SCP-187
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アイテム番号: SCP-187

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-187はほとんどの時間を沈鬱な様子で過ごしており、総合医療チームが毎時回診する必要があります。また、自傷行為に及ぶことを妨げるため、医療用拘束具一式で拘禁しておかなければなりません。加えて、彼女が「周期」終了間近のDクラス職員と対面対話したりすることがないようにしなくてはなりません。

SCP-187の手には常時厚い綿入りミトンを着けさせておく必要があり、このミトンは自分で脱ぐことができないようにしておかねばなりませんが、これは彼女がかつて、自分が目にしたものの恐ろしさから逃れようとして自分の目を掻き毟ろうとしたことがあったからです。彼女の視力、そして彼女の見るものは、我々にとって大変な価値を有し得るものであり、失うような危険に晒すことはできません。SCP-187とのテスト中、彼女が目を開くのを拒むようなことがあったら、テストスタッフは開瞼器を用いて無理矢理目蓋を開けさせ、テストの間ずっとそのままでいるようにさせても構いません。

これら制限を別にすれば、SCP-187はSafeクラスであり有用な情報源となり得るものと考えられますし、また、監督つきであれば、サイト内を案内して構いません。彼女のした会話やコメントはどんなものでも記録し分析するものとします。

SCP-187にはスプーンで食事を与えてください。彼女の食事すべてには弱精神安定剤を添加します。

説明: SCP-187はコーカソイド女性で、年は20台半ばにさしかかったくらい、身長は180cmで体重は40kg(およそ80lb)です。彼女は深刻な栄養失調を患っており、静脈点滴で栄養供給しなくてはなりませんが、これは彼女が与えられた食べ物を何も食べようとしないからです。彼女は深刻な栄養失調状態から回復しました。

SCP-187の能力は独特な、我々が今まで遭遇したことない形態の未来予知です。未来を見ることができる他のものたちとは違い、SCP-187は全てのものの二つの状態を同時に見ています――そうであるところと、そうなるであろうところの二つを。彼女は些細な変化は見ることはできず、ただ我々が「いつも通り」と見なすだろうことに起きる変化だけを見ます。例えば、あるテストの際、五人のDクラス職員を前に立たせて彼らの誰が服を着替えるだろうか尋ねたところ、彼女は答えることができませんでしたが、これはそのような変化が十分大きなものではないからです。しかし、五人のDクラス職員を前に立たせて誰が射殺されるか尋ねたところ、何度やっても彼女は誰がそうなるかを「予言」できましたが、これは彼女がただ目をやるだけで加えられた傷害を見ることができたからです。

SCP-187はそのとき目にしていないものについては未来の出来事や変化を予見することはできません。そうではなく、彼女は何であれ目にしているものについてであれば未来の状態を見ることができるのです。しかし、このことには我々が他の対象について見たことのない特性と能力とがあります。例えば:

新たに取得した人間/人型SCPについて行う通常のテストの一環として、SCP-187は標準のIQテストを受けました。答え合わせをしたら、彼女には300(テストの上限)を越えるIQがあることが明らかになりました。これは、もちろん、彼女が地球上で一番頭のいい人間だとするものではありません。しかし、最初に彼女としたインタビューから考えると彼女の知性はそこまで高いものとは見受けられませんでした。テストは四回繰り返され、そしてどの時にも、彼女は取り得る最大の得点を取りました――つまり彼女は一つ一つの質問すべてに正答したのです。これについて彼女にインタビューしたところ、彼女は実際にはどの質問についても正解を知っていたわけではないと明らかにしました――単に彼女は既に解答が書き入れられたテストを見ていたのです。彼女にコンピュータ式IQテストを受けさせたところ、彼女が解答を入力する場所(ペンと紙ではなくキーボード)の未来の状態が彼女の入力に影響することはなく、彼女のIQは97と明らかになりましたが、これは平均を僅かに下回るものです。

これはSCP-187が受ける筆記式テストすべてに起こることです――彼女は前もって見ることができるのです、彼女自身が書き入れるだろうところに基づいた回答を、たとえテストが彼女には理解できない外国語でのものであっても。ここにはあるいは存在論的パラドックスがあるやもしれません――情報の存在が未来から挿入されるという。この情報、正しい解答が、どこから来るのかは知られておらず、知り得ないものであるかもしれません。

SCP-187の能力は代価を伴うものなのです、しかしながら。この能力は彼女を狂気へと駆り立てるものなのです、彼女が見てしまうもの故に。その目にするもののうちでなにより彼女が心理的被害を受けるのは、死を間際に控えた人々の輪の中にいるときに見るもので、なぜなら彼女は同時に見ることになるのです、彼らが健康に生きている姿と、彼らの死んだ姿、それも時には、その死がいつのことになるかに依っては、腐敗した死体となった姿との両方を。このため、彼女はほとんどの時間重い沈鬱の内にいざるを得ず、また、彼女に意識があるときには、付き添いの者は常に精神安定剤を携帯し彼女を正気に保てるようにしなくてはなりません、そうでもしなければ精神への大変な被害ゆえに、彼女が恐怖に叫び続けたり、自殺を試みたりといったことをするような場合でも、そんなことをする代わりに、我々の質問に答えてもらえるようにするために。

SCP-187はまた食事を拒みますが、これもやはり彼女の能力ゆえのことです。一皿の食事を差し出されたら彼女には大便なり消化途中の流動物なりに見えることでしょうし、一杯の水も一杯の尿に見えることでしょう。これが彼女の深刻な栄養失調の原因であり、またこのため、彼女には静脈点滴で栄養と水分を供給しなくてはなりません。

栄養失調の長期化はSCP-187の健康に影響し、また187の死は財団の中期的緊急事態計画に影響を持つことであろうことから、SCP-187には食事の間目隠しをしてください。食事時間は15分以内にし、SCP-187がなにもはっきりとした変化を予期したことがない場所で行なってください。


SCP-187の述べた、「予言」であったと判明した短評とコメント:

██████博士の離婚:

SCP-187: あなたの指輪。
██████博士: 私の指輪?
SCP-187: ええ、あなたの結婚指輪。
██████博士: それがどうかした?
SCP-187: 嵌めてないわ。
██████博士: 嵌めてるわよ、ほら、ちゃんとここにあるわ。
SCP-187: 嵌めなくなるわ。

██████博士の夫は翌日離婚を申し立てました。職務に復帰した際、彼女は結婚指輪をしていませんでした。彼女の結婚生活は19年に及び、それは彼女の人生の半分以上であったので、彼女が指輪をしているのは「いつも通り」のことと考えられ、指輪をしていないのはSCP-187が見るのに十分な異常事態でありました。


以下のDクラス職員の死について:

D-16124:

SCP-187: あの人、なんであんなに膨らんでるのかしら?

後にD-16124は次の行先へと「ダイヤルを回す」ためにSCP-120へと送り込まれて真空空間に曝されました。

D-16198:

SCP-187: いい男……
インタビュアー: 誰? その部屋の外に立ってる男かな?
SCP-187: ええ。なんて名前なのかしら?
インタビュアー: 知らないなあ。なあ、そこのお前。
D-16198が顔を彼らの方へと向けると、SCP-187は息を詰まらせ涙を落とし、『死んじゃう!』と叫んだ。
インタビュアー: 彼が? なんで分かったの?
SCP-187: 頭の左側に大きな穴が開いてる。

後にD-16198はサイトからの逃亡を試みている最中に銃撃により終了されました。彼はSCP-187の叫びを聞いたから逃亡を試みたのかもしれず、その含むところは、彼女はいわゆる自己成就的予言を発動し得るということです。

D-16206:

SCP-187: あの人の足足足足は足よ足あの人の足はいったいどこよ!?

SCP-███が収容房から逃げ出し、サイトからの脱出を試みたその途上で彼に噛みついて、D-16206は殺されました。


SCP-███が逃亡を試みた件について:

サイト██を案内されている際に、SCP-187はSCP-███の収容房の外で立ち止まり、それを凝視した。
クライン博士: 何を見ているの?
SCP-187: こんな厚いドアをどうやって破ったのかしら?
クライン博士: どういうこと?
SCP-187: 一フィートはありそう。どうして壊したりできたのかしら?

17時間後、SCP-███がどうにかして拘束から自由になり、実際にその房のドアを引き裂きました。しかし、SCP-187の陳述を承けてクライン博士は保安部に警告しており、そのため武装対応部隊が待機していて、どうにかSCP-███を銃撃で鎮圧できました。

SCP-187の健康を確からしめるために常駐医療チームを置くのにかかるコストは明らかに高く、我々の初期計画は、分析し、試験し、そして学べるだけのことを学んだら彼女を終了しようというものでした。しかしながら、彼女の能力のおかげで我々はKeterクラスであるSCP-███の逃走しようという試みを阻止できた、この事実は彼女の能力が有用なものたり得るということを証したてるものです。

彼女を破壊不可能と思われるSCPと引き合わせようという提案が受理されました。これはそれらが死亡するか破壊されている姿を「見て」、彼女がその殺戮/破壊手段を説明できるだろうことを期待するものです。この提案については保留となっています――時間輸送の可能性については慎重な考慮を要します。要するに彼女が破壊/終了手段を見ているとして、それはただ彼女が見た故に可能なだけなのです。上級スタッフメンバーの幾人かはそこが気に懸かっています。

さらなる実験についての詳細は実験記録187-1(未訳)から見つけられるかもしれません。

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