アイテム番号: SCP-1792
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: すべてのSCP-1792の物理的メディアは施錠された部屋に収容され、人間との接触から隔離されています。SCP-1792は記録されることにはなっておらず、記録した装置は電源とディスプレイ装置から離されます。SCP-1792が作り出す映像は常に隠されることになっています;直接的または間接的な視覚接触は禁止されています。
SCP-1792を見た対象は対象とその他の安全のため、収容されることになります。対象には自身または他人を傷つけることのできる物は与えられず、Dクラスとの会話のみ許されています;視覚、デジタルでのコミュニケーションは一切禁じられています。SCP-1792の感染者は常に密接に監視され、自らに危害を与えると疑われる行動を始めた場合は止めに入ります。対象の記録は禁じられています。
生命の有無にかかわらずSCP-1792と関わった対象は汚染拡大を防止するために、テレパシー能力の有るSCPがいない施設に収容されます。SCP-1792を収容している施設はそのような実体のため安全ではないと考えられ、SCP-1792の疑いがある物はその感染者とともに施設に運び込んではいけません。
説明: SCP-1792は精神作用の特性がある断片的なビデオ映像です;誰も映像の内容を理路整然に説明することはできず、露出後に多くの異常な行動を示します。SCP-1792の視聴に対する反応は非常に多様です。強い情動反応も珍しくありません;SCP-1792に曝されると大抵は見たものに対して動揺または混乱し、恐怖、失望、満足、ヒステリー、めまい、酷い鬱などの反応も観察されました。
SCP-1792に曝されると必ず激しい反応を示すわけではありません;多くはほとんどまたは全く反応がなく、質問されると漠然とした応答、曖昧な回答をします。複数の対象はSCP-1792を見た後の記憶が一切ありませんでした;ポリグラフテストにより対象が述べたことが本当であると確認されました。しかし、研究員はこれら対象がSCP-1792を実際に見たことを確認できました。現時点で様々な反応が出る理由は判明していません。
SCP-1792のその他特筆すべき特徴は自己増殖です。SCP-1792が記録されているテープまたはディスクが装置に挿入され再生されると、装置に影響を与えます;今後その装置で再生されたメディアはすべてSCP-1792に書き換わり、元の内容に代わり再生されます。これらのコピーも伝染特性を示します;実験においてこれまでに自己増殖能力に限界は見られず、何度コピーを繰り返してもSCP-1792のメディアが生成されます。
この伝染特性の正確な範囲は判明していません;SCP-1792を表示するために使用するテレビには感染しませんが、再生せずにSCP-1792を抜き差しすると感染し、接触と同時に感染していることを示唆しています。実験によりSCP-1792は元の触媒の外側へと感染することが確認されています;SCP-1792が送信できる触媒の数は不明です。
現時点でSCP-1792の発生源または目的は判明していません;仮説の1つとして、SCP-1792はウィルスのように自己増殖のために存在し、その際の予期せぬ副作用として視聴した際の影響があると考えられています。その他にはSCP-1792の内容を表現できなくさせるためというものとこの効果による何らかの理由により視聴者の殆どに影響を与えているという仮説があります。
アイテム番号 |
説明と重要な詳細 |
SCP-1792-1 |
VHSテープでラベルはありません。最初に発見されたSCP-1792ではありませんが、日付が最も古く、そのため番号が割り分けられました。作成日とは別にほとんどのサンプルと比べて使い古されており、この一覧において特筆すべき事ではありませんが、SCP-1792の起源である可能性があります。 |
SCP-1792-2 |
███████製のVCR。発見した日付が最も古いです;作成日がSCP-1792-1より少し新しいですが、より古いテープを再生することができるため、SCP-1792の起源の第2候補です。 |
SCP-1792-4 |
VHSテープでラベルはありません。[編集済]で発見され、██████氏が所有していて、最初に発見されたSCP-1792です。██████氏は妻と娘を襲ったとして逮捕されました;警察の報告書では██████夫人は夫の友人から借りたテープを視聴した後に奇妙な素振りを見せ始めたと報告しています;夫人は自身はテープの内容を視聴していないと主張しました。██████氏は逮捕され、数ヶ月刑務所に過ごして死亡しました;██████夫人と娘の現在の所在は不明です。 |
SCP-1792-12 |
[編集済]のVHSテープで、子供向けのアニメ映画が収録されています。[編集済]のレンタルビデオ店で発見され、SCP-1792-12はすでに感染していたSCP-1792-12を所有する誰かに借りられたことで感染したと推測されています。財団が[編集済]と周辺の街を捜索したにも関わらず、その地域でSCP-1792のコピーは発見されず、SCP-1792-12が感染後に貸し出されたかどうかは不明です。 |
SCP-1792-18 |
████████製のDVD-Rディスクです。現在SCP-1792は何度かDVD/VCRプレイヤーで再生され、新しいメディアへと拡大したと推測されています。 |
SCP-1792-24 (破壊済) |
███████・タワー型コンピュータ。オンラインで"呪われたビデオテープ"に関する議論が発見された後、2人のエージェントは調査するよう派遣されました。筆者の家に入ると、彼がVCRの内容をデジタル・コピーするためにコンピュータを使用しているところをエージェントが発見しました。エージェント・████████は携帯武器を抜き出し、コンピュータへ発砲し、ハードディスクとマザーボードを破壊しました。VCR内のテープは後に別のSCP-1792だと確認されました;SCP-1792のインターネットへの汚染の脅威を避ける事が最優先であったため、エージェント・████████はこの行動に対して勲章を贈られました。スレッド製作者、████████████氏はこの出来事を警察に通報しないよう説得されました。 |
SCP-1792-27 (破壊済) |
血で描かれた(おそらくは未完成の)シンボルまたは絵画です。Dクラスを使用したSCP-1792の実験の後、対象は身体の不調を報告し、早期に終了しました。その夜、別のDクラスが対象の部屋で自傷により血を流している対象の死体を発見しました。壁には自身の血を使って大きな絵がありました。発見したDクラスは警備職員に報告しましたが、その絵が何であるか理解できる前に3人のDクラス、2人の警備員、1人の研究員がSCP-1792を見ました。一帯に非常線が張られ、SCP-1792-27を洗浄するためDクラスが派遣され、合計8人の人間が曝されました。SCP-1792の影響より絵の特性から説明するのはより難しく思われたが、被爆者全員が一般的にSCP-1792に晒された対象より理路整然と説明することができ、全員が隔離されました;Dクラスは解雇まで精神の不安定以外に症状は現れませんでしたが、現在3人の職員が収容されています。この事案はSCP-1792がデジタル・メディアのように生き物からでも拡散することができるということが判明し、SCP-1792の被曝に対して多くの規制が設けられました。SCP-1792のEuclidへの再格付けが提案されました。 |
SCP-1792-28 |
████・音楽プレイヤー。SCP-1792の実験に参加したDクラスの1人に視聴覚室に入る前に音楽プレイヤーが与えられ、それを使ってSCP-1792を録音するよう指示されました。視聴後、装置は回収され、SCP-1792に晒されなかったDクラスへと渡されました。彼女は装置で音楽を聴くように指示されました;聴いたあと、彼女は今までSCP-1792の映像を見たこと無いにもかかわらず、SCP-1792に晒された時の症状を示しました。この実験以前ではSCP-1792の音声面は重要ではないと考えられていました;絵画の時と同じように中断、ミュートにしても感染させることが出来ました。更に、対象に内容について尋ねてもほとんどが何を聞いたかではなく、視覚的、感情的な面を集中的に表現しました。しかし、SCP-1792-28は音声による伝達も可能だということを証明し、多くの仮説が修正されました。 |
SCP-1792-31 (破壊済) |
アルビノの研究用ネズミです。SCP-1792-27事案で持ち上がった懸念に対し、SCP-1792が生物にまで及んでいる可能性を探るため、2人の研究員が割り当てられました。終了するまで、研究員はネズミに対しタンクの中でモニターを見るよう条件付けました。条件付けが完了したあと、研究員はSCP-1792-18を挿入し部屋を退出すると、DVDプレイヤーのリモコンを持ってきました。退出したあと、Dクラスを使った標準的なSCP-1792の実験と同様の方法で、リモコンの再生ボタンを押し、DVDの電源ボタンを押して電源を消すまで10分待ち、再び部屋に入りました。そこで研究員はネズミがタンクの床に頭を押し付けながら後退している異常な様子を確認しました。それが床に線を描いていることに気が付くと、█████████博士は狼狽え、即座に近くにあったブンゼン・バーナーで破壊しました。実験は後日再び繰り返される予定でしたが、SCP-1792-34事案が発生したため不必要になりました。 |
SCP-1792-33 |
SCP-1792に晒された1人のDクラスによって描かれた絵。SCP-1792に複数回露出させた後、Dクラスは必要な絵の道具に奇妙な物を要求しました。研究員がこの事を知ると、SCP-1792-27による事案が再検査されました。SCP-1792に晒された対象が伝搬するまたは新しいSCP-1792を作成することができるのかは現在もまだ不明で、Dクラスが見たことを書くまたは描くことは、殆どが見た内容に対して曖昧なため失敗しています。このため、要請は承認されました;Dクラスは別の感染者を作り出す可能性があるの防止のために別のエリアへ隔離されました。作業が終了するとDクラスが要求した道具は収容され、最終的にSCP-1792の存在を確認するための実験が行われました。 |
SCP-1792-34 |
サイト██の全保全監視システム。SCP-1792-33の最初の実験が準備されていた時、プロトコルの実行が不完全だったため収容違反につながり、この間、SCP-1792-33は封鎖された実験室の外側へと晒されました。監視カメラが事案を捉え、映像を監視している警備員がSCP-1792-33を目撃しました。警備員が起きたことを理解すると、施設の警報を起動し、保全監視システムをシャットダウンさせ、軽度のショック状態に入りながらも他の職員を待ちました。他職員が到着したので、警備員は見たものを報告しようとしましたが、彼が言える範囲には限度がありました;SCP-1792-33をはっきりと見たにも関わらず説明することはできませんでした。警備員が感染していたため、監視映像はより悪い何かを映していました;その時のSCP-1792はおそらくコンピュータシステムです。サイト██の全保全システムを解体し交換することは何ヶ月もかかる困難さで、処理が完了するまでに施設でのSCPの監視方法の変更が決定されました。更に、システムに保存されていた全ての情報が無くなり、SCP-1792によって消去されたデータの数は復旧するにはあまりにも膨大でした。SCP-1792-27が確認されてから最大の脅威であり、SCP-1792の露出に対するプロトコルは完全に精査されました;特に目立った追加はすべてがSCP-1792と考える決定でした。SCP-1792に曝された対象に対する監視も同様に変更されました;今後同様の事案が発生した際にSCP-1792の汚染拡大を防止するため、それぞれの被爆者の収容室は独自の保全システムによって監視され、施設のメインシステムとは独立し、隔絶されました。事案の後、収容のため財団は過去にSCP-1792に曝されたとわかる対象を捜索する試みが開始しました;しかし、これまでのところ殆どの所在確認ができませんでした。 |
付録: █████博士のメモより: "SCP-1792は以前考えられていたものより遥かに危険です。Safeに格付けされているが、完全には収容できておらず、活発的な脅威とみなさなければなりません。潜在的なキャリア、送信可能な触媒の数は考えられていた数より遥かに多く、SCP-1792が潜在的に負わせることのできる損害は甚大で、収容は最優先事項です。
例外なく他SCPとの複合実験を禁止するという私の要請は承認されました。SCP-1792による汚染、特に遠くに送信できるというSCPの特性は半端な覚悟では脅威の再現につながることを意味します。
とりわけ重要なのは、SCP-1792をインターネットのような媒体から避けなければならないことです;完全に理解していなくても、オンラインに乗ってしまえば多くの人間が被害を受けることは明らかでしょう。私達が現在判明していることで、潜在的な被害を最小限にしなければなりません。"