SCP-1780-JP
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SCP-1780-JP

現在のSCP-745-JP収容房入口。扉にXACTSの出力が表示されている

アイテム番号: SCP-1780-JP

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1780-JPであった収容房はサイト-8115にて稼働中です。

SCP-1780-JPの報告書の閲覧は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員に限定されます。特に、SCP-280-JPSCP-745-JPSCP-802-JPのいずれかの収容を担当しており、かつ当該クリアランスを所持している者は、この報告書の閲覧が義務付けられています。GoI-3693("犀賀派")の現在の動向を把握することは喫緊の課題であると見なされています。

説明: SCP-1780-JPは、長野県██村のサイト-8115に存在するSCP-745-JPの収容房でした。SCP-745-JPは著作物を剽窃することで過去改変を発生させる存在であるため、書籍および筆記用具は与えられず、収容房にはシャンク-アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)1が組み込まれています2。収容房の設計などの詳細はSCP-745-JPの報告書を別途参照してください。現在は当該収容房は正常に稼働しており、特に問題は発生していません。

不明な回数の大規模なCK-クラス:再構築シナリオによって、SCP-1780-JPは一時的に異常な位置に移動していました。ただし、この移動は相対的なものであったとする見解が主流です。存在安定化機構が正常に作動していたために、異常な状態のSCP-1780-JP内部でもSCP-745-JPは問題なく活動が可能でした。その後、再度大規模なCK-クラス:再構築シナリオが発生したことで、SCP-1780-JPは異常性のない状態に戻りました。

発見経緯: 2015/07/30、SCP-745-JPに対して行われていた定期心理鑑定が終了する際に、SCP-745-JPが以下のような発言をしたことが記録されました。以下は心理鑑定中の香山研究助手とSCP-745-JPの会話を収めた音声記録の抜粋です。

それから██日後の定期心理鑑定において、SCP-745-JPは以下の発言を行いました。

SCP-745-JPは演技性人格障害であり虚言癖を持っているため、インタビュー時点ではこの発言の内容は信憑性が低いものだと判断され、詳細な検証は特に行われませんでした。なお、この心理鑑定の前日、SCP-802-JPの実験中に不具合が発生し、SCP-802-JPが機能を停止していたことは特筆に値します。

それから2年後の2017/07/10に、世界オカルト連合(GOC)極東支部ステーション-FE-392より、KTE-████-Black L'Engle Schrödinger("犀賀六巳"、財団における識別番号はPoI-3693)の捕捉および粛清に成功したとの情報が財団に寄せられました。

2017/07/09、GOCの機動隊の一つである0811排撃班 "忍び足(Soft Steps)"が滋賀県███町にて犀賀六巳が潜伏していると想定される住居を発見。同日17:37、当該住居内部に一過性の空間異常が発生し、そこから犀賀六巳が出現しましたが、その直後に待ち伏せを行なっていた排撃班による攻撃を受けて終了されたとのことでした。

GOCが犀賀六巳の住居から押収した文書群の中に、「内側」「外側」と題され、「SCP-1780-JP」なるオブジェクトを扱った明らかに財団における報告書の体裁を取っている文書2部と、これに付随すると見られる「引継」と題された文書が存在していました。GOCとの協議の結果、GOCはこれらの文書を財団へ引き渡すことを承諾しました。文書の内容、およびその研究価値の高さから、3枚の文書は便宜上「SCP-1780-JP関連文書」として財団データベースに登録されることになりました。

その後、関連文書の内容を精査した結果、上記インタビュー内でSCP-745-JPが発言した内容との一致が複数確認されました。これにより「SCP-1780-JP」というオブジェクトは実際に存在していたと断定され、現在のSCP-1780-JP報告書が正式に執筆されるに至りました。SCP-745-JPがSCP-1780-JPの存在を認識できた理由としては、SCP-1780-JPの異常性発現および喪失にSCP-802-JPが関与しており、かつSCP-745-JPとSCP-802-JPの過去改変発生のメカニズムが類似したものである3ことから、両者が互いの過去改変に対するある種の因果免疫を持ち、SCP-802-JPによる改変発生前の世界の感覚をSCP-745-JPがある程度保持することが可能であったためだという仮説が提唱されています。この仮説を受けて、過去改変者が持つ因果免疫に関する研究が碓氷博士を中心とする専門チームによって開始されています。

補遺: 3種類のSCP-1780-JP関連文書の内容は以下の通りです。


内側


外側


引継





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