SCP-1772-JP
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発見時のSCP-1772-JP-A、及びSCP-1772-JP-B。画像は一部編集済み。

アイテム番号: SCP-1772-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1772-JP-Aは標準収容チャンバーに収容されます。SCP-1772-JP-Bは標準液体保管コンテナにて保管し、標準収容チャンバーに収容されます。

説明: 前提として、収容責任者である木戸博士の決定により異常性を明確に定義するための試験は行われていません。そのため、当オブジェクトの異常性に関しては推察に依る部分が多く含まれます。ただし、異常性に関する理解が不正確な状態であっても、結果的に起こる現象について差異がなく収容に問題はないと結論付けられています。

SCP-1772-JP-AはSCP-1772-JP発生に関連すること以外に異常性を持たないバスタブです。SCP-1772-JP-Aは北海道札幌市内のアパートの一室の浴室に備え付けられたバスタブとして発見、回収されました。

SCP-1772-JP-BはSCP-1772-JP発生に関連すること以外に異常性を持たない液体です。SCP-1772-JP-Bはベビーパウダー、乳児用調製乳、人間を含む複数の哺乳類の血液、ウシ及びウマの羊水、人間由来のその他の体液、赤ワイン、その他様々な飲料や同定に至っていない成分から成ります。SCP-1772-JP-BはSCP-1772-JP-A内に満たされた状態で発見されました。

SCP-1772-JPはSCP-1772-JP-AとSCP-1772-JP-Bに関連して発生する現象です。SCP-1772-JP-A内に存在するSCP-1772-JP-Bによって人間が溺死した場合、その死体は日本国内で分娩中の女性の産道内に転移します。またこの際、女性が本来分娩するはずだった胎児は死体と入れ替わる形でSCP-1772-JP-A内に転移します。

20██/6/2、最初のSCP-1772-JPが発生し、千葉県市川市内で分娩中の女性が死亡しました。これは成人男性の死体が女性の産道内に転移した結果です。この事態に対し、財団の潜伏エージェント及び緊急対応チームはこの異常が発生した産婦人科医院の関係者に標準的な記憶処理等の対応を行うとともに、男性の死体の身元調査を行いました。またこの際、医療情報監視システムのAIは死産及び出産直後の新生児の死亡報告が連続して発生し続けていることに異常性フラグを立てました。これらは当初関連する異常現象とは考えられていませんでした。しかし後にSCP-1772-JPの性質上、転移した胎児1が溺死し、溺死によってSCP-1772-JPが発生し別の胎児と入れ替わるという現象が起こり続けていたと結論付けられました。最終的に、最初のSCP-1772-JP発生の原因となった男性の住居に財団エージェントが突入し、衰弱した胎児をSCP-1772-JP-Bから取り除くまでの間、SCP-1772-JPは計███回発生しました。

事態の原因となった男性は、インターネット上の複数の超常コミュニティで活動していたことが判明しています。この男性は、女性役者の██ █氏に異常な執着を抱いていたと考えられており、当時妊娠中だった██ █氏を評して「お腹に僕がいる。」「ママ。」等の発言をSNS上で行っていました。彼はインターネット上のスラング、あるいはサブカルチャー的概念としての、「死亡することで新生児として転生する」行為を行うためにSCP-1772-JP-Bを作成したと考えられています。付記として、彼の転移先は無関係な女性の産道でした。

一連の事態の終息後、「異常性に関与した一般人に対する標準的な措置」としてSCP-1772-JPによって子を喪った███人の女性に対し妊娠の事実からの記憶処理を行うべきであるとの提言が木戸博士によって行われました。しかしながらこの提言は、███人全ての人間関係を調査し、全ての人間に整合するよう記憶処理を行う必要があることを意味しており、既に収容が完了しているSafeクラスオブジェクトに対し供出可能な人的・物的リソースを超過しているため却下されました。

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