SCP-1822-JP
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SCP-1822-JP上で発見された固有種の1つ。翼開長45センチメートル。

アイテム番号: SCP-1822-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1822-JPは現在、███島の海岸に漂着させて管理されています。SCP-1822-JP領域は財団が所有し、許可のない人物や航空機、船舶の侵入が一切禁止されます。公開される衛星画像は全て漂着前映像のものに変更された上で流布されます。漂流者による侵入防止に着陸可能な浜や船着場は全て破壊されているため、侵入調査を行う時は専用潜水艦を使用し、海底を経由して上陸します。なお、SCP-1822-JPの生態系の維持のため、調査職員は防護スーツ着用を義務付けられており、従わない職員は検疫所に移送され、検査結果に従い処分されます。

PoI-1822の捜索はSCP-1822-JPを担当する全職員の最重要事項に分類されています。

説明: SCP-1822-JPは北緯3█°、東経1██°に現存する直径2キロメートルのカブトガニ綱生物(Merostomata)の死骸とその上に形成された生態系です。現在は腹部背面のみが地上に露出しており、表面には主に石灰岩、砂岩、石炭が堆積しています。SCP-1822-JP上には石炭紀のシダ植物やリンボク(Lepidodendron)と酷似した植物や地衣類が密生しており、空気中酸素濃度は30%に達しています。そのため、環境に適応した固有種が多く生息しており、特に昆虫が巨大化し独自の生態系を構築しています。なお、島の中央後部にある湖にはオオクチバス(Micropterus)属の魚類が確認され、状況から確保前の侵入者により意図的に放流されたものと推定されます。

以下は現在判明しているSCP-1822-JP固有種の一部です。完全なリストは別途参照[1]。

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SCP-1822-JP上で発見されたロボクのスケッチ。

  • 最大10メートルのロボク属(Calamites)植物。複雑に絡み合い、隆起や隙間の多い地形を形成する。進入調査は困難だが、多数の生物が生息していることが判明している。
  • 最大30メートルのリンボク属(Lepidodendron)植物。SCP-1822-JP上各所に生えている事が確認されているが、多くはシロアリの虫害や腐朽により折損しており、残存しているのは5本のみ。
  • 50センチメートル前後のシダ種子類(Pteridospermopsida)植物。SCP-1822-JP全体に密生している。
  • 翼開長100センチメートルを超える、メガネウラ(Meganeura)に酷似したトンボ。知能が高く、食物連鎖の頂点であると推測される。
  • 全長25センチメートルのプロトファスマ(Protophasma)に酷似した甲虫。群れを作り、攻撃性は高い。腐肉食中心の雑食であり、分解者の役割を持つ。
  • 全長3メートルのアースロプレウラ(Arthropleura)に類似した多足類。草食であり、動きは緩慢で大人しい。一部に2人乗りの鞍を装着した個体が見られる。
  • 翼開長50センチメートルのカゲロウ目生物(Ephemeroptera)。リンボクの樹冠に群れで生息しており、詳しい生態は不明。採集されたフンからリンボクの胞子を主食としていると判明。
  • 全長200センチメートルのウミサソリ目生物(Eurypterida)。SCP-1822-JPの中央の海水湖に生息。目撃報告は2件のみ。水中の頂点捕食者であると推測される。

SCP-1822-JPは太平洋ゴミベルト調査中、財団の海洋調査船を追尾する浮島として発見されました。この時点でSCP-1822-JP本体は著しく衰弱しており、ゴミベルトから離れた███島海岸への曳航後に治療の試みがなされましたが、発見から68時間後に死亡が確認されました。以降SCP-1822-JPは崩壊が進行しており、土壌の汚染や腐食による地盤沈下が発生しています。この進行を阻止する方法は判明しておらず、20██年には完全に崩壊し、沈没すると推測されます。現在、固有種の保全を財団生物保護委員会で協議されています。

補遺: SCP-1822-JP本体の甲羅の裏に近代的な建築物が発見されました。当該家屋には何者かが長期間生活および研究をしていた形跡があり、メモや研究資料が発見されました。資料の中には印刷されたメール内容の精査の結果、SCP-1822-JPは日本生類創研の製作物であり、内部分裂により破棄後、財団へ譲渡されたものと推定されます。以下は回収された印刷文書の抜粋です。

Subject: カブトガニ島について
From: ███████@lab.joicl.co.jp To: ██████@lab.joicl.co.jp


██上級研究員
███です。お世話になっております。
この度はカブトガニ島の製作にご協力いただき、誠にありがとうございます。あれから島の環境は急速に発展し、個々の生物たちも環境への適応が進んでおります。特にムカシトンボから改造したメガネウラが海鳥を捕食することで外来鳥類が排除され、環境の安定にも貢献しております。
注意すべきは現代生物の侵入と繁殖の防止であり、海岸沿いの木々には外来の地衣類の繁殖が確認されました。地衣類や菌類の繁殖は枯死した木々を分解することで土壌を汚染し、島の腐朽をもたらすため、塩化ベンザルコニウムによる地衣類除去を定期的に実施しております。また、島の植物の多くは病原菌や害虫への耐性を持たず、そのため感染樹木の確認は徹底しております。
また懸念点として、以前から広報担当から視察の要望が上がっており、何度か強引に接近を試みる船舶を見かけました。これは研究を妨げる重大なインシデントと認識しておりますので、お手数ながら██さんからも上申をお願い致します。
よろしくお願い致します。
日本生類創研██学部門第██研究室
「カブトガニ島」担当研究員 Y██████ A██████

Subject: 【重要】カブトガニ島のこと
From: ██████@lab.joicl.co.jp To: ███████@lab.joicl.co.jp


███研究員
██です。お疲れ様です。
先日、営業部門との会議で貴方のカブトガニ島の話題が出てきました。何でも、お客様をお連れの上で島の視察が行われ、来年中にでもツアーサイトとして利用するそうです。貴方が学会の為にイリノイに発って翌日のことだそうです。私の記憶では、貴方はまだ関係者以外の視察を許可していないという話でしたね。
貴方が戻るまで、用意された手順に基づいて島の被害確認を行います。また営業担当からの資料を添付しましたのでご確認ください。
よろしくお願いします。
日本生類創研██学部門第██研究室
上席主任研究員██████ ███

企画案: ジュラシック・アイランド


提案: 日本生類創研第五営業部門担当 小埜寺 博道
対象顧客層: エキゾチックツアー愛好の富裕層、昆虫好きの児童
参加料金案: おとな1人███万円、子ども半額
概要: 石炭紀を再現した生態系へのアドベンチャーツアー。オオムカデに乗って島中を回り、石炭紀の動植物の知育を行う。海水湖横に建設予定のホテルでは島で養殖した昆虫・魚介料理を振る舞う。
███研究員の提案した古生代の島の建設はかなり良好な結果を出しており、石炭紀の節足動物の生態系をほぼ再現できたと言える。古代生物好きのスポンサーをお連れしての視察時にはなかなか好感触であり、マニアたちも喜ぶ出来栄えとなっている。現在は両生類部門、爬虫類部門に頼んでオオサンショウウオやフトアゴトカゲを使用した脊椎動物の再現も試みている。これが上手くいけば、さらに石炭紀恐竜を推したジュラシックパークツアーを企画できるだろう。

Subject: カブトガニ島廃止について
From: ██████@lab.joicl.co.jp To: pj.oc.lcioj.kram|ihcimorih-aredono#pj.oc.lcioj.kram|ihcimorih-aredono


小埜寺様
██研究員から企画の話を聞き及び、資料に目を通させていただきました。私があなた方にカブトガニ島への上陸を許可した覚えはございません。まず島の生態系は安定したとは言えず、進化の過程にありました。本来であれば石炭化したリンボクにより土台が堆積し、それにより島の生態が安定化して大規模テラリウムとして成立するはずでした。それを外来物の干渉の結果、節足動物の遺伝子汚染、適応力の高い昆虫類による生態系破壊、さらには持ち込まれた菌類や地衣類による深刻な土壌汚染が確認されました。現在、島の発展は停滞しており、あまつさえハワイ島へ向かうためにフィリピン海の回遊域からゴミベルトへ突入させられたことにより、本体が回復不可能なダメージを負いました。土壌の変質により倒壊した植物の石炭化は停止しており、植物相の変化も既に修正不可能な状態にあります。よって、カブトガニ島のプロジェクトは廃止と致します。この貴重な機会を台無しにされ、私は大変残念に思います。
最後に、島の生物の保護のため、外来鳥獣駆除用の改良リッサウィルスを散布致しました。事前にお話しいただければワクチンの投与を行えますが、感染後の効果はございませんゆえ、ましてやお客様をお連れの上での侵入はお勧めしません。今回の件について、対話の意思を見せていただけることを期待しております。
よろしくお願い致します。
日本生類創研██学部門第██研究室
「カブトガニ島」担当研究員 Y██████ A██████

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添付されていたSCP-1822-JPの図。

Subject: Re: 【重要】██研究員を見つけろ
From: ███████@lab.joicl.co.jp To: pj.oc.lcioj.kram|ihcimorih-aredono#pj.oc.lcioj.kram|ihcimorih-aredono


小埜寺様
██です。お疲れ様です。
貴方が何のために見境なく各所に連絡しているかはわかっております。██研究員の送ったメールは迷惑メールにでも登録されていましたか?それともメールを途中まで読んで破棄なさいましたか?いずれにしてもどうぞお大事に。我々からも注意喚起致しましたし、██研究員もしっかりと貴方個人への忠告を行いました。あとは我々のサポートできる範疇ではございませんゆえ、ウィルス学部門にご確認いただくことをおすすめ致します。
よろしくお願い致します。
日本生類創研██学部門第██研究室
上席主任研究員 ██████ ███

発見された手書きの文書

この島をあなた方に差し上げます。島の価値を理解し得ない外来物どもに踏み荒らされるくらいならば、理解を拒みただ閉ざすあなた方に任せることが私にとって望ましいです。この楽園の理解者たる者が、あなた方の中にいると信じております。
P.S. 島に上陸してから具合悪くなられた方がいらしたら、以下の番号へご連絡ください。試験中の治療薬を提供いたします。
日本生類創研「カブトガニ島」担当研究員 Y.A.
TEL: 050-████-████1

サイト外の試験用端末から当該050番号にダイヤルしたところ、音声ガイダンスに接続しました。ガイダンスに従い氏名、郵便番号、BCGワクチン投与経験の有無を入力した3時間後に薬品ケースが発信者の横に転移されました。現在、薬品成分の分析調査が進行しています。

当該人物Y.A.はPoI-1822と指定され、捜索が行われています。

Bibliography
1. 淡路、クラーク(2017/09/12)SCP-1822-JPの生態系と環境維持のメカニズム 古生物物体収容論
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