SCP-1751-JP
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アイテム番号: SCP-1751-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1751-JPの存在する民宿は財団のフロント企業による買収が行われ、SCP-1751-JP以外の施設部分は現在セーフティーハウスとしての使用が検討されています。SCP-1751-JPは施錠及び封鎖によって侵入を禁止されています。また、SCP-1751-JP内への侵入は最長で1時間に制限されており、研究目的以外での侵入は禁止されます。

説明: SCP-1751-JPは██県██市に存在する民宿の一室です。SCP-1751-JPに宿泊した人物(以下、曝露者)は広空間に対する軽度の恐怖症を発症します。この症状によって曝露者は多くの場合、必要以上の外出を避けるようになります。

また、曝露者はその後の生活において頻繁に「象を見た」と証言します。これらの証言において実際に象の姿が撮影、視認されたことはありませんが、証言に伴った調査を行うとアフリカゾウ(Loxodonta africana)の体液、糞便、体組織等、アフリカゾウが存在していた痕跡が微量ながら曝露者の周囲において発見されます。これらの痕跡は曝露者の摂食する食品、使用する日用品内においても確認されます。これらの痕跡は発生後、一定期間で消滅することが確認されています。

証言に並行し、曝露者を撮影、録画した過去の写真、映像においてもアフリカゾウが映りこむ現象が発生します。これに伴い、曝露者は象に関する過去の記憶を証言します。曝露者の過去においてそれらの記憶に当てはまるイベントは発生していません。また、証言の多くが、「象に触れて嬉しかった」、「サーカスで象の曲芸を見て楽しかった」など、象に対して好意的な証言であることが確認されています。この現象は曝露者の幼少期から現在へと段階を踏んで発生し、上記の恐怖症に加え象に対する恐怖症を発症します。また、現象の段階が進むごとに曝露者の恐怖症は悪化し、結果として外出を極端に忌避し住居に閉じこもる、あるいは過去における象の記憶に対し強い嫌悪感、忌避感を持つ傾向が見られます。それに伴い上記の痕跡も量を増加させます。

上記の現象が曝露者の現在までに至った状況を最終段階と見なします。最終段階に至った曝露者は閉鎖空間に閉じこもり、「象が来る」と叫びながら曝露者の視認できる範囲で一切の録画、録音等が可能な観測機器を破壊するなど、何らかの存在から隠れるような行動を取ります。

最終段階において、何らかの形で曝露者が観測されなかった時点1で曝露者は死亡します。現段階で上記条件を満たした時間が0.3秒未満での発生が確認されており、上記条件を満たした時点で死亡が発生すると推測されます。

これまでに確認された死亡原因は、全ての場合において腹部を強く圧迫されたことによる内臓破裂からの失血死であり、曝露者の周囲には上記の痕跡に加え、アフリカゾウが生息する地域の植物片、土壌が確認されます。

SCP-1751-JPの周囲において象が関連した事件、事故は発生していないことが調査の結果判明しています。

補遺1: 曝露者死亡後、上記のアフリカゾウが映りこんだ写真、映像から、アフリカゾウが消失していることが確認されました。消失した写真、映像の約9割は以前の状態に復帰し、約1割は曝露者の表情が怯えたものに変化しています。

補遺2: 曝露者の遺体を調査したところ、内臓破裂の原因は巨大な物体による挫滅ではなく人間、あるいは人間と同様の四肢を持つ生物複数の手拳や脚部によるものであることが確認されました2。曝露者が抵抗した痕跡は一切確認されません。SCP-1751-JPの周囲において同様の事件・事故が発生した記録はありません。

補遺3: 上記の曝露者が変化した映像を再調査したところ、曝露者の瞳孔に標準的な象の外見を大まかに模した実体が映りこんでいることが確認されました。実体は不鮮明ですが、確認した人物は全員が「象ではないが、人間でもない」と証言しています。

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