SCP-170-JP
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-170-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-170-JPはセクター-8121の3m x 3mの標準収容室で、真水で満たした水槽に沈めて収容してください。水槽の水が80%以下に減少した場合は、水を追加してください。SCP-170-JPはセクター-8121の地下120mの保管室に収容してください。週に一度、SCP-170-JPを梱包する布を乾燥したものに交換し、灰を清掃してください。SCP-170-JPを研究目的で取り出す場合は、レベル4以上の職員の許可を得てください。

SCP-170-JPはサイト-8181の職員用オフィスに隣接した収容室に、タオルといった布で梱包した上で、乾燥した木材と共に収容してください。SCP-170-JPの担当職員には、収容室に隣接するオフィスを割り当て、木材の燃焼が確認された際に即時対応できるようにしてください。担当職員は週に一度、SCP-170-JPを梱包する布を、SCP-170-JPに直接接触せずに交換し、室内の灰を清掃してください。灰は可燃物として処分してください。現在、SCP-170-JPの収容室からの持ち出しは禁じられています。研究目的で観察を行う場合は、事前にレベル4以上の職員の許可を得て、可能な限り短時間で行ってください。

サイト-8181内で発生した事故については原因を全て記録し、集約してください。事故原因に出元不明の火が関わる場合は、早急に布の交換を行ってください。また、SCP-170-JPの収容室の扉は、停電時でも複数名以上ならば解放可能なものにしてください。担当者の負傷など、SCP-170-JPの特別収容プロトコルが実行困難になった場合、レベル1以上の職員であれば収容室への入室と布の交換が許可されます。

以上の特別収容プロトコルを金属板に彫刻し、収容室の壁面に二つ以上固定して、入室した職員が容易に特別収容プロトコルを実行できるようにしてください。

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サイト8181にて、布交換直後のSCP-170-JP

説明: SCP-170-JPは、歯列が露出するように布で梱包された頭蓋骨です。SCP-170-JPの特異性は直接触れるもの、あるいは最も近くにある可燃性の物を常温のまま、燃焼したような状態に変化(以下、疑似燃焼と呼称する)させる点にあります。SCP-170-JPが可燃性の物体と接してる場合は、その物体が必ず疑似燃焼の対象となります。可燃性の物体と接していない場合、SCP-170-JPとの間にどれほどの距離や不燃性の遮蔽物があろうと、最も近くの可燃性の物体が疑似燃焼の対象となります。そのため、建物に使用される可燃性の建材は焼失し、機材も使用不能あるいは故障する恐れがあります。この疑似燃焼とも言うべき現象により、

  • 一部職員の衣服が崩壊した
  • 電子機器のコンデンサが過熱により破裂し、未保存の電子データが失われた
  • 気密室の扉のゴムパッキンが焼失し、気密状態が破れた
  • 消火器のプラスチック部品が焼失し、消火器が暴発した
  • 担当職員が直接SCP-170-JPに接触して、全身に第一度の火傷を負った

などの被害が報告されました。

当初SCP-170-JPは人里から離れた専用収容施設での収容が行われていました。しかし事故170-JP-B21による、80mの土砂を通り越してエレベーターのプラスチック部品の疑似燃焼の波及や、難燃性防護服を装備した職員の[削除済]など(より詳細な記録ついては事故ログ170-JP-B21参照)を受けて、担当職員の全滅による疑似燃焼の範囲拡大を回避するため、職員が多く在籍し、収容違反が生じても比較的被害が少ないと思われるサイト-8181への移送が決定しました。

SCP-170-JPが財団の目に留まったのは、████県██████市の████村にて、誰も火災を目撃していない連続放火事件が超常現象として報告されたことによります。エージェント████が調査を行った結果、火が上がっていないにもかかわらず焼け落ちた最初の家屋の敷地にて、SCP-170-JP-1を発見しました。SCP-170-JP-1の疑似燃焼反応で倒壊した家屋の下敷きになり、現在入院中の████氏へのインタビューについては、インタビューログ170-JP-F2を参照してください。

SCP-170-JP-1について財団の解剖学者は、奇形の類人猿の頭蓋骨ではないかと推測しています。一方で、歯列は完全に人間の物であるという意見も出ていますが、詳細は現在も調査中です。

なお、SCP-170-JPの特性を利用した、可燃物の処分への活用については、現在検討中です。

補遺:

対象: ████氏

インタビュアー: エージェント栗比津

付記: ████総合病院にて録音。████氏は軽度の難聴と認知症を患っており、インタビュー中に何度か聞き返すことがあったが、ログ中では割愛した。

<録音開始>

エージェント栗比津: それでは████さん、いくつかお話を伺いたいのですが、よろしいですか?

████氏: はいはい、それで何の話だったンかね?

エージェント栗比津: ████さんの家にあった、あの頭蓋骨(SCP-170-JP-1)についてです。

████氏: ああ、あれね。あれは便利やったね。庭のすみに穴ば掘って燃えるごみと一緒ン入れとけば、燃やしてくれるからね。

エージェント栗比津: 燃やしてくれる?

████氏: 煙は出ンし、放っておけばいつでも灰になるしで便利やったよ。まあ、婆さんはあまりいい顔せんかったがなあ。

エージェント栗比津: 奥さんは頭蓋骨の用途について、何か言ってませんでしたか?

████氏: もともとは婆さんが嫁入りん時にもってきたなあ。確か、なんとかっていうなにかのアタマだとか言ってたな。本当なら織物を巻きつけて温めるとか、婆さんはグチをこぼしとったが、オイの母ちゃんがゴミ焼きにちょうどいい、って言ってからずっとゴミ焼きさせとるなあ。

エージェント栗比津: ゴミ焼きですか…

████氏: ああ、燃えるもんつけときゃ燃やしてくれよるやろ?せやけんゴミ焼き道具で庭の穴にほっといたった。

エージェント栗比津: それでは、奥さんは来歴については何かおっしゃっていませんでしたか?思い出せるかぎりで構いません

████氏: んー、アタマっちゅうこっすかわからんなあ。

エージェント栗比津: 頭ですか

████氏: ん、アタマってコツは何度も聞いとったけど、なんのアタマかはわからんな。

エージェント栗比津: それでは、他にあの頭蓋骨について思い出せることがあれば…

████氏: あー、そう言えば婆さんがうちのセガレどもに、『母ちゃんば困らせとったら、カグさんごつ割られるよ!』って言うとったなあ。

エージェント栗比津: カグさん?割られる、とはいったいどういうことですか?

████氏: んー、婆さんの小言を聞いただけやったけど、なんでも婆さんを困らせとると、オイがセガレどもを叩き割るっつうとったなあ

エージェント栗比津: ████さんが?何故ですか?

████氏: たとえ話タイ。あんアタマは父親に叩き割られたとか、そういうこつバイ。

エージェント栗比津: そうですか…ありがとうございました

<録音終了>

終了報告書: SCP-170-1について得られたのは、『頭』『燃えるものを燃やしてくれる』『SCP-170は父親に叩き割られた』ということだけだった。SCP-170-1は割れていないところを見ると、何らかのたとえ話だろうか?████氏の夫人の実家方面について、引き続き調査を行う。

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