SCP-193-JP
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アイテム番号: SCP-193-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-193-JPは一般的な人型収容施設と同じ構造をした鋼鉄製の収容施設に収容してください。SCP-193-JPの精神状態を鑑みて適宜訪問し実験の協力を申し込むなど、生活に変化を与えてください。SCP-193-JPは自分から要求をあらわにすることはありませんが、何か物欲しそうにしていたらレベル3以上の担当研究員の判断の元、財団に対する協力への動機付けとして与えてください。
もし彼の精神状態が不安定であると判断された場合即座に施錠し、休眠状態に入り再度起動するまで決して開錠しないでください。室内では、火災予防と冷却、そして休眠状態への導入のため常に収容所内にドライアイスを投入し続けてください。

説明: SCP-193-JPは直立した赤い牛を戯画化した張り子細工のようなデザインのロボットです。SCP-193-JPには高度な自我が存在し、人間のそれと同程度の精神構造を持っています。SCP-193-JPは模範的な中学生をなぞった様な性格付けがされており、いささか古風な感覚で物事を捉えています。また、自らを男性であると認識しているようです。SCP-193-JPは自らを「自分の製作者の子孫を助けるために大正9年から時空移動してきたお手伝いロボット」と称していますが、彼が主張する子孫なる人物は未だ発見されていません。この調査に協力的な態度を財団が取る限りSCP-193-JPは友好的ですが、現在彼は自律回路に大きな故障を抱えているようです。彼自身は、博士の捜索の件も含め、研究員への協力を望んでいるのですが、ふとした拍子に誤作動を起こし後述のSCP-193-JP-1を背負子から複数こぼし、なおかつ起動させてしまうことがあります。この時SCP-193-JP-1もSCP-193-JPに同調するかのように故障しており、多くの場合多数のけが人が出ます。自立回路の異常は彼の精神状態に依存すると考えられるため、彼の精神を平静に保つことは実験の安全性を上げることとつながります。しかし収容以来、彼自身が自らの存在意義に疑問を持っているのでどのような時も注意を怠らないようにしてください。
SCP-193-JPは自身の活動エネルギー源として人間と同じ内容の食事を撮ります。これらは燃料としてSCP-193-JPに搭載された無煙の蒸気機関を動かしますがエネルギー効率の高さの原因は未だ不明です。SCP-193-JPは男女の美醜を認識していますがそれとは別にSCP-193-JP自身は牛を恋愛対象と見ているようです。

SCP-193-JPは彼の一部である背負子から、SCP-193-JPが「がぜっと」と呼称する未知の構造で動作する道具類を取り出します。これをSCP-193-JP-1と呼称します。これらの多くは蒸気機関で動作するように見えますが、一般的な蒸気機関の仕組みだけでは不可能な事象を引き起こすものも多く存在します。SCP-193-JPの許可を得て道具類の分解をしたところ、上記による駆動こそ尋常のものではあるとしても、明らかに冗長な駆動箇所及び神道に基づくと思われる儀式的装置の存在により異常な効果を発揮するものと思われます。分解した道具類を再構成した場合、もしくはSCP-193-JPの指示に従って修理した場合これらは正常に動作しますが、これら道具類のコピーを制作しても蒸気機関の駆動を除けば一切効果をあらわしませんでした。道具類は、他愛もないおもちゃの類から非常に危険な兵器に匹敵するものまでありますが、SCP-193-JP本人の友愛的な性格上乱用は控えているようですが、彼自身が意図しない形で事故が起こる可能性があります。以下は彼が初めて我々に見せたいくつかのSCP-193-JP-1です。

実験記録193-JP-01

SCP-193-JP-1-1(名称:蒸気フオン):
カバンほどの大きさのグースネック共電式壁掛電話機に似た携帯通信機。動力に蒸気機関を使用しているため非常に熱く、持ち運びの時は動力を落とさねばならない事実上の発信専用。電話交換手の存在を前提としているためダイアルは備わっていないが 未知の手段により100番電話に接続され通話が可能である。当然ながら通話の際には動力が入っているため非常に熱く送話器に近づきづらく、また動力の駆動音がうるさいため送話器に向かって大声で怒鳴り続けなければ会話がままならない。動力部分には「薬缶台(実際は右から左に書かれている)」と書かれた面があり、おそらく余剰の熱を生かすためのものと思われる。

SCP-193-JP-1-2(名称:スチイムカノン):
直径20cm長さ1mほどの砲塔のようなもの。付属のハーネスで背中に装着して使う。これも蒸気機関により駆動する。ハーネスに装着されているタンク部分に蒸気をため、その圧力で蒸気機関で作られた熱湯を放出する、反対方向にも蒸気を放出することにより時代に先駆けて無反動砲の要素を持たせている。装着者の「弾コメ良シ!」「撃テ!」の二段階の掛け声とともに発射され、手動による発射装置は見受けられなかった。砲撃の破壊力は低く、射撃試験の結果一般的なブロック塀も破壊できないことと、空中で急激に冷えた熱湯は着弾時には40℃ほどになっていた。これの「がぜっと」も非常に熱く装着者が一発打つまで耐えられればいいほうだろう。多くの場合反動を殺すための蒸気で大火傷を負う。これにも「餅入レ」とかかれた冗長な陶と鉄でできた箱が付属しており、なかに餅をいれ通常通りの使用をしたところ、箱の中のもちは非常にふっくらと焼きあがっていた。

SCP-193-JP-1-3(名称:ムカシトンボ):
真鍮とガラス、革で構成され蒸気機関を備えた1.5m程のトンボ。蒸気機関を駆動させると未知の方法で起動した人間を対象とし、頭部をしっかりと掴み、胴体を折り曲げ椅子のようにして対象を固定する。この過程で、ヘルメットをかぶる、ハーネスでムカシトンボとの距離を固定しておく等の準備を怠っていた場合毛髪の大部分を失う可能性が高い。固定が完了すると以後は未知の手段によって対象の意思に従って羽ばたきによって飛行する。これも非常に熱いのだが飛行時の空冷や位置関係の問題で耐えれないほどではない。この「がぜっと」は複数個(SCP-193-JP本人も正確な数がわからないと証言した)存在し、現在その内の一つを研究用に借用している。特に調理器具はついていなかった。

SCP-193-JP-1-4(名称:蒸気船):
ゴーカートのようなかなり大きめのぽんぽん蒸気船。試しに████博士が乗ってみたところ即座に沈没した。底面に「注:3歳カラ5歳の幼児ノミ搭乗スベシ」と記入されていた。

これら道具類の詳細な資料は実験記録193-JP-02にて記載します。

以下は、SCP-193-JPとの初めての会話記録です。

音声記録193-JP-01

対象: SCP-193-JP

インタビュアー: ████博士

<録音開始>

████博士: 「まず君の名前について教えてもらっていいかな?」

SCP-193-JP: 「ハイ、僕の名前「赤兵衛(あかべえ)」と云ひます。僕の製作者である「博士」から頂いた、いっとう大事な名前です。」

████博士: 「では君は被造物なんだね?何か目的を持って製造されたのかな?」

SCP-193-JP: 「はハイ、僕は本来稚児から尋常小学校に通ふような子供をあやしたり、教導するタメ制作されたと聞ひております。その際、彼らが直面した問題に自らの能力を使用し助力に尽くすよふとも云われました。私は博士の後裔タル少年のために、この時代からすれば過去に相当する時代から転送されて参ったのでございます。」

████博士: 「君の能力というのはあの不可解な道具のことかね?」

SCP-193-JP: 「ハイ、僕たちはあれらを『がぜっと』と呼んでおります。」

████博士: 「ふむ…しかしここに来るまでの間君が子供達といたところを見かけてはいない、我々は引き離してしまったかな?」

SCP-193-JP: 「いえ、ソノ…実のところソノ少年には出会えておらぬのです。」

████博士: 「では…博士の子孫について君が知っていることは?」

[SCP-193-JPは数秒のあいだ考え込み、哀れっぽい苦悩の声をを上げている]

SCP-193-JP: 「それが…僕の記録媒体には断片的な情報しか残って無いのであります。時空転移の際に欠落したか、何者か悪漢による意図的な改ざんがあったものと思ふのです。そのせいか、近頃は僕の頭脳がフワフワとするときがあって。周りで何が起こっておるのか、ハッキリと見え聞こえているのに自分の体が思うがママに動かせずドジばかり踏んでしまうのです…。スイマセン、少年は男児であり、今の時代では尋常小学4年であり、博士の時代から家移り などなければ[編集済]のあたりに住んでいるのではないか、と思ふのですが…。」

████博士: 「そうか…博士自体について君が知ってることはないのかな?」

SCP-193-JP: 「知識と言える範囲ではあまり多くはありません。少なくとも男性であったこと、其れから性を[編集済]と名乗っていたことは覚えています。ハイカラな人でよくフライの類を食べておられましたっけ…。さふいえば、研究所に家族がお見えになったことはありませんでした。」

████博士: 「先ほど君は「僕たち」といったが君のような存在が多数いるのかね?」

SCP-193-JP: 「ハイ…僕の時代には私を含め7人の学友でヨク屯しておりました、それぞれ別の任務を課されていて今彼らがどこにいるのかはわかりません。」

████博士: 「なるほど。」

SCP-193-JP: 「アノ…」

████博士: 「ん?」

SCP-193-JP: 「皆様方も科学の徒であられると思います、何か博士について存じておられることはありませぬでせうか?」

████博士: 「残念ながら僕たちもわからない。君が転移したと主張する時代から二度の戦争と東京で大きな地震があってね、君や博士に関する情報は君からしか得られない現状なんだ。」

SCP-193-JP: 「そんな…では僕は今…何を為さざらんや…」

<録音終了>
終了報告書: [彼は随分と大きな存在意義の壁にぶち当たってるようだ。彼の身元を探るためにもあまり病んでもらっては困るな…。]

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