SCP-1874-JP
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就寝中のSCP-1874-JP

アイテム番号: SCP-1874-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1874-JPは発見次第、特殊保育器型ユニットにて収容並びに監視が行われます。当該オブジェクトの異常性を考慮し、ユニットは密封した上で、常にカメラによる監視と脳波計による測定を行ってください。全国の産婦人科と協力を行い、SCP-1874-JPの転移の兆候、並びに転移現象が確認された場合、その後に出産が行われた胎児に関して1カ月検診の際に調査手順「ヘッケル」を実施してください。手順よりSCP-1874-JPが発見された場合、関係者並びに当該オブジェクトを出産した対象に記憶処理が行われます。

説明: SCP-1874-JPは生後1ヶ月の発達段階において成長の停止している乳児です。下記の異常性以外の発達段階は一般的な生後1ヵ月程度の乳児と同様です。当該オブジェクトの異常性として、以下のような物が挙げられます。

1 涙の主成分がヘロイン(C21H23NO5)であり、落涙から数秒後に気化する。 その他、汗や血液等対しての調査が行われましたが、ヘロインは検出されていません。また、排泄は現在までに確認されていません。
2 異常な生存力を有している。 過去SCP-1874-JPを保育していた人物からの証言を受け、財団内で行われた耐久実験により、当該オブジェクトが身体の致命的な損傷の影響を受けず、生存し続ける事が判明しました。また、その過程において、食事も必要としていない事がわかっています。
3 不定期に転移を行い、日本内の妊娠1カ月程度の妊婦の胎児と入れ替わる。 入れ替わる際にSCP-1874-JPは胎児への逆行現象を起こしており、更にDNAを変化させています1。この異常性によって入れ替わった胎児の生存例は現在までに確認されていません。また、上記の涙に関する異常性は、当該オブジェクトが再び誕生してから1ヵ月が経過した時点で発生します。

SCP-1874-JPは1995年、一般女性により保育が行われていました。周辺住宅から「毎日近隣住宅の女性が自分の子どもに暴力をふるっている」という通報を受け、児童相談所職員に扮していたエージェントにより発見、後に女性も含め特殊部隊によって収容されました。当時、SCP-1874-JPは記録上は誕生から6ヵ月が経過しているとされていましたが、容姿は生後1ヵ月と推測されるほどでした。以下はその女性に対して、児童相談所で行われたインタビューです。

対象: 一般女性(以下SCP-1874-JP-1と記述)

インタビュアー: 日笠研究員

<録音開始>

日笠研究員: では質問を始めます。あの赤ちゃんは、あなたが出産したという事で間違いありませんね?

SCP-1874-JP-1: ええ、ええ! そんな事よりも、早くあの子を返してちょうだい。そろそろお腹が空いている時間だろうから、ご飯をあげないといけないの。

日笠研究員: 失礼ですが、ご飯は何をあげていらっしゃったのでしょうか。少なくとも、あなたのご自宅からは粉ミルクや離乳食は発見できませんでした。

SCP-1874-JP-1: それは[沈黙]

日笠研究員: 代わりに、使用済みの医療用の薬品がいくつか発見されています。ただし、これは違法に購入した物である事もわかっています。これを、何の用途で使用したのですか?

SCP-1874-JP-1: 違う、違うの。私はただ、あの子が泣くのを見るのがとてつもなく幸せだったの。貴方だってきっとそう思うわ。私は、あの子を泣かせるためだったら何でもするわ。

日笠研究員: 申し訳ありませんが、あなたの嗜好は私たちには理解できません。また、あなたの血液と尿からは薬物反応が検出されています。日常的に薬物を摂取していたのではないでしょうか。

SCP-1874-JP-1: いいえ、薬物なんて、1回も使った事はないわ。それより早く、あの子の泣き顔が私は見たいの。ねえ、お願い。

日笠研究員: 残念ですが、あなたの元にお子さんを返す事はできません。乳児院に預けられるでしょう。

SCP-1874-JP-1: そんな待ってよ、あの子は私の子どもよ。貴方達があの子に触れる権利なんかないわ。訴える、訴えてやる!

日笠研究員: この後、あなたは薬物依存症の回復、治療施設へと送られます。訴えたいのであれば、そこで自分が行った事を真面目に考えてからにしてください。以上で質問は終了です。

SCP-1874-JP-1: 待ってよ、ねぇ待ってよ。まだ足りない、足りないのよ。少しでもいいの、あの子の顔を、顔を、舐めさせてよ!!

<録音終了>

終了報告書 SCP-1874-JP-1は記憶処理の後に、薬物依存の回復、治療施設へと入所しました。顔を舐めるという女性の証言、並びにエージェントが確認した光景から推測するに、発見された乳児の涙に対して何か異常性があると考えられます。

事件記録1874-JP: SCP-1874-JPの転移現象が発覚し、その1ヵ月後に再び一般女性により当該オブジェクトが保育されていた事が判明しました。この事件を受け、特別収容プロトコルの大幅な変更が行われました。以下はその女性に対して財団で行われたインタビューです。

対象: 一般女性(以下SCP-1874-JP-2と記述)

インタビュアー: 日笠研究員

<録音開始>

日笠研究員: 貴方はあの子どもがおかしい、という事に気づいてはいたのですね。

SCP-1874-JP-2: はい。いくらあやしてあげても、いくらご飯をあげても喜ばないし、それにオムツだってほとんど取り変えた覚えがなくて。

日笠研究員: なるほど。そこで貴方は医療機関に相談を行ったのですね。

SCP-1874-JP-2: でも、どこも異常はないって言われて家に帰ったんです。そしたら、あの子が泣きだし始めて。

日笠研究員: 泣きだし始めたその子を、どうしたんですか?

SCP-1874-JP-2: [10秒間の沈黙]その様子を見てたら、とても、イライラして。なんでか分からないけど、怒りがこみあげてきて。[沈黙]

日笠研究員: なるほど。

SCP-1874-JP-2: 思いっきり、あの子のお腹を、何回も[SCP-1874-JP-2が口を紡ぐ]

日笠研究員: その後、どうしましたか?

SCP-1874-JP-2: 自分のした事に、怖くなって。あの子を連れて、██駅のロッカーまで走って。周りに誰もいない事を確認して、あの子を、ロッカーに。

日笠研究員: なるほど。そのロッカーの番号は、覚えていますか?

SCP-1874-JP-2: はい。0101だったと思います。

日笠研究員: 0101ですね。わかりました。ありがとうございます。

SCP-1874-JP-2: その時、でも、初めて見たんです。

日笠研究員: 何をですか?

SCP-1874-JP-2: あの子、ロッカーを閉める時までずっと、あんなに殴ったのに、泣きながら笑ってたんです。

<録音終了>

終了報告書: SCP-1874-JP-2の供述通り、██駅のロッカーの0101からSCP-1874-JPが発見され、収容に至りました。SCP-1874-JP-2は軽い薬物依存の経過が確認されたため、治療、回復施設へと入所が行われます。

補遺: 201█年、SCP-1874-JPに対して大規模な検診が行われました。その結果、SCP-1874-JPの脳波測定において前頭部に速波の出現が確認され、SCP-1874-JPが自身の異常性による影響を受けている可能性が高い事が判明しました。また、その後も定期的な脳波測定を続けたところ、SCP-1874-JPの脳波は観測毎に遅延しており、16回目の観測時に脳波が完全に停止、その43分後に転移現象が確認されました。この事例を受け、特別収容プロトコルの再修正が行われました。なお、再収容毎に行われる検診ではSCP-1874-JPの脳波は正常な状態を保っている事が確認されています。

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