SCP-178-JP
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活性状態にあるSCP-178-JP

アイテム番号: SCP-178-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-178-JPは施錠可能な貴重品管理倉庫に防虫剤とともに保管してください。

レベル3以上の研究員の認可の元、実験が許可されます。SCP-178-JPの効果によって職員間のトラブルが発生する場合がありますので、実験の直接の被験者は必ずDクラス職員を用いて行うこと。また、実験の被験者に対して財団の運営に関わる秘密をもつ職員は、機密情報の保守の観点から必ず実験に同席してください。

説明: SCP-178-JPは、主に木で作られた熊本県の伝統玩具「お化けの金太」です。通常の使用方法と同じく、舌を模したパーツを引き出すと白目を剥く構造をしています。成分検査及び構造上一切の異常が確認されないにもかかわらず、舌を引っ張ると異常な効果を発揮します。SCP-178-JPを作動させると、SCP-178-JPは嘲笑的な若い男性の声で一つの嘘を暴きます。この音声の発生源は不明ですが、SCP-178-JPの頭部から発せられてるように聞こえます。また声の大きさにかかわらずSCP-178-JPから半径20mより外では聞き取ることができません。

SCP-178-JPの暴く嘘はランダムではありますが幾つかの法則が存在します。まず第一にSCP-178-JPを作動させた被験者が騙されているプライベートな事柄について。次にSCP-178-JPの声の可聴範囲内にいない人間がついた嘘であることです。また、傾向として被験者にとってより衝撃的であると思われる真実を選択するようです。また、この真実を通達する際にSCP-178-JPは被験者の神経を逆なでするような侮辱を併用しながら話します、その目的は不明ですが推測するに単純な悪意が元となっているように感じられます。反面、こちらの発言には一切耳を貸さず一方的に話し続けるところから、この効果がSCP-178-JPが知能を持つ故かあくまで機械的な反応として効果を発言させているのかは不明のままです。

SCP-178-JPは熊本県███市の名家である██家で起こった凄惨な殺人事件の中で発見されました。当初は単純な遺産争いから発展したものと思われていましたが、唯一の生き残りである女性の「赤い首の玩具がみんなの悪口を言って親戚仲が悪くなった」という証言から現地エージェントの興味を引き調査が始まりました。最終的に遺産を継ぐこととなった彼女から遺品整理の名目で他の遺品とともに買収、記憶処理を行いSCP-178-JPの存在を記憶から消去しました。現在ではこの証言は強い精神的ストレスからの幻覚であったとしています。

回収時、現地において行われたインタビュー記録

対象:████

インタビュアー: エージェント有馬

付記: このインタビューは遺品整理の商談と称し呼び出した対象に、催眠術を使用し当時の記憶を再生させる形で行われている。

<録音開始>

エージェント有馬: では、████さん。今あなたは████年██月に行われたお爺さまの葬儀に出ています。周りの様子はどうですか?

████: はい…みんな本当に悲しんでいます…おじいちゃんは皆に尊敬されていましたから…。

エージェント有馬: ご親族の関係はどうですか?

████: はい…お爺さまの葬儀のために悲しい中でも力を合わせています…特にお父さんとおじさんは気合が入っています…。

エージェント有馬: なるほど…ではあの「お化けの金太」について初めからお話ください。

████: あれは…おじいちゃんの蔵を整理してた時に出てきたのです。それで私が興味を惹かれてなんとはなしに舌を引っ張ったのです。

エージェント有馬: その時は誰かと一緒でしたか?

████: お父さんが一緒でした。

エージェント有馬: そして何が起こったのですか?

████: はい…あのおもちゃがしゃべりだしたのです。

エージェント有馬: なんといったか正確にお伝えください。

████: (非常に苦痛に満ちた表情になり、振り絞るように)「あぁらあんたがた家族で楽しそうにしとらすねぇ、じゃっどん家族というにはおかしかコツたぁい。親父さんもあんたも何年も何年もご家族ごっこで楽しんだってこったいね。あんたのお袋さんな兄弟の味ば両方知っとらすけん、ここんとこ忙しくなっとるとじゃなかとやろか?」

エージェント有馬: …ありがとうございました。今から私が指を鳴らしたらこの会話の記憶は消えあなたは目を覚まします。

<録音終了, [████/██/██]>

終了報告書: 対象の記憶からこのアイテムの記憶のみを消すことは論理的に難しく、彼女の出生の記憶ごと置換した、異常な事件のストレスからの記憶喪失ということにしてある。再調査の際はその点留意しておくこと。

実験記録178-JP抜粋

この記録は、被験者をDクラスに限定する以前に行われたものである。注意喚起の意味も込めて報告書に付記する。

実験記録178-JP-2 - 日付████/██/██
対象: 敷島博士  
結果: 彼の部下である███研究員が同性愛者であり、敷島博士に恋愛感情を抱いていることが判明した。
メモ:記憶処置は却下、個人で解決して欲しい。

実験記録178-JP-6 - 日付████/██/██
対象: エージェントカナヘビ
結果: エージェント差前が彼のことを影で「クソトカゲ」と呼んでたことが判明。当日の食堂であったことが原因。
メモ:エージェント差前は事実を認め、「俺の前でグラタン何か食べるからだ、まだ具合が悪い。」とコメントした。

実験記録178-JP-14 - 日付████/██/██
対象: 山根博士
結果: 財団就任以前に彼が出した論文が恩師に握りつぶされていたことが判明した。
メモ:尚、この恩師も現在財団で活動している。山根博士をサイト-81██に派遣しないこと。

実験記録178-JP-21 - 日付████/██/██
対象: D-178-JP-21 彼は数日後に一ヶ月の任期が満了する予定だった 
結果: [削除済]
メモ: 以後の実験は必ず被験者の予定を把握している職員、及び警備員を同伴させること。警備員が来るまでに数名の研究員が軽傷を負った。

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