SCP-1955
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SCP1955.png

SCP-1955の静止映像。

アイテム番号: SCP-1955

オブジェクトクラスs: Euclid

特別収容プロトコル: この文書の執筆時点においては、SCP-1955の12本のコピー(オリジナルの35mmフィルムリール3本、家庭用VHSテープ5本、海賊版DVD4本)が財団の特殊部隊によって確保されています。エージェントは別のコピーがインターネット上に流出する事態に備え、インターネットのファイル共有サイトを監視しなければなりません。機動部隊36イプシロン・ベータ("MPAAの殉教者”)は、SCP-1955をアップロードした人物のIPアドレスを追跡し、適切と認められる記憶処理を施します。SCP-1955は著作権切れの状態であるため、パブリックドメイン保全団体に潜入している財団特殊部隊は、SCP-1955が発見され、パブリックビューイングのためにアーカイブされないことを確実としなければなりません。

説明: SCP-1955は消滅したハリウッドの映画会社、███████ピクチャーズが公開した19██年のSF映画 「金星から来た脾臓喰らい!」です。映画の筋書きはタイトルの基となった内臓を食するエイリアンと、彼らを阻止しようとするアメリカ人の郊外居住者バック・ジョンソンの奮闘に焦点をあてたものです。SCP-1955は1950年代における多くの低予算SF映画と似通っており、視聴者は一般的にアクション・特殊効果・セットを低品質な物として批判します。

SCP-1955の異常特性は、視聴者がSCP-1955の映像を継続的に、少なくとも30分視聴した時点で発現します1。効果発現後の視聴者は恒久的な認知障害を負い、いかなる架空の物語2を視聴しても、1940年代後半から1960年代初頭の低予算SF映画としてしか認識できなくなります。元々の俳優や筋書きが変わることはありませんが、以下に述べる内容の変更は一貫しています。

  • 演技は一般的にクオリティが低く、台詞は”メロドラマ的”で”陳腐”なものと評される。
  • 作中に用いられている特殊効果は、1950年代の映画と同等の制作規模となるように変化する。CGIはコスチュームを着た俳優に、大規模な3D効果はテクニカラー技術を用いた光のトリックに置き換えられる、など。
  • 映画の筋書きに関わる要素は、SF的な物語に合うものに変更される(例として、ラブコメディの筋書きはエイリアン・未確認生物・その他の類似要素を含む物になる)。
  • アメリカ国外に設定されている映画の██%は、場所がアメリカ国内、多くの場合は郊外に移される。英語以外の言語を用いている映画は、英語に翻訳される。

アニメ映画や架空ではない物語(ニュース番組やドキュメンタリーなど)は影響を受けません。これまでの所、研究者たちはSCP-1955の効果を逆転する方法を発見できていません。

補遺: 1999年8月30日、財団はSCP-1955の出演俳優の一人であり、監督の██████ ████████████(1980年死去)の親友でもあった人物、████ ██████を発見しました。エージェント█████が実施したインタビューの転写が以下になります。

エージェント█████: どのようにして貴方が金星から来た脾臓喰らい!の撮影に関与することになったのか教えていただけますか?

████ ██████: 当時、皆が映画に関わることになるのと同じ形だったよ。俺の伯父貴が映画撮影のためにあいつに4万ドル渡して、俺を主演に付けてくれたんだ。演技なんてするのは高校以来だったが、映画に出られるってんで興奮しきりで、気にしてなかったよ。

エージェント█████: 制作中、██████ ████████████はどんな感じに振舞っていました?

████ ██████: うーん…”妙な”って表現が合うかもな。撮影中はずっと、相手が誰であれ二言以上は口を利かなかったな。俺たちに可能な限り要点だけの方向性を指示する時は別だったが。これがあいつにとっての”傑作”になるとかどうとかってずっと呟いてて、四六時中意識を宇宙に飛ばしてるみたいな…かなり面食らったね。撮影が終わった時は、皆すぐスタジオから離れて、あいつから出来るだけ距離を置こうとしてたんだ。

エージェント█████: 映画は、財政的に上手くはいかなかったようですが…

████ ██████: ハッ! ありゃ完全に駄作さ。100人以上の客が見たなんて言ったら俺は腰を抜かすね。制作会社のボス、████ ██████って名前だったと思うが、そいつなんか██████がもう1回でも面を見せたら首を切り落としてやるからなって脅したぐらいだ。俺はそれ以来演技したことはないし、俺の知る限りじゃ、あいつも別の映画を監督したことはない。

エージェント█████: 彼は、映画の財政的失敗にどう反応しましたか?

████ ██████: 何かが切れちまったんだろうな、俺が思うに。あの後会ったのは1度だけだ。封切りから数週間後の事さ。慰めにいくつかワインを買ってあいつの家に行ったんだが、ドアの所に出てきた時は、列車にでも撥ねられたのかって見た目だったよ。目は真っ赤に充血してて、服は何日も洗ってない感じだった。

エージェント█████: 彼は貴方に何か言いましたか?

████ ██████: それほどでもないな。ワインの礼を言って、”ディレクターズカット”の編集が終わったら、そいつを見るのに招待してやるってよ。それが「シネマの世界を変える」だろうとも言ったな。

エージェント█████: 貴方は、彼の新バージョンの映画を見なかったのですか…?

████ ██████: ああ。あんな目つきの奴とは、関わりたいとは思わなかったんでね。

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