SCP-1821-JP
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アイテム番号: SCP-1821-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1821-JP-Aはセキュリティクリアランスレベル0相当の権限を与え、サイト-81██内の標準人型オブジェクト収容エリアにSCP-1821-JP-Bと共に収容されます。SCP-1821-JP-Bからコール音が発生した場合早急にSCP-1821-JP-Aによる応対、SCP-1821-JP-Bに付随したスピーカーホン機能・録音機能を作動させ、会話内容に則った機動部隊の配備・オブジェクトの移送行為を行って下さい。SCP-1821-JP-aとの対話中にSCP-1821-JP-Aが情報を要求してきた場合、会話終了後に記憶処理を行って下さい。

説明: SCP-1821-JP-Aは19██年2月28日生まれ、身長171cm、戸籍上の名前は「永部 彦々朗」となっている日本人男性です。外見的には細身であり、肉類の脂身、揚げ物等油脂分を多く含有する食物の摂取により消化不良を起こしやすい体質、診断の結果軽度の睡眠障害に罹患しています。
SCP-1821-JP-Bは█████████製██-██████モデルの家庭用電話機です。外装は若干の褪色が見られている事意外は問題無く通常の電話機として使用可能で、電源、電話線の接続の有無を問わずに不定期にコール音が発生し、受話器を取る事での通話・通話の録音機能等は問題無く使用可能です。SCP-1821-JP-Bがコール音を発生させた場合、SCP-1821-JP-Aは距離、その時の状況、状態を無視してSCP-1821-JP-Bの受話器を取り、電話越しの存在との会話を最優先に行動します。今異常性はどちらに起因しているかは現在調査中です。
殆どの場合SCP-1821-JP-Bへ電話を掛けて来た存在(以下SCP-1821-JP-a)は「永部 彦々朗」であると自称し、SCP-1821-JP-A以外との会話には基本的には応じません。声紋調査の結果においてはSCP-1821-JP-Aの実年齢との差はあるものの、完全に同一人物であるという結果が確認されています。
SCP-1821-JP-aは会話内容から確認される限りでは全個体が要注意団体に所属しており、数日以内に行われる作戦・行動に関しての大雑把な説明、及び内容に関しての愚痴・不安等を主な題材としてSCP-1821-JP-Aと会話を行い、心理的に満足した場合に電話を切ると予想されています。説得による行動の阻害は「絶対にやらなければならないと命令が下されている」「同じく参加している先輩に申し訳無い」等の理由で全て失敗に終わっています。その後会話内容に合わせた行動を会話していたSCP-1821-JP-aが所属しているとされる要注意団体が発生させます。実際行動する人数・装備・規模等には会話内容との差が確認されていますが、日時に関しては30分以上の差は確認されていません。
SCP-1821-JP-Aは200█年7月「自分が電話を掛けて来た」と財団フロント企業が経営している電気屋にSCP-1821-JP-Bを持ち込んだ事で存在が認知され、目の前でSCP-1821-JP-aとの会話を行った事、会話内容に類似した事件がサイト-81██で発生した事から収容が決定されました。当時SCP-1821-JP-Aは窓口相談役を務めていた会社の倒産により休職中であり、SCP-1821-JP-Bに関しては「会社で使っていた物が電話機の買い替えで捨てられそうだったので、勿体無いと思い全記録を消去した上で貰って来た」と話しています。

<SCP-1821-JP関連記録-01>

付記: 収容以前に異常性に気が付いたSCP-1821-JP-AがSCP-1821-JP-B内の機能により録音したもの。

<録音開始, 200█/06/28>

SCP-1821-JP-A: もう一度確認として言いますが、貴方の上司が所属している…ボランティア団体の手伝いをしろと?

SCP-1821-JP-a: そうなんですよ。わざわざ休日を返上して何でそんな事しなきゃいけないんですかね、本当に。

SCP-1821-JP-A: ええ、しかし近隣の方々の為に働くのは、決して悪い事ではないと思いますが。

SCP-1821-JP-a: それにしてもヤギを配るのはどうかと思うんですよね。

SCP-1821-JP-A: (約2秒無言)ヤギ、ですか……

SCP-1821-JP-a: あ、ちょっと待って下さい……ヤギ……いえ、ヤギじゃなかったですね。もっと滑って金属的なロバでした。

SCP-1821-JP-A: 滑って金属的なロバを、配るんですか?

SCP-1821-JP-a: はい。上司の務めている団体が繁殖に成功したみたいです。大きさはそれ程でも無いんですけど、運ぶのはねえ…(溜め息)

SCP-1821-JP-A: それは、頑張って下さい。人の為にロバを配る、結構な事じゃないですか。奈良県の皆さんも話題になるかもしれませんし、そんな所から仕事が入って来るかも……

SCP-1821-JP-a: ええ、そうですね。毒針に気を付けていれば可愛いものですし、話してみるとすっと楽な気になりました。良い事と思って明後日頑張ってみる事にします。

SCP-1821-JP-A: 頑張って下さい。

(通話が切られる)

<録音終了>

補遺: 6月30日に奈良県██市でマナによる慈善団体によるオブジェクトの無差別配布が発生、異常性により慈善団体関係者含めて合計52人が激しい腹痛、下痢、血尿等の症状を訴える。カバーストーリー「薬剤運搬中のトレーラー事故」を配布。SCP-1821-JP-aへの対応に関しては「悩みや不安を電話越しに語られると、職業柄どうしても解消したくなる」と答えた。

<SCP-1821-JP関連記録-03>

付記: SCP-1821-JP-Aの収容後、最初の録音記録

<録音開始, 200█/07/18>

(SCP-1821-JP-Bがコール音を発生。ベッドの上で読書中だったSCP-1821-JP-Aが本を放り投げて走り、受話器を手に取る)

SCP-1821-JP-A: はい、永部です。

SCP-1821-JP-a: ああ、私は永部と申します。今から少し長めに話しますけど、お時間大丈夫ですか?

SCP-1821-JP-A: ええ、大丈夫ですよ。

SCP-1821-JP-a: 良かった…あの、私は世界オカルト連合という所に勤めているのですけど…これからやる仕事がおっかなくて、怖いんですね。

SCP-1821-JP-A: どのように怖いのでしょうか?

(SCP-1821-JP-Aはメモ帳による筆記で、世界オカルト連合に関する資料を要求)

SCP-1821-JP-a: この世界に危険を及ぼしているとかいう財団の施設を完全に破壊するというのが命令なんですよ。ええ、動いているものは全部殺せって……知り合いの家も結構近いんですけどね……

SCP-1821-JP-A: 失礼ですが、何処での作戦ですか。

SCP-1821-JP-a: 日本です。日本中にある施設の中で、サイト-81██を狙えと……何十人も使いますから、新人の私は後方支援に徹しても構わないと……でも、血を見るのはやっぱり……

SCP-1821-JP-A: 永部さん。お言葉ですが……

(約12分間、SCP-1821-JP-Aは配布された資料内の概略的情報を元にSCP-1821-JP-aに対して一殺多生の概念、財団の理念に関する矛盾点の指摘及び罵倒を用いて割り振られた作戦の正当性を説明。SCP-1821-JP-aは納得の兆候を見せた)

SCP-1821-JP-a: ああ、ありがとうございます。胸のつっかえがすっと取れた様な…

SCP-1821-JP-A: いえ、こちらの方が長く話してしまってすいません。

SCP-1821-JP-a: お陰で四日後まで変に怯えなくてすみそうです、ありがとうございました。待ってろ財団!

SCP-1821-JP-A: その意気ですよ。頑張って下さいね。

(通話が切られる)

<録音終了>

補遺: 200█年9月2日、世界オカルト連合の構成員2名がサイト-81██に侵入。予め配備されていた防衛部隊によって対応、オブジェクトに関する被害は最低限度に抑えられたと思われる。SCP-1821-JP-Aへの記憶処理を実行。

分析: 現実に起きた内容と電話中の内容に明確な差を確認。移送と部隊配備に掛かったコストはともかくとして、会話より規模が小さかった事を喜ぶべきだろうか。

<SCP-1821-JP関連記録-04>

(SCP-1821-JP-Bがコール音を発生。SCP-1821-JP-Aは食器の乗った盆をふっ飛ばし、走って受話器を手に取る)

<録音開始, 200█/07/29>

SCP-1821-JP-A: はい、永部です。

SCP-1821-JP-a: あのー、██議員1の頭に草を生やすってどう思います?

SCP-1821-JP-A: はい?

SCP-1821-JP-a: あ、失礼しました、██議員が壇上で話している間に、頭を中心に草をばーっと…

SCP-1821-JP-A: (くすくす笑い)それは……何をするつもりなんですか……(笑いをこらえる音)

SCP-1821-JP-a: ああ良かった…真夜中に決まった事なのでちょっと不安だったんですけど、面白いみたいなので何よりです。

SCP-1821-JP-A: あー、ええ、確かに面白いのですけど…

SCP-1821-JP-a: ありがとうございました、良かったらお越し下さい。当日前売り券も5000円ですよ。

SCP-1821-JP-A: あの、お待ちくだ

(通話が切られる)

<録音終了>

補遺: 200█年8月2日、██県民会館のホール内で講談中だった██議員の口内からシダ植物に近しい性質の植物が発生、会館内及び外観を埋め尽くした。パニックを起こした観客23名が負傷、及び精神的ショックを発症。関係者全員に記憶処理、カバーストーリー「急病による中止」を流布。██議員は財団が関連する病院内に移送。体内に発生した植物の除去を実行中。

追記: 事件発生当日、セミナーの参加者数名が「外人さんが何人がいた」との証言を得るが、当時該当する人物は確認されておらず。事件発生から約20分後、インターネット上の掲示板「█████」上に「COOL JAPAN BY COOL US」というタイトルで██議員から植物が発生するシーンの動画ファイルが添付されたスレッドが作成されていた。スレッドを作成した対象の特定は失敗。

<SCP-1821-JP関連記録-05>

<録音開始, 20██/08/15>

(SCP-1821-JP-Bがコール音を発生。シャワールームから勢い良くSCP-1821-JP-Aが飛び出し、タオルを持った手で受話器を取る)

SCP-1821-JP-a: Saigaよ、聞こえますか?

SCP-1821-JP-A: はい、永部です!

SCP-1821-JP-a: (約2秒間無言)すみません、間違えました

(鐘の様な金属音が発生後、通話が切られる)

<録音終了>

補遺: 後のインタビューの結果、SCP-1821-JP-A及び鐘の音をリアルタイムで聞き取った研究員は凡そ400秒分の記憶が喪失したと予想される。

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