SCP-1716
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SCP-1716プロトタイプの中央部。人物はダーク氏と考えられている。

アイテム番号: SCP-1716

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1716はサイト-71の収容庫43に格納されます。実験はDクラス職員を(提供者・受容者の両方ともに)使用する場合のみ許可されており、サイト管理者の承認が必要となります。SCP-1716処置の受容者の間では予期せぬ異常性が発現する可能性があるため、追加の保安措置が配備されるべきです。

SCP-1716-1は収容庫45に格納されており、財団倫理委員会による実験プロトコルの承認待ちです。当該プロトコルの確定までは接続も実験も実行してはいけません。

説明: SCP-1716は異常な電気的機器に複数の銅および[編集済]ワイヤーで接続された木製の椅子2脚です。SCP-1716が動作すると、接点(電気接点に類似するが、非導電性の[編集済]で構成)が生じて2名の人物(各椅子に1名ずつ)を結びつけます。

SCP-1716は、”生命力”を提供者から受容者へと転送し、提供者の弱体化を対価として受容者を健康にするという明白な用途を有しています。SCP-1716は最もよく知られた物理的および生物学的原則に反しており、生命力は電気に似たエネルギーの伝達形態であるという理論の上で動作しています。中央装置内にある数多くの用途不明の構成パーツが転送を促進しています。

実験により、SCP-1716には複数の欠陥があることが示されました。

  • 生命力の転送効率は10%です。即ち、受容者を1年若返らせるために、提供者は10年相当の加齢を被ります(細胞の健康に関しての話です ― SCP-1716が被験者を文字通りの意味で若い頃の姿にする訳ではない点に留意してください)。
  • 生命力の転送は、受容者に対して、提供者の記憶や知識の一部もまた転送します。機器と共に見つかった覚え書きは、これが意図した機能ではなく、開発者が問題を排除できなかった事を示します。記憶転送はランダムに発生します:SCP-1716の頻繁な使用は提供者を精神的無能力状態へと陥れ、受容者には概ね不完全/無駄な知識を転送します。取得した記憶を統合しようと試みる受容者は、それが受容者自身の記憶や経験としばしば相反するゆえに、概して混乱を示します。
  • 1942年11月19日の実験(後述)を参照。財団の研究者はこの効果を再現できていませんが、報告書を信用しない理由は無いと考えています。

財団はSCP-1716を1942年に取得しました。匿名の接触を受けた財団エージェントは、最近になって放棄された研究所へと導かれ、SCP-1716とその開発について記述した日誌を発見しました(補遺を参照)。

SCP-1716は財団の研究者および開発部門によって、1943年から(この種の研究がO5指令29により廃止される)19██年にかけて広範に実験されました。実験は以下の試みの下に行われました。

  • 生命力の転送効率を上昇させ、SCP-1716を実用的な寿命延長装置にする。
  • SCP-1716の記憶に対する影響の排除。
  • 記憶に対する影響の分離/強化/制御。この試みは、2名の人物間における知識の瞬間転送が可能な機器の構築と、クラスΩ記憶処理の初期バージョン作製のために行われました。

SCP-1716の実用的な応用開発は成功に至りませんでした。

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SCP-1716-1

SCP-1716-1は20██年、マーシャル・カーター&ダーク株式会社が所有する倉庫への手入れで押収されました。これはSCP-1716中央装置のバージョン17だと判明しています。財団の収容下にある完全なSCP-1716はバージョン4です。

補遺1: 初期収容時、SCP-1716と共に発見された日誌の内容

1942/6/7 今日は妙な訪問者がやって来た。ベンジャミン・フィニアス・ダーク1とかいう妙な小男。彼をどう判断していいのか定かでない ― どこぞの国家元首よろしく、メルセデス・ベンツのリムジンで此処まで乗り付けてきたのだ。着ているスーツが体現するビクトリア朝時代人そのものの様な見た目で、彼の偉大なプロジェクトに私がどのように助力できるかという話をしていった。多分、彼は私が拒否したとしても認めはしなかっただろう。

彼はエレクトロニクスに関する私の仕事を非常に高く評価し、(彼の言う所によれば)”真にユニークな”何かを製造するために、私と彼自身の理論を組み合わせることが出来ると信じていた。すぐにもっと詳しく分かることだろう。

1942/6/9 ダークと再会。あの男は私に言わせれば完全な気違いだ。”エーテル的転送”だの”発光性蒸気生成”だのと馬鹿げた事ばかり言っている。おそらく現代の錬金術師を夢見ているのだろう。彼のプロジェクトというのは寿命の延長だそうだ。「暗黒時代から脱する時が来たのですよ」と彼は言った。

彼の提案を聞いたところで害はあるまい? 彼は明らかに金持ちだし、私に共同研究の話を持ちかける者がいなくなって何年になる? 15年か? 20年か?

1942/6/12 ダークのプロジェクトについてより詳しく学ぶ。忌まわしい ― 別人からの生命力転送だって? 提供者を何処で得るというんだ? ダークは笑って、万物は、例え生命であっても商品なのだと言った。特に生命には商品価値があると。「1年間の余分な寿命は、貴方にとってどれほどの価値があります? それは20歳の若者1人にとっての価値を下回るものですか?」

私はこのアイデアを考えずにはいられなかった ― 結局のところ、私も来月には86歳になるのだ。害になるような事は起こるまい。以前も言ったように、彼は気違いに過ぎないのだから。

1942/6/16 ダークが私に設計してもらいたいという物について、より具体的指示を受け取る。彼は自ら設計した部品を供給してくるそうだ…これらがどのように動作するかについての詳細は話したがらなかった。私が知っておくべきはプロセスではなく入出力だけらしい。どうも疑わしいが、手綱を取っているのは彼だ。

1942/6/25 こいつが動作するかどうかさっぱり分からないが、彼の仕様通りに構築する事は出来る。

1942/9/2 プロトタイプの準備が完了した。ここ数年でこれほど頑張った事は無い。ダークはできるだけ早く実験をしたいと考えている。何処で被験者を見つけるつもりなのだ?

1942/9/5 あと2時間で実験。ダークが何処であのような如何わしい連中を被験者として見つけたのか、彼らに何と言って聞かせたのか、私には分からない。機能しないことを祈るのみだ。

どうして私はこんな事に関わってしまったんだ。成功した、ように思われる。受容者は少し体調が良くなったように見えたが、完全に混乱状態のようだった。提供者は…嗚呼、神よ。彼はプロセスの終了時に死んだばかりか、動かそうとした際に崩れて塵になってしまった。ダークは動じてすらいなかった。彼はクスクス笑って言ったのだ、「まぁ、彼らは権利放棄書には署名しておりますからなぁ?」 彼は私に、今回の実験は起こった事すら発覚しない、アシスタントが”清掃”するからと請合った。

1942/9/7 投げ出してしまいたいが、私は既にあまりにも深みに踏み込んでしまった。ダークにとっては、プロセスを制御するための実用的な問題が残っている。

1942/10/23 再度の実験準備が完了。プロセスは今ではより制御された状態にあるはずだ。

1942/10/25 多くの点で改善された。少なくとも実験で死者は出なかった。だがプロセスは未だにひどく非効率的で、両方の被験者に望ましくない影響がある。どうやら生命力と同様に記憶も転送されているらしく、それを制御できていない。この影響を取り去らなければ実用化は出来まい。

1942/11/18 副作用の除去に成功していない。[編集済]を試そう。

1942/11/19 再度の実験。記憶への影響の制御は多少改善されたが、新たな問題が生じた ― 受容者が淡い光を放ち始め、彼と同じ場にいる私たちが徐々に弱体化しているように感じたのだ。彼は隔離され、皆は少なくとも5m彼から離れるよう命じられた。彼をどうしよう? こんな出来事に対処する装備は無い。

1942/11/20 被験者が逃走し2、警備は最初の提供者と同様の形で死体となっているのが見つかった。ダークはあまり心配してはいないようだ ― 実のところ、興奮しているのを隠し切れていなかった。彼は実際にこの効果を見たかったのだろうか? 私はまだ弱っているように感じるが、今日のダークは元気そうに思われた。おかしな奴だ。

1942/11/21 ダークは、ここでの仕事は十分だと言った。彼はこれからメイン州の███████ █████と、大図書館(何処だか知らないが)の███████████を訪ねる必要があるそうだ。彼はプロトタイプを明日持っていくことを計画しており、覚え書きを全て燃やすように私に命じた。従うつもりは無い。昨年、助けになりそうな奴と話したことがある…ダークは激怒するだろうが、きっと私たちが常に監視されていると信じるようにもなるだろう。例の被検者への短い曝露のせいで、私は間違いなく病気だ ― これは私が利己的であったが故の罰なのだろうか。

日誌の著者である[編集済]は、どうやらこの日に財団エージェント██████と接触したようであり、SCP-1716は移送前に確保された。ダーク氏の発見は失敗。著者は1942/11/21に財団エージェントからインタビューを受けたが、日誌の内容以上には有用な情報を提供しなかった。著者は1943/1/6に死亡した。

補遺2: 201█/4/12、財団はマーシャル・カーター&ダーク社のクラブ内における信頼できる情報源から、████████寿命延長研究所がMC&D社のフロント企業であり、選択された会員に年間[編集済]ポンドの価格で寿命延長措置を施しているという情報を獲得しました。研究所は治験の広告を経由して一般市民から提供者を得ているようです。SCP-1716の完全に機能するバージョンが現在存在するか否か(もしそうであれば何処にあるのか)を判断するために、提供者を装った財団エージェントを研究所に潜入させるという提案は現在保留中です。

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