SCP-1772
評価: +12+x

アイテム番号: SCP-1772

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1772はサイト-19記録保管庫の高評価文書部門の施錠されたプレキシガラス箱に収容されています。アクセスはSCP-1772の記録保管主任と研究主任の許可を得ると承認されます。

SCP-1772-1に感染していないことが確認されるまで、SCP-1772へアクセスした職員はすべて隔離されなければなりません。SCP-1772-1の影響が確認された職員は隔離が終わるまでに処分またはクラスC記憶処置を施されます。SCP-1772-1の感染が疑われる書類または記録資材は破壊または洗浄されます。

既知のSCP-1772-1の例は文書WWI-1772-Bに記されています。

説明: SCP-1772は1983年版███████-███████携帯用西英辞典の原稿ですが、誤訳(SCP-1772-1と呼ばれる)が発見されたため出版社による販売はされませんでした。現在のところ機械によるSCP-1772に複製の作成は失敗しています。スキャナーによるイメージ作成ではページは常に破損し、写真ではぼやけます。このため、異常のない版からの落丁を包括的にカタログ編集することは不可能です。

SCP-1772の主要効果はSCP-1772を使用して対象が知らない言葉を訳すために使用するときに発生します。活性化すると、対象はSCP-1772で訳した言葉に対してアレルギー反応を示します。

アレルギーである言葉を聞く、読む、書くと影響を受けた対象は即座に、発疹、目の赤みと疼き、顔と喉の腫れ、呼吸困難などのアナフィラキシを示します。この反応は一般的な抗ヒスタミン剤またはエピネフリン注射によって、標準の30%の効果で軽減することができます。複数回晒されると反応は強くなります。大抵の対象は16回または17回の露出で直接挿管による人工呼吸が必要となります。

通常回復するまで症状は現れ続けますが、クラスC記憶処置で効果的にアレルギーを除去できます。

事案-CB-1772-01-PD後に辞書の誤訳による第二の影響が確認されました。その後、誤訳はSCP-1772-1として再分類されました。この誤訳によるアレルギー反応はSCP-1772の標準的な反応よりさらに激しく1、接触感染する性質も追加されています。

感染源の言葉の対語に対しても対象は影響を受けます。影響を受けた対象が作成した勘定、記録、電子記録も含まれます。現在、影響を受けることなく間接的な引用を用いてSCP-1772-1の対語を確認するすべての試みは失敗しました。

クラスC記憶処理により職員からSCP-1772-1感染を除去することにも成功していますが、SCP-1772-1の影響を記録された資料から除去する方法は、影響を受けたアイテムを破壊する以外には見つかりませんでした。

SCP-1772の効果をSCP-1516の封じ込め対策として利用することが両プロジェクトの研究員によって提案されています。このような対策の有効性や副作用の可能性については現在調査中です。

実験記録:

読者: D-2710、会話/読み英語のみ
読んだ言葉: "huevo"(翻訳:"egg(卵)")
反応: D-2710は"egg"と書かれたメモを渡されます。読むと即座に目の痒みを主張し、顔に軽度の腫脹が見られました。症状は15分以内に収まりました。

読者: D-2717、会話/読み英語のみ
読んだ言葉: "fresa"(翻訳:"strawberry(いちご)"、"drill(in dentistry)(ドリル『歯科用』)")
反応: D-2717は予想通り"strawberry"、"drill"、"dentistry"の言葉を読むと軽度のアナフィラキシー反応を示しました。回復後、D-2717はボウル1杯分のいちごを食べてもらうために提供されました。食べ終わってもアレルギー反応は示されませんでした。

読者: D-3718、会話/読みスペイン語のみ
読んだ言葉: "cacahuete"(翻訳:"peanut(ピーナッツ)")
反応: D-3718は"peanut"と書かれたメモを渡された後に"cacahuete"と書かれたメモを渡されました。どちらのメモでもアレルギー反応は示されませんでした。

読者: D-3824、スペイン語/英語の完全なバイリンガル
読んだ言葉: "hola"(翻訳:"hello(こんにちは)")
反応: D-3824は"hello"と書かれたメモを渡された後に"hola"と書かれたメモを渡されました。どちらのメモでもアレルギー反応は示されませんでした。

読者: D-4020、会話/読み英語のみ
読んだ言葉: "risa"(翻訳:"laughter(笑い声)"、"laugh(笑い)")
反応: D-4020は"laughter"と書かれたメモを渡されました。即座に頬中に発疹が出来ました。
付録: D-4020は房に戻る間、█████警備員と雑談していました。雑談中、彼女がジョークを言うと█████警備員は直ぐに笑い始めました。D-4020は即座に数種類のアナフィラキシーショックの症状を示し始めました。救急救命班は彼女を回復させ、4時間で房に戻しました。警備員の報告では、█████警備員はD-4020が反応を示すまでに9~10回"ハ"と言ったと見積もりました。

読者: D-4041、会話/読み英語のみ、"Hope(ホープ)"という名前のため選ばれたことを注意してください
読んだ言葉: "esperanza"(翻訳:"hope(望み)")
反応: 翻訳を読んだ後に、D-4041は文書確認のためにフルネームを述べるよう頼まれました。ファーストネームを呼ぶと、予想通り即座にアナフィラキシー反応で苦しみ始めました。彼女は質問者に対して症状を訴え始め、その時の自身の代名詞がアレルギー反応を悪化させていることを気づきました。D-4041は15回彼女の名前または関連する人称代名詞2に晒された後に鎮静させられ、終了日まで病院棟に収容されました。

事案CB-1772-01-PD: SCP-1772の影響に対して軽度の免疫が確認されたため、D-3824はSCP-1772と異常のない版との間の完全な比較をするよう協力を求められました。落丁の一覧を編集している間、D-3824は作業を監督している研究助手のヘンドリックスとジェームソンと繰り返し内部通信を通じて調査結果報告を繰り返していました。

管制室の映像には助手がD-3824の調査結果を独立して記録し、SCP-1772-1の効果が明らかになるにつれて苦痛を感じている様子が映し出されていました。ヘンドリックス氏は内部通信を切断して警報を作動させ、ジェームソン助手が治療を開始するために2本のエピペンを回収していました。

SCP-1772-1の伝染性は数名の研究員およびエージェントが警備記録や収集した文書資料を確認するまで完全には理解されていませんでしたが、収集した文書もSCP-1772-1感染の兆候を示し始めました。合計で6名の職員が入院しましたが、職員に死傷者は出ませんでした3

さらなる感染を避けるため、事案で回収した記録と書類は削除されました。

付録: 文書WWI-1772-BにおいてSCP-1772-1感染につながる誤訳をまとめるためのカタログ作業が進行中です。カタログ編集者に対する安定した感染処置の難しさから、完成予定は未定です。更にクロスチェックにより現在の作業の中に最高18%の誤りが文書WWI-1772-Bに含まれていることが判明して難航しています。この誤りの原因は現在不明です。

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