アイテム番号: SCP-1948-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1948-JPの周囲には不透明なシートなどの遮蔽物を設置し、エージェントを配置して立ち入りを禁じます。この際、SCP-1948-JPの全体を覆う必要はありません。遮蔽物の設置はSCP-1948-JP-Aを視認可能なDクラス職員によって行われます。いかなる場合であってもSCP-1948-JP-Bへの侵入が許可される事はありません。また、現在も未発見のSCP-1948-JPが多数存在すると考えられています。SCP-1948-JPである可能性の高い場所には監視カメラやフェンスの設置を行い、一般人の自殺を防止してください。
SCP-1948-JPに関する情報はレベル3/1948-JPクリアランスを有する職員にのみ開示され、それ以外の職員には異常性が及ばない程度に情報を削除・改竄して作成された偽装報告書が表示されます。レベル3/1948-JPクリアランスは、クリアランスレベル3以上のSCP-1948-JP-Aを視認できる職員にのみ付与されます。
説明: SCP-1948-JPは日本全国に点在する土地です。現在までに15ヶ所が発見されており、それぞれSCP-1948-JP-1∼15に指定されています。面積や形状は様々ですが、以下のような規則性が認められます。
- 比較的降水量が少なく、晴天である事が多い地域に分布する。
- 監視カメラなどが設置されていない。
- 高所である、海や川の側であるなど、道具を用いずに自殺を図るのに適している。
- 上方に障害物となる物が無く、十分に空を確認できる。
SCP-1948-JPは1名の人間が内部で自殺を図り、死亡した際に異常性を発現します。ただし侵入者の死亡と異常性の発現の間には50日前後の期間が空きます。異常性発現の合図として、SCP-1948-JPから10m程度離れた、いかなる人物の視界にも入っていない地点から1体、或いは複数体の人型存在(以下、SCP-1948-JP-A)が出現します。出現後、SCP-1948-JP-AはSCP-1948-JPに向かって徒歩で移動を開始し、侵入者が自殺を図った地点で立ち止まり、空を見上げて停止します。
SCP-1948-JP-Aはモンゴロイド系の人間に類似した外見を持つ人型存在です。本報告書の執筆までに57体が発見されており、それぞれSCP-1948-JP-1∼57に指定されています。性別や外見などの外見的特徴は不定ですが、服装はその大部分が「シンプル」「地味」と表現される簡素かつ質素なものであり、装身具を着装した個体や染髪を施された個体も確認されていません。SCP-1948-JP-Aは常に直立の姿勢と無表情を保ったまま、顔を上向けて空を注視しているように見えます。外部からの刺激に対し一切の反応を見せず、自発的に動く様子も確認されていないため、自我の有無は不明です。
SCP-1948-JPへの物理的接触ないし視認は不可能ですが、稀にSCP-1948-JPを視認できる人物が存在します。これはオブジェクトを映した映像や画像に関しても同様です。財団が確認した全ての事例において、その人間はSCP-1948-JPを視認してから14日以内に死亡しています。これが未確認の異常性によるものか、14日以内に死亡する事がSCP-1948-JPを視認できる条件なのかは不明です。ただし、財団が把握する以前のSCP-1948-JP出現場所を訪れた人々の内、オブジェクトを視認できた人物が殆ど存在しないのに対し、財団職員、特にDクラス職員にはSCP-1948-JPを視認できる人物が有意に多い事が判明しています。
異常性発現後のSCP-1948-JP(以下、SCP-1948-JP-B)はミーム的性質を有します。SCP-1948-JP-Bに侵入した、全体を直接視認した、或いはSCP-1948-JP-Bに関するある程度の情報を得た人間(以下、曝露者)はオブジェクトを「自殺を図るのに非常に適した場所である」と認識します。同時にSCP-1948-JP-Bの正確な位置情報を知覚し、そこで自殺する事に固執するようになります。曝露者と会話を行い、その主張を理解した人間も同様の異常性に曝露します。多くの場合、曝露者は直ちに自殺する事を望み、SCP-1948-JP-Bに向かおうとします。拘束されるなどしてそれが不可能である状況に陥ると、曝露者は悲観的になり、極度の精神的苦痛を表します。この症状は時間が経過すると共に深刻化し、最終的には重度の鬱病や睡眠障害などの精神疾患を発症します。この症状を記憶処理によって除去する事は不可能です。
曝露者がSCP-1948-JP-Aを視認した場合、前述の効果が全て除去され、以降SCP-1948-JP-Bによってミーム汚染を受ける事が無くなります。これはSCP-1948-JP-Aを映した映像や画像に関しても同様です。この事からSCP-1948-JP-AはSCP-1948-JP-Bに対して有効な対ミーム効果を有していると推測されていますが、SCP-1948-JP-Aを視認できる人間が非常に限られているため、SCP-1948-JP-Bのミーム汚染に対する有力な対抗策とは成り得ないと考えられています。
曝露者がSCP-1948-JP-B内で自殺を図り、死亡すると、全てのSCP-1948-JP-Aは同時に目を瞑り、1分が経過した後に目を開きます。この際のSCP-1948-JP-Aは「悲しげな表情をしている」と報告されていますが、その目撃例の少なさから詳細は不明です。