SCP-1923-JP
評価: +3+x

アイテム番号: SCP-1923-JP

オブジェクトクラス: Keter Safe

特別収容プロトコル: SCP-1923-JPは遺体に防腐処理を施し、事件記録-11発見時の状態を維持したまま高感度重量センサーと共に断熱性素材を内部にコーティングした強化アクリル製の棺内部で保管されます。棺の中から取り出す事が可能なのはセキュリティクリアランス3以上の権限を所持した職員に限定され、収容違反に繋がる可能性のある実験・解析は禁止されます。


説明: SCP-1923-JPは異常性を有する葉巻型の物体です。その外見や大きさ、重量等はチャーチルサイズ1の葉巻に見え、側面には███宗の神名を草書体で記した護符が貼られていました。現在護符は消失しており、貼られていた箇所に隠されていた縫合痕が露出しています。詳細は事件記録-11を参照して下さい。
内部には大半が炭化した木材から成る空間他クロム、パラジウムを主とする微量のレアメタル類が確認されています。以下は過去に確認された異常性です。
  • 表面は異常な耐久性、復元性を有しており、外見に関する劣化や磨耗は確認されていない。手で触れた感触は「爬虫類の鱗の様」とされ、葉巻の経験者には明確な違和感を抱かせる。
    • 一部に焦げ跡が見られ、焦げていない箇所は人間の手により握り込まれた様な形状に見える。大きさ、形状から成人男性の可能性が高い。
  • 吸い口には穴が空き内部構造が確認出来るが、急激な温度変化に合わせて僅かに膨張し穴がほぼ完全に塞がる。
  • 巻き付けられたラベルから推定7/100V程の微弱な電流が約2時間間隔でSCP-1923-JP全体に流れる。
  • 全体に著しい撥水性を備えている。水中に沈めても水分の吸収は見られず、軽く振るだけで表面に付着した僅かな水滴は全て飛んで行った。

SCP-1923-JPに対して一般的なライター、マッチ等の点火器具を用いての吸い口への着火を行う、その他急激な温度変化が発生した場合においても、末端部より通常の葉巻に比べ遥かに大量の紫色がかった白煙が発生します(以下SCP-1923-JP-1)。過去の実験においては約26℃の室内にて氷水にSCP-1923-JPを沈めた際にもSCP-1923-JP-1の発生が確認されています。
一般的な煙と比較して遥かに高い濃度を示しており、事件記録に基けば██分以上日中に発生を継続させたSCP-1923-JP-1は平地では約100km先から、または巡航中の旅客機等からでも視認する事が可能になると思われます。

SCP-1923-JP-1を直接目視した喫煙者2はSCP-1923-JP-2と変化します。SCP-1923-JP-2は燃焼中のSCP-1923-JPの「救出」を最優先事項と認識し、既に所持している、近辺で購入する、他人から奪う等の方法で手に入れた煙草類を着火して口に咥えた状態のまま可能な限りの方法を用いて迅速にSCP-1923-JPの「救出」を行おうと試みます。
この際の過程・方法は個人によってばらつきがあり、「防火用の装備を買い揃えた、または盗難した上で現場へ向かう」「車で法定速度を██km以上オーバーした速度で道路を逆走する」「█階から飛び降りる」等の方法が確認され、その内一部は急激な運動によるアキレス腱の断裂、喫煙しながらの運動による酸素欠乏症等による負傷、高所からの落下や交通事故により死亡します。以下は「救出」時にSCP-1923-JP-2が取る行動並びにSCP-1923-JPの動作の一連の流れです。

  1. SCP-1923-JPをSCP-1923-JP-2の内の一人が両手で握り締め、腕を伸ばし頭上に掲げる。
  2. SCP-1923-JP-2が流暢な発音のイギリス式英語で以下の文章を発する。
  3. 周囲のSCP-1923-JP-2は絶叫を発する。この時慟哭する者も居る。
  4. SCP-1923-JPの末端が青色の光の点滅を発し、SCP-1923-JP-1の発生が停止する。

SCP-1923-JP-2のイギリス式英語の知識の有無は関係無く、財団が確認出来る限り全員が以下の文面を発しています。

君達の知らぬ犠牲を糧に 赤く燃え行くこの煙は 勝利を齎す思いと成り得る

「救出」3段階目途中でSCP-1923-JP-1及びSCP-1923-JP-2に関する異常性は全て消失し、SCP-1923-JP-2はSCP-1923-JPに関する興味を完全に失います。殆どの場合においてその場にSCP-1923-JPを放置し去っていくか、場所に応じて精神影響の消失による突発的なパニック状態に陥り高い確率で死傷者が発生します。
放置されたSCP-1923-JPは1時間以内に消失、別の場所へと転移します。消失から再出現には年単位での間隔が空き、取り付けた発信機は再出現時には消失している事が確認されました。転移先は主に開発の進んだ工業地帯や航行中の船舶内等、確実に人の目に付く場所に限定されています。以下はSCP-1923-JPに関連性のある一部の事件記録です。

事件記録-011以降SCP-1923-JPの転移は発生せず、現収容プロトコルの確立以降一切の異常性を発生させなかった事から200█年█月、Safeクラスへの再分類が決定されました。

補遺: 棺内に収容されたSCP-1923-JPが末端部より橙光の点滅を発している様子が発見されました。調査の結果日本語モールス信号を用いた以下の文章である事が確認されました。

出遭えぬ友へ 炎へ 争いに散った者へ この私の犠牲者へ 葬送を。
私を切り裂いた彼等へ 私にまじないを埋め込んだ兵達へ 赦しを。

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