SCP-176-JP
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アイテム番号: SCP-176-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-176-JPは必要最低限の家具などが備え付けられた、標準の人型収容室にて収容されています。SCP-176-JPは食事や水分の摂取、排泄を必要としないため、食事の配給などはしなくて構いません。SCP-176-JPのヘルメットには、内部が映るように小型のCCDカメラが装備されており、担当職員は半日に一度、充電の為に新しいカメラと交換してください。また、SCP-176-JPは喋ることや日本語を理解することはできませんが、英語による筆談でのコミュニケーションは可能です。

説明: SCP-176-JPは、異常性をもつ宇宙服を着た男性です。SCP-176-JPが着ているのは、1980年代にアメリカで使用されていたオレンジ色の緊急脱出用宇宙服("The Shuttle Ejection Escape Suit")です。主に目立った改造などは施されていないように見えますが、それを脱がせることはできません。また、ヘルメットの遮光バイザーも未知の手段により固定されており、あらゆる物理的影響を受けません。特筆すべきはヘルメット内部の構造で、SCP-176-JPのヘルメットの中には頭ではなく、縮小されたアメリカの地方部に存在すると思われる1980年代の一般的な平屋住宅とその周辺領域があります。これが単なる映像なのか、実際にヘルメット内に存在しているのかは不明です。

SCP-176-JPの中に再現されている家には、30代と推測される白人の女性と、幼い子どもが住んでいます。彼女たちはヘルメットの中に閉じ込められているという訳ではなく、出かける際などは、ヘルメットの外側の領域に出て消えることができます。中でどのような会話が行われているのかを聞く事は、ヘルメットの気密性が異常に高いため不可能です。

SCP-176-JPはその気密性故に、会話によるコミュニケーションは不可能で、財団は筆談によるインタビューを行っています。SCP-176-JPはあまり饒舌ではなく、多くの場合「家に帰りたい」とだけ書いてインタビューを放棄します。SCP-176-JPは日本語が理解できないため、職員は英語で質疑応答を行って下さい。なお、SCP-176-JPは喋ることはできませんが、未知の手段により音を聞く事や、周りの物を見る事ができるという点を職員は留意しておいて下さい。

SCP-176-JPは本名を"Jake Rockwell"であるとインタビューで語っており、アメリカの宇宙飛行士であったと主張しています。しかし、米財団やNASAに問い合わせてみた所、"Jake Rockwell"という宇宙飛行士は今までに存在していないとの返答が帰ってきました。しかし、いくつかデータベースに不自然な「穴」があり、存在していたというデータ自体が過去に削除された可能性があると指摘しました。

SCP-176-JPは200█/██/██に███県の山中でさまよっていた所を保護されました。第一発見者である農家の男性によると、激しい光が山の中で見えたので何が起きたのか確認しに行ったところ、SCP-176-JPを発見したとのことです。農家の男性は付近の交番に居た警察官に通報し、そのことは財団が警察内部にもつ情報源にも伝わりました。周辺地域にはカバーストーリー「送電線の断線」が流布され、農家の男性と警察官はAクラスの記憶処理を行われた後、解放されました。

観察ログ176-JP(特筆すべき物のみを記載)

176JP-03
20██/██/██
概要: 夜に家の前に黒塗りのリンカーン・タウンカーが一台現れ、停車した。中からスーツの男が二人現れ、戸口に出てきた女性に何か紙を見せる。女性は泣きはじめるが、男達はそのまま車に戻り、ヘルメットの外に出て行ってしまう。女性は、心配そうな様子で出てきた子どもをなだめ、家の中へと戻っていった。

状態: この時、SCP-176-JPは非常に動揺した様子を見せ、収容室内を落ち着かなそうに歩き回った。

176-JP-109
20██/██/██
概要: 家のリビングルームで、子どもがケーキの上に立っているロウソクを吹き消し、女性がそれを見て朗らかに拍手をしている。女性はテーブルの下から、奇麗に包装された包みを取り出して子どもに手渡した。子どもが包みを破ると、中から本が出てくる。(高精度カメラをもってしても題名などは読み取ることはできなかった)女性は心配そうに何かを言うが、子どもは笑顔で首を横に振ってそれに答えた。

状態: SCP-176-JPは平時よりも落ち着いた様子で、ただじっとイスに座っていた。

補遺: インタビュー176-JP-71はこの後に行われた。

インタビュー176-JP-71(筆談により行われた物の翻訳)

インタビュアー: あなたに何が起きたのか、教えて下さい。そうすれば我々もあなたを家に帰してあげることができるかもしれません。

SCP-176-JP: 船に異常が起きて、私は外に投げ出された。長い間、宇宙をさまよっていた。酸素が無くなりそうになった時、彼らに回収された。

インタビュアー: 「彼ら」とは?

SCP-176-JP: 私も何と言ったらいいかわからない。何か高度な存在だというのは分かった。しばらく身体のあちこちをいじった後、彼らは英語で、私の望みは何だと聞いてきた。なんでも叶えてやると。

インタビュアー: 何と答えたのです?

SCP-176-JP: 家に帰りたい。家族と一緒に居たいと。

インタビュアー: その後はどうなったのですか?

SCP-176-JP: 記憶はない。気づいたらここにいた。

(この後、SCP-176-JPはインタビューの続行を拒否した。)

補遺: SCP-176-JPはその起源やコミュニケーションの容易さから、米国の財団施設への移送が検討されていますが、それがいつになるのかは未定です。

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