SCP-1946-JP
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1956年に撮影されたSCP-1946-JP-2の編隊。

アイテム番号: SCP-1946-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 巡航中のSCP-1946-JPの位置は、全球規模哨戒網によって常に把握されていなければなりません。SCP-1946-JP-1からSCP-1946-JP-2の分離が確認された場合、対応規則-1946-JPに従って交通管制への介入と情報統制を行ってください。それと同時に、自律式無人航空機によるSCP-1946-JPの追跡と監視を行ってください。

SCP-1946-JP-2の音声記録を用いての実験を行う場合、担当職員に防音保護具を装着させ、防音室内にて実施してください。また、防音室内に音声を介する通信装置の持込は禁じられています。外部との交信は室内備え付けの端末による文章形式で行ってください。

説明: SCP-1946-JPは、母機となるSCP-1946-JP-1と、子機のSCP-1946-JP-2によって構成された航空機です。

SCP-1946-JP-1は、第二次世界大戦時にDaimler Benz社によって計画されていた空中空母計画の母機に酷似していますが、実際に機体が製造された記録は存在していません。機体には空中空母計画の関連資料では確認されていない多数の火器やレーダーアンテナが装備されていますが、火器による反撃などは確認されたことがありません。

子機となるSCP-1946-JP-2は、Focke Wulf社が試作していたジェット戦闘機Ta 1831 に酷似しています。SCP-1946-JP-2は、母機の胴体中央及び左右の主翼に1機づつ懸架されており、XF-852 に装備されていた物と同形式の装置によって空中での発進と母機への収容が可能となっています。また、SCP-1946-JP-2のレーダー反射断面積は、全長50 cm前後の鳥類程度しかないことが各種記録から明らかになっています。

SCP-1946-JP-2の左右主翼付け根には、風力作動式のサイレンが装備されています。このサイレンの発する警報音は,
聴覚の有無に関わらず動物界に属する生物に対して特異性を発揮し、無線など3 を介して閉鎖空間内4 にも伝播する性質を有しています。録音を用いた実験では、全てのDクラス被験者は警報音に対して極度の不快感と不安感を訴え、可能な限り音源から離れようと試みました。動物実験においても、対象となった全ての生物は音源から遠ざかろうとする行動が観察されました。

SCP-1946-JPが母機と子機に分離した場合、子機であるSCP-1946-JP-2は3機編隊を組織して行動し、サイレンによる警報音を発しながら一定のコースを飛行した後に母機へと帰還します。編隊は、多くの事例で航空機や船舶などの付近を通過するように飛行しており、警報音に曝露した乗組員は編隊を回避するか航過するまで停止する事を余儀なくされました。

2017年現在までに、全遭遇事例の内の15件でSCP-1946-JP-1が発信したと思われる通信が確認されています。通信内容から、SCP-1946-JPの飛行コース上には何らかの物体が基準時空内を通過しており、それらとの異常接近を回避させることがSCP-1946-JPの行動原理になっていると推測されています。

以下は、SCP-1946-JPからの通信が記録された中でも、基準時空内を通過する物体の存在が明確に確認された事例です。全記録を参照するためには、データベース-1946-JPにアクセスしてください。


遭遇事例-1946-JP-5

日時: 1946年██月██日

通信対象: スウェーデン空軍Saab J21-A1の編隊長機

概要: スウェーデン南部にてJ21-A1の2機編隊が、領空を侵犯したSCP-1946-JPの迎撃に出動しました。通信は編隊長の█████ ██████少佐にのみ発信されていました。以下の会話内容は、スウェーデン空軍による██████少佐および第██航空団司令部への聴取に基づいている点に注意してください。

<記録内容>

(編隊は離陸から15分後にSCP-1946-JPと接触。1機が撃墜対応のため後方に付いた)

██████少佐: こちらスウェーデン空軍。貴機はスウェーデン領空を侵犯している。直ちに領空から退去せよ。

SCP-1946-JP-1: 交通統制局、通達。交通統制局、通達。交通統制局、通達。

██████少佐: 繰り返す。こちらはスウェーデン空軍。我の指示に従え。直ちに領空から退去せよ。しからずんば撃墜する。

SCP-1946-JP-1: 交通統制局より要請。足の骨(Der Fußknochen )の通過のため針路上の航空機は退避されたい。足の骨の通過予定時間は300秒間。

(スウェーデン空軍機は曳光弾による威嚇射撃を実施。SCP-1946-JPの行動に変化なし。██████少佐は第██航空団司令部に撃墜を具申した)

██████少佐: Fiskmås 1から[編集済み]司令部へ。領空侵犯機は指示に応じない。撃墜を試みる。

航空団司令部: Fiskmås 1へ。撃墜は許可できない。繰り返す。撃墜は許可できない。引き返せ。

██████少佐: なんだって。もう一度。

(司令部との通信中にSCP-1946-JP-1からSCP-1946-JP-2が発進)

██████少佐: こちらFiskmås 1。領空侵犯機から別の航空機が分離した。3機だ。

SCP-1946-JP-1: 交通統制局、通達。交通規則に基づき強制執行を行う。スウェーデン空軍機、直ちに反転せよ。直ちに反転せよ。

(SCP-1946-JP-2の編隊がスウェーデン空軍機の近くを航過。スウェーデン空軍機のパイロットは、警報音に曝露したことで編隊から遠ざかるために機体を反転させた。それと同時に、██████少佐は超巨大航空機を目撃している)

██████少佐: なんだ、あれは。[編集済み]司令部、[編集済み]司令部。領空侵犯機よりもはるかに巨大な航空機だ。近くに機影はなかったぞ。大きすぎる。レーダーに反応はなかったのか。

航空団司令部: 追跡の要なし。繰り返す、追跡の要なし。直ちに帰還せよ。

<記録内容終了>

備考: スウェーデン政府は、この遭遇事例で無線交信が行われた事実を1988年まで財団に対して秘匿していました。スウェーデン空軍のパイロット2名を含めて直接の関係者は全員死去しており、財団による聴取は実施できませんでした。


遭遇事例-1946-JP-28

日時: 1964年██月██日

通信対象: アメリカ海軍航空母艦 CVAN-65 USS Enterprise

概要: Sea Orbit作戦に従事していた第1任務部隊が、南極大陸に接近した時点でSCP-1946-JPが飛来しました。通信は空母に随伴していた巡洋艦2隻に対しては行われていません。また、本事例において子機は分離しておらず、SCP-1946-JP-1は基準時空内に侵入した物体とアメリカ海軍艦船との通信を中継する役割を担っていました。

<録音内容>

SCP-1946-JP-1: 交通統制局、要請。緊急。交通統制局、要請。緊急。交通統制局、要請。緊急。

USS Enterprise: 接近中の航空機へ。こちらはアメリカ海軍。そちらは本艦に接近しすぎている。所属、および目的を明らかにせよ。

SCP-1946-JP-1: こちらはRöiven。Gression空軍、第7航空艦隊所属。貴艦隊の針路は、閉鎖海面航過中の航空母艦O.O.S Htlikiyの針路と交差する可能性がある。衝突の危険性あり。直ちに南へ15度変針せよ。

USS Enterprise: こちらUSS Enterprise。そちらの意図を理解できない。本艦の航路上に他の船舶を確認できない。

SCP-1946-JP-1: 了解、USS Enterprise。O.O.S Htlikiyとの通信を中継する。

(以降、通信はO.O.S Htlikiyの名前によって行われた)

O.O.S Htlikiy: こちらO.O.S Htlikiy。本艦は断続海面航行のため閉鎖海面第1546・A・5800を通過中。一般航行規則によりこちらでは急激な針路変更を行うことができない。USS Enterprise、南へ15度の変針を要請する。本艦は現在、北北西に毎時8 ktにて航行中。

USS Enterprise: USS EnterpriseからO.O.S Htlikiyへ。こちらは貴艦を確認できない。レーダーおよび目視の双方で確認できていない。貴艦の位置を通報されたい。

O.O.S Htlikiy: 本艦はすでにそちらを視認できる距離にある。そちらからも目視確認が可能なはずだ。衝突の危険性あり。速やかな変針を要請する。

USS Enterprise: O.O.S Htlikiyへ、変針は不可能だ。国際海氷パトロールから超大型氷山に関する警告を受けている。本艦の南東方向に超大型氷山が浮遊しているため変針はできない。繰り返す、南への変針は不可能。こちらは貴艦を未だ確認できず。どこにいるんだ。

O.O.S Htlikiy: USS Enterprise、 USS Enterprise。そちらから氷山は確認できているのか。

USS Enterprise: 確認している。衝突回避のため我々は氷山の北側を航過する予定。

O.O.S Htlikiy: USS Enterprise、USS Enterprise、直ちに南へ変針しろ。それが本艦だ。

<録音内容終了>

備考: USS Enterpriseの航海日誌には上記の遭遇について記載は存在せず、Sea Orbit作戦に従事した将兵に対してはアメリカ海軍上層部から箝口令が敷かれていたことが判明しています。また、国際海氷パトロールは本事例に該当する氷山の存在を否定しています。


遭遇事例-1946-JP-54

日時: 1981年██月██日

通信対象: ソビエト連邦陸軍 第120親衛自動車化狙撃兵師団

概要: 白ロシア軍管区にて演習中であった第120親衛自動車化狙撃兵師団が遭遇。通信は師団司令部に対してのみ行われていましたが、軍管区司令部からの演習中止と退避命令は通常考えられない早さで通達されていました。

本事例では、演習を撮影するために設置されていたビデオカメラによって基準時空内に出現した物体が初めて映像として記録されました。 映像に記録されたのは全高260 mから280 mの人型物体が24体で、外見は1870年代のプロイセン陸軍歩兵に酷似していました。人型物体は1列6体の隊伍を2グループに分けて[編集済み]演習場を横断した後、瞬時に消失しました。

特筆すべきは、複数の巨大物体が基準時空内を通過したにも関わらず、空間進入時付随現象が観測されていない点にあります。映像の解析においても出現と消失の瞬間は映像の1コマ分にしか記録されておらず、前後の映像に特異な兆候は認められませんでした。

備考: 本映像記録は、ソビエト連邦崩壊後にGRU P部局内に潜伏していたエージェントが回収しました。[編集済み]演習場は事件後に一時閉鎖され、巨大人型物体が移動した痕跡はソビエト連邦陸軍によって徹底的に隠蔽されました。出現した人型物体についての調査はソビエト連邦内で実施されておらず、意図的に実施されなかった可能性があります。ただし、P部局から入手したメモランダムでは、ソビエト連邦陸軍内においては人型物体をポツダムの巨人(Потсдамские гиганты)と呼称していたことが明らかになっています。

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