SCP-1826
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D-00130に接近するサンダース研究員。D-00130は間もなく殺害された。

アイテム番号: SCP-1826

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: 3月中、事前に承認を受けた実験対象以外の者によるSCP-1826への入場は禁止されます。一旦イベントが発生した後、および1年の他の期間は、研究者は自由に領域内に入ることができます。実験によって生成された動物は、領域内でのイベント終了直後に安全な生息域へ移送する必要があります。

実験対象者以外の者が建物を退出する事態に備え、領域は常に監視します。このような事態が発生した場合は即座に報告しなければなりません。

説明: SCP-1826はウクライナのオレクサンドリーヤにあるオフィスビルで発生している現象です。SCP-1826が起こる建物の建設は2005/01/05に終了し、その後は人材派遣会社が利用していましたが、建設終了から3ヶ月後の2005/04/12に放棄されました。建物はおおむね立方体であり、3階建てで、1115平方メートルの領域を占めています。領域内には割れたガラス・オフィス家具・前のテナントが放棄したと思われるファイバーボード製のパーティションが散乱しています。建物の内部は、サルオガセモドキ(Tillandsia usneoides)に見た目の似た未知の苔を初めとする植物によって部分的に覆われています。また、発見時の建物には24匹の黒いホッキョクオオカミの群れが住み着いており、この群れは収容以来、安全な生息域に移送されています。毛皮の色以外に異常な点はありませんでした。

グレゴリオ暦3月に雌の動物が建物に入ると、SCP-1826の効果が瞬時にその生物に表れ、物理的に身体を変異させ始めます。対象によって変異の内容は異なります。多くの場合、ヒトの女性がSCP-1826に曝露すると、ダマジカ(Cervus dama dama)のそれに似た枝角が頭蓋から2秒で生えてきます。その後、対象者は即座に消失し、雄の動物が建物に入ってくるまで不可視の状態となります。この期間にSCP-1826の影響を受けた対象者を見つける試みは殆ど成功しませんでしたが、微かな電気信号によって、SCP-1826を宿した個体が今どこを移動しているか検出可能です。

雄の動物が建物に入ると、SCP-1826は宿った個体の身体を出現させます。以下に続くイベントは、黒いイヌ科動物が建物内に存在しない限り発生しません。

SCP-1826は宿主の体を出現させ、雄動物に対して“交戦”の意志があることを発表します。SCP-1826はその後、対象者に武器を提供し、できるだけ長く対象者から逃げ回ろうと試みます。イベントは宿主の肉体が死ぬか、雄生物が死ぬもしくは建物を退出するまで続きます。対象者が建物から出た場合、SCP-1826実体は対象者が再び入場するまで姿を現さなくなります。これらのイベントは12日間しか続かないことが記録されています。

イベントは、建物内にどれだけ多くの人物がいるかに関わらず発生します。SCP-1826は宿主の身体で現れ、見たところランダムに雄生物を1体選んで話しかけます。他の対象者たちは、この間、SCP-1826実体とも選ばれた雄生物とも物理的接触ができないようです。

死者が出ると、死体は未知の原理で建物の壁に吸収されます。対象者が殺害された領域内では植物の成長が加速し、翌年の同じ日になると雄の黒いホッキョクオオカミの子供が葉の中から出現します。葉を除去することによってこの現象は無効化できます。

補遺A: SCP-1826が適切に偵察された後、サンダース研究員とアシスタントチームが調査のために領域へ派遣されました。事前の偵察中、Dクラス職員は負傷することなく、領域内での異常現象を報告していませんでした。入場してから間もなくサンダース研究員は、目撃者によると「角を生やして姿を消し」ました。エリアから職員は避難し、映像および音声記録装置を装備したDクラス職員が実験のために送り込まれました。

3階から足音が聞こえ、間もなくSCP-1826実体が2階と3階を繋ぐ階段に出現した。女性の声がSCP-1826の肉体的な位置から発せられているが、宿主の口は動いていない。

SCP-1826: ようこそ兄弟よ! ついに君と出会えて光栄だ。

D-00130: あー…なぁ? ちょいとアンタに質問するように言われてるんだ。頼むから俺を殺さないでくれ。な? 最初の質問なんだが、アンタは何のために、どうやってここに居るんだ?

SCP-1826: 私は、私たちが共に春を迎えられるようにここに居る! 私に加わりたまえ!

D-00130: あー、そうかい、聞こえは良さそうだな…それってどういう意味なんだ?

SCP-1826: 傭兵どもと狩人どもが、3つ前の冬に、ここに申し分のない闘技場を建てたのだ。そして我が道はこの3月に申し分のない魂と会いまみえた。この栄光の競技にて私と一戦を交える運命に向き合うがよい!

D-00130: 俺は…スポーツはすごく苦手なんだが。

SCP-1826: 私はこの、反骨精神と頑迷さで知られる生を送った肉体に指示を出す。その魂は我が亡き姉の弓を振るうであろう。君も間違いなくこの挑戦を受けるであろうな? SCP-1826はAK-47に似た銃器を背後 ― 見たところ、履いているスカートの中 ― から引っ張り出す。

D-00130: お願いだ、俺を殺さないでくれ…頼むから。

SCP-1826: 不名誉なことを言うな。覚悟を決めるには時間がかかりそうだな、兄弟。君が拳ひとつで私をどう打ち負かそうと計画しているのか非常に興味深い!

D-00130: は? 待てよ、俺は武器持ってないんだよ! できるわけねーだろ!

SCP-1826は回転し、自らが持っていた銃をD-00130に投げ渡す。

SCP-1826: 良かろう! 私は頭を使うとしようか。

SCP-1826は階段を3階へと走って上がっていく。

<以下省略>

D-00130は7日後、下腹部と骨盤を貫通する刺し傷を負った状態で、建物から2m離れた地点で発見されました。3階の割れた窓は、D-00130の死因が地面との衝突だったことを示唆しています。サンダース研究員の死体は発見されず、その後の実験でも姿を現しませんでした。SCP-1826が保有していた銃は直ちに検査されました。問題の銃はシリアルナンバー196001430の近代的な構造で、一切の異常性を示しませんでした。詳しい調査の結果、銃は2005年に当地で行方不明になったと考えられているベラルーシ在住者の所有物と判明しました。

補遺B: 以下の実験は、雄生物の対象者としてオオアリクイ(Myrmecophaga tridactyla、対象者01)を、SCP-1826の宿主としてアカヒアリ(Solenopsis invicta)を導入した実験です。アリは非常に小さな角を生やして、建物に入れられてから約2時間後に消失し、その後アリクイの前に姿を現しました。イベントは合計で2時間30秒継続しました。

SCP-1826: 祭典は、私たちの王に会う栄誉あるものだ。

ウェールズ語で話す男性の低い声が建物全体に響き渡る。

[正体不明]: 貴様とは、我らの真下の島で会おうぞ、Ffrwtan。

[正体不明]: [不明瞭] 斯様な事を言いたいのでは無かったのだが… [不明瞭] おのれ、Slyphie!

SCP-1826は対象者01によって5秒で捕食された。

補遺C: 以前の実験におけるイベントから、SCP-1826実体は、既知のSCPオブジェクトと分類を共有していると考えられています。以下の実験は、鉄粉を充填した革バッグを装備したDクラス職員D-00131による実験です。SCP-1826の宿主としては雌のリクガメ(Testudo graeca)が導入されました。カメは小さな角を生やして、建物に入れられてから約20分後に消失し、その後にDクラスの前に姿を現しました。

D-00131は、SCP-1826を傷つけないように注意しつつ、甲羅の上に鉄粉を振りかけるよう指示を受けました。D-00131はまた、できるだけ多くの粉を掛け、結果を記録するようにも指示されました。D-00131はヘッドセットを経由してブリーン研究員と通信していました。

SCP-1826: 始めまして、我が友よ。貴方は私に加わり、冬を越す御つもりですか?

D-00131: ええまぁそんな感じです。

SCP-1826: 貴方の狩りは豊かなものとなるでしょう。

D-00131はカメに近づき、甲羅に鉄粉を振りかける。カメは立ち止まり、防衛姿勢を取る。

SCP-1826: 痛いっ! 待って…一体貴方、どうして…

ブリーン研究員: 何が起こってるの?

D-00131: カメがただそこに座り込んでます。大丈夫そうです。

ブリーン研究員: ありがと。建物から出てくれるかな。

SCP-1826: 舞踏は御終いのようですね。

D-00131: えっ?

サンダース研究員とその他の以前の実験対象を含む24体のヒト型女性生物が、D-00131の周囲にあるドアや通路から出現。各実体は以前の実験で回収されたものの亜種と思しき自動小銃で武装している。実体がD-00131に押し寄せる。

ブリーン研究員: 問題が起きてるみたいだね。装備品を使って-

SCP-1826: (金切声の叫び、続けて未知の言語と、複数の大きな翼が羽ばたく音)

発砲によりD-00131が死亡。

ブリーン研究員: コードピンク、発動するよ。

実験終了後、建物を退出した24体の有翼ヒト型生物は、大気中に発射された鉄粉の弾幕によって可視化されました。機動部隊シータ-11(“ペイル・メン”)がガスマスクを装備して実体に発砲し、22体の死体が回収されました。シータ-11側の死傷者は出ていません。

建物内に居た実体は、1915年に根絶されたと考えられていた███実体群と同様の方言で話していた。SCP-1826が███と歴史的に結びついていたか否かは現時点では分かっていない。ウクライナに██████セルが存在する可能性を探るための実験が即時予定されている。

ここに混乱や憶測が入る余地はないのだ。コティングリー・プロトコルの繰り返しは保留されている。

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