SCP-1932
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SCP-1932-1

アイテム番号: SCP-1932

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1932は、より恒久的な収容方法が見つかるまで、一時的に現地で収容されています。SCP-1932の構成要素は一旦取り外すと、例え再接続しても異常性質を発揮しなくなるため、現時点ではSCP-1932の移転は現実的な案とは見做されていません。一時的な収容対策は、SCP-1932の周囲に標準的な高さ3mの柵を張り巡らせたエリアを構築することで成っています。このエリアは常に、最低3名の建設作業員を装った警備員にパトロールさせます。

SCP-1932の異常効果の性質上、現在、これらの収容対策が失敗する可能性は非常に低いと考えられています。しかしながらSCP-1932は都市部に位置しているため、現地を離れた場所で恒久的に収容することが強く望まれています。

更新: 事案1932-αと指定される2013/██/██の出来事を受け、SCP-1932の全ての探査は中止されています。補遺1932-bを参照してください。

説明: SCP-1932は██████・ロンドン自治区の、芝生のある小さな開放空間に存在する公園遊具のセットです。これは3つの主要な遊具で構成されており、SCP-1932-1から-3と指定されています。

SCP-1932-1は最大の遊具であり、高さ約2.5mの木製の塔2つで構築されています。2つの塔は、鉄鎖の基盤を跨ぐ木の板でできた吊り橋で繋がっています。長さ3mの滑り台が片方の塔から伸びています。SCP-1932-2は雲梯であり、長さ5m、幅1mの木製フレームにスイングして渡るための金属の吊り輪が一定間隔で設けられています。SCP-1932-3はロープで木枠から吊り下げられた木製のブランコ1組です。より詳細な説明と全遊具の写真は、文書1932-5を参照してください。

SCP-1932の異常特性は、構造物のどれかが16歳未満の人物と相互作用した際に発現します。16歳未満の人物は例外無く、遊具のことを実際の有り様より遥かに威圧的であると見做します。遊具の知覚される安全性と信頼性は、知覚者の年齢に正比例しています。16歳に近い人物は軽い疑いの目を向けるのみですが、より若い子供たちはSCP-1932を観察すると激しい恐怖を覚えます。これらの効果は、衰えはするものの、遊具の動画や静止画像にも及びます。インタビューログと実験結果は、実験1932-Aから-Hを参照してください。

SCP-1932は、木材部分の若干の苔や金属部分の錆など、█ヶ月間にわたる不使用と一致する破損の痕を見せています。それにも拘らず、財団職員による実験で全ての構成部品は完全に作動し、安全に使用できることが証明されました。

補遺1932-a: SCP-1932から採取した材質サンプルの徹底検査により、地上に露出している遊具の表面は全て、不明な物質の薄い層で被覆されていることが明らかになりました。これの被覆パターンは、液体が遊具に塗られ、乾いた名残であることを示唆します。この物質は大部分(82%)が尿素で構成されており、残りは様々な未特定の生化学物質でした。当該物質への実験は201█/03/18に開始が予定されています。

補遺1932-b: Incident 1932-α

2013/██/██、D-8413を実験対象とする探索的実験が承認され、グラント研究員が監督者を任じました。D-8413は遺伝性疾患によって精神年齢が約6歳であること、および素直さと従順さから抜擢されました。以前の実験(詳細は実験1932-G参照)で、彼はSCP-1932の効果に影響を受けたと断定されました。D-8413は双方向通信ヘッドセットを装備しています。

D-8413: 僕たち、どこ行くの?

グラント研究員: 公園に行くんだ。

D-8413: 遊んでいいの?

グラント研究員: 最初にちょっとだけ君にやってもらいたい事があるんだけど、その後は好きなだけ遊んでいいんだよ。

D-8413は境界を抜けてSCP-1932まで誘導される。彼はSCP-1932を見て落ち着かなげになり、SCP-1932-1に登るよう説得するのにはある程度の努力が必要であった。彼は遊具の高さと、頂点に到達するまでどれだけ時間がかかったかについての所見を述べることになっている。D-8413はSCP-1932-1の最初のプラットフォームに辿り着くまで17秒を要した。

D-8413: (叫び) うわぁー、すごく時間かかっちゃった! みんなすっごく下にいるもん! ここすごく寒いよ!

注: 外気温は18℃。

グラント研究員: 叫ばなくていいんだよ、ヘッドホンを通して声は聞こえてくるからね。よく最後まで登り切ってくれた! これから君に巻尺を渡すから、しっかりそれを持って、数字がなんて書いてあるか教えてほしいんだ。いいかい?

D-8413: (まだ叫んでいる) でもどうやってあなたは-おっと。オッケー。えっと…ちっちゃくて赤い数字がね…“2”って書いてある。その次が“3”と“8”。

グラント研究員: 全部が赤かい? 2だけじゃなくて?

D-8413: 全部赤だよ。

注: これはSCP-1932-1のプラットフォームが高さ238mであることを示す。

D-8413: もう降りていい? ここホントに怖いんだ。すごく臭いし、そこら中にベトベトした緑っぽくて茶色のなんかがあるんだよ。

グラント研究員: もうちょっとだけ。もう片方のプラットフォームに繋がる橋を渡ることは出来るかい?

D-8413: 橋? これもう壊れてるよ。木が切れ端も残ってない。

グラント研究員: 間違いなく安全さ、D-8413。渡っておくれ。

D-8413は非常にゆっくりと橋を渡り始める。1/3ほど橋を渡った時点で、彼は立ち止まり、恐る恐る振り返る。

D-8413: こんなのやだなぁ。這ってく。それなら安心だもん。

D-8413は手と膝を付く。橋を半ばまで渡った時点で、彼は立ち止まる。

D-8413: ねぇ、橋を揺らさないでよ。面白くないよ、怖いよ。

グラント研究員: 僕らは橋を揺らしたりしてないよ、D-8413。君は絶対安全さ。反対側に向かい続けてくれ。

D-8413は応答せず、左右に身を揺すり始める。橋が少し揺れ始める。

グラント研究員: D-8413?

D-8413は応答しない。

グラント研究員: D-8413、返事をしてくれ。もしその気なら、橋を引き返してもいいんだ。

D-8413は答えを返さないまま、より速く身体を揺すり始め、やがて橋から下部の砂場に転落した。彼の身体は、予想よりも遥かに激しい衝撃を伴って砂場に叩き付けられた。検査によって、D-8413は死亡しており、死因は高さ200mからの落下と一致する鈍的外傷であると断定された。

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