SCP-1890
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アイテム番号: SCP-1890

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: この物品は、外部環境への曝露や害虫による損害を防止するため密閉された容器に保存しなければなりません。オブジェクトを扱う研究者や被験者は保護手袋の着用が要求されます。SCP-1890に含まれる写真のコピーに異常性がないことは証明されており、研究スタッフはこれを調査することが許可されています。

SCP-1890は現在、研究セクター-09にボニフェイ1一家に関する他のアーティファクト2とともに保管されています。ほかのSCPとのクロステストは、既に禁止されています。

説明: SCP-1890は19世紀後半のものと思われる小さな写真アルバムで、保存状態は良いものの年月の経過が見られます。革製のカバーには「PHOTOGRAPHS」という語が印刷されており、その裏側には不器用な字で「BONIFAY」と彫られています。

アルバムのページ数は13から16ページの間で変化します。しかし増減するページは常に空白で、アルバムには常に同一の26枚の写真が含まれています。これらの写真はアルバムに損傷を与えずに取り出すことができないにもかかわらず、アルバムを開くたびに写真は異なる順序で出現します。

家族の写真アルバムとされているのにもかかわらず、写真は多くの人種を含んでいます。大多数はアフリカ系アメリカ人で、これに白人と現代的なセミノール族の衣装を着た混血の個人が続きます。対象は単独の肖像写真、家族写真、または個人の所持品という形で撮影されています。

数枚のページにおいて、インクで書かれた19個のメモが確認されました。メモはアメリカ英語で、簡易的な速記によって姓や場所、時間などが書かれています。写真は頻繁に移動しますが、メモの位置は移動しません。このため、多くの写真が同一のラベルを共有する結果となっています。例えば、「junior」のラベルの上には異なる10人の青年の写真が出現しています。ラベルと写真の本来の位置を推測することは不可能です。

地形や建築物の細部からは、元の写真がフロリダ州のベルグレイドとパホーキーにおいて1890年から1928年の間に撮影されたことが示唆されます。しかしこれにもかかわらず、写真に写る個人やその名前はいかなる古文書や歴史記録からも特定されませんでした。

SCP-1890の内容を長時間にわたって直接観察すると、相貌失認に似た症状が引き起こされます。

  • 12時間(毎日4時間ずつ3日)写真に曝露された被験者は、非常に明確に「ボニフェイ一家の人々」を説明できるようになりました。しかし、被験者は毎日交流する研究員や仲間の受刑者でさえも、その名前や身元などを思い出すことが困難になりました。これらの症状は一時的なもので、24時間後に沈静化しました。
  • 60時間以上(毎日4時間ずつ15日)写真に曝露された被験者は急性相貌失認に類似した症状を示し、幼馴染の個人でさえも顔の特徴から個人を識別することが不可能となりました。対照的に、被験者は全26枚のボニフェイ一家の写真の特徴を完璧に思い出す能力を示し、樹木の形や種、コートのボタンの数、新生児に生えていた歯の数などの細部を説明することが可能でした。また、実験前に記憶保持力が著しく貧弱だと示された1名の被験者は、いかなる視覚的な手がかりも用いずに、鉛筆と紙で女性のスカーフ上の複雑なビーズ細工の模様を再現することができました。
  • SCP-1890の内容に60時間以上曝露された被験者の認知異常は、最高で3週間続きました。80時間の曝露では、認知異常は1ヶ月継続しました。全ての被験者は最終的に本来の認知機能を回復し、重大な障害や改善は見られませんでした。

強く影響を受けた人(写真に日常的に総計60時間以上曝露された個人と定義)は、「ボニフェイ一家」に関する娯楽活動、個人の個性、人間関係について強い興味を抱き続けています。

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