SCP-1712-JP
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SCP-1712-JPの操縦席付近

アイテム番号: SCP-1712-JP

オブジェクトクラス: Anomalous Neutralized

特別収容プロトコル: 現在、SCP-1712-JPはその機能を停止しています。SCP-1712-JPはその背景事象の調査のための資料として、周囲を放射線遮蔽用の高密度タングステン合金板で覆われた大型車両用格納庫に保管されます。格納庫内でSCP-1712-JPの調査を行う際には、重放射線防護服を着用した上で標準的な放射能汚染区域活動要綱に従ってください。

説明: SCP-1712-JPは、地中での行動を意図していたと見られる起源不明の装軌式車両です。その様式は、主に20世紀半ばの若年層向けSF作品に登場する「地底戦車」に典型的に見られる記号的特徴を多く含んでいます。

SCP-1712-JPの全長は約10.5 mで、並列2基の円錐形のドリル型部位を車体前部に備えています。車体の形状はおおむね流線形ですが、操縦席のキャノピーや用途不明の小翼、パラボラアンテナなどの突起物が各所に存在します。SCP-1712-JPは、車体を構成するニッケルチタン合金とテクタイトの複合材1などをはじめとする、主流工学では通常は用いられない素材を一部に使用していますが、基本的には1950~60年代までに誕生した技術のみで構成されています。

SCP-1712-JPの車体後方には小型の核分裂炉が搭載されており、これがSCP-1712-JPの動力源として機能していたと見られています。この核分裂炉の放射線遮蔽措置は明らかに不十分なものであり、結果として、SCP-1712-JPが発見された際には、運転状態にある核分裂炉が1█.█ Gy/hという高線量の放射線を外部に放出していました。

SCP-1712-JPのドリル型部位の上部には、車内表示で「熱線砲」と称される装置と、「地中ミサイル」用とされる1門の発射管が存在しています。「熱線砲」は後述のように著しく破損していますが、残された残骸から初期のマイクロ波放射装置2に近い構造のものだったと推測されています。また、車内に「地中ミサイル」に類するものは残されておらず、その詳細な機構は判明していません。

SCP-1712-JPの各部には、車外至近距離での爆発によるものと推測される損傷が見受けられ、これが「熱線砲」や走行装置、一部の操縦機構などの機能停止を招いています。また、SCP-1712-JPの車体外面には「2-040」という番号とともに「WORLD SCIENCE ADMINISTRATION」「世界科学局」というマーキングが施されています。これはSCP-1712-JPが所属していた組織の名称であると推測されていますが、同組織の存在は確認されていません。SCP-1712-JP車内の各種表示には日本語と英語が併用されています。

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SCP-1712-JP車内から回収された予備乗員服および「原子ロケットパック」

SCP-1712-JPは2001年2月█日に「██県██自然公園の地下から起源不明の高線量放射線が検出されている」との情報を受けて、██自然公園地下の即応調査を行った機動部隊て-23("アマノウズメ")によって発見され、核分裂炉の停止および対放射線収容コンテナを用いた応急的な放射線遮蔽作業などを経て、██時間後に機能停止状態で回収され、サイト-81██へと移送されました。なお、この事件に関しては、各種カバーストーリーの適用と財団による除染作業が行われました。

SCP-1712-JP発見時、車内には乗員と見られる損壊の進んだ1名のモンゴロイド系男性(SCP-1712-JP-A)の遺体が存在していました。回収後に行われた検死および解剖調査の結果、SCP-1712-JP-Aの死亡時期は約1ヶ月前の2001年1月初頭であり、死因は重度の熱中症および長時間に渡って核分裂炉から発せられる高線量放射線に被曝したことによる急性放射線症であると判明しています。

SCP-1712-JPの形状や構造、発見経緯は地中での活動能力を想起できるものですが、財団日本支部工学部門の分析によって、SCP-1712-JP自体には一切の異常性およびその痕跡が確認できないとともに、動力炉の出力が不十分な点、車体後方に排出される残土を処理する機構がなく、後退が事実上不可能な点、ドリル型部位の形状が掘削に適していないことに加え、ドリル型部位の前方投影面積が車体のそれと比較して小さく、車体が通行可能な直径のトンネルを形成できない点などから、地中での活動は事実上不可能であるとの結論が下されました。これを受け、修復を含むSCP-1712-JPの追跡調査は取り止めとなり、研究の優先度低としてAnomalousアイテムに分類されていました。

音声記録1712-JP-01:

補遺1712-JP-01: SCP-1712-JP回収後に行われた調査によって、SCP-1712-JP回収地点の後方██ kmに渡って、土砂の攪拌や岩盤の破砕などが行われた痕跡が連続して発見されており、音声記録1712-JP-01の内容と併せて、以前はSCP-1712-JPが地中活動能力を発揮可能な状況下にあったことが示唆されています。前述のように、SCP-1712-JP自体には一切の異常性が確認できないことから、これはSCP-1712-JP外部世界に依拠する事象であるとの仮説が有力です3

インシデント記録1712-JP-01: 2003年4月7日、防災科学技術研究所の高感度地震観測網(Hi-net)によって、SCP-1712-JP回収現場付近で「震源が移動する震度1未満の地震」が観測されました4。これを受けて行われた一帯の再調査によって、SCP-1712-JP回収時には存在しなかった連続的な地中の攪拌・破砕痕が確認されるとともに、日本語と英語で同意味の文章が記されたプレートと防腐処理された花束を納めたカプセルが地中から回収されました。このカプセルは、SCP-1712-JPの車体に使用されているものと同一の複合材で構成されています。以下はプレートに記されていた文章の全文です。

在り得るべきでない21世紀の犠牲となった、勇敢なる地底探検戦車040号とその乗組員を記念して。

21世紀防衛隊5極東支部

補遺1712-JP-02: インシデント1712-JP-01および関連する複数の事象の発生を受け、SCP-1712-JPおよび「21世紀防衛隊」を始めとする背景事象の研究優先度は引き上げられ、機動部隊み-4("新夢想家")による調査が進行中です。これに伴い、SCP-1712-JPはAnomalousアイテムからNeutralizedクラスのSCPオブジェクトへと再分類されています。

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