り、子供へ送付しました。以来、SCP-1697はビジョンの経験回数の減少を報告しています。

補遺1697-3: 管理官の変更-2028/8/4
2028年8月9日、Holmes博士がクリアランス4に昇進し、財団の新たな任務のため別のサイトに異動します。 Padover博士が直ちに彼のプロジェクト管理者とエリア管理官としての責務を引き継ぎました

補遺1697-4: SCP-1697の無力化-2029/2/6
SCP-1697は深刻な衰弱の症状と考えられた後、今朝息を引き取り、Neutralizedに分類されました。SCP-1697が経験した子供のビジョンの調査はSCP-1697の死亡により終了しました。

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