SCP-1969-JP
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SCP-1969-JP

アイテム番号: SCP-1969-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1969-JPは電池を外された状態でサイト-8181の低脅威度物品保管ロッカーに収容されます。SCP-1969-JPを用いた実験にはレベル3以上の職員2名以上の許可が必要です。実験時を除き、SCP-1969-JPを動作させることは許可されません。

説明: SCP-1969-JPはステップ運針1の掛け時計です。一般に流通しているアナログ式の掛け時計と外見的な差異は見られず、その他材質や成分等にも特異な点は見受けられません。また、回収された同型の時計に異常は確認されませんでした。

その地域の現地時間に於ける23:00までに、動作しているSCP-1969-JPが配置された部屋2の中で人間(以下、対象と呼称)が就寝していると、その部屋の全ての窓や扉の鍵が不明な作用により一度解錠され、その後即座に施錠されます3。加えて、部屋の中の対象はSCP-1969-JPから発せられる秒針の音に不安を感じ、06:00になるまで入眠と覚醒を繰り返します。しかし、秒針の音そのものには異常性が確認できなかったため、対象の反応が何らかの異常性を受けたことによるものかは明らかになっていません。06:00になった際に対象は突如叫び声を上げ、数秒~十数秒間それを継続した後に静止します。その後、施錠されていた部屋の鍵が解錠されます。この時までに行われた、部屋の外部から鍵を解錠する試みは全て失敗に終わっています。

SCP-1969-JPは██県██市で発生した不可解な死亡事件の捜査中にその存在が明らかになりました。事件の被害者である██ ██氏は自宅の寝室のベッドの上で死亡しており、死因は胸部及び腹部への非常に強い衝撃による内臓破裂によるものと断定されています。██氏の関係者へのインタビューを実施したところ、██氏は事件の数ヶ月前から「毎晩時計の音が気になって眠れない」と周囲に訴えており、睡眠薬の服用を常習的に行っていたことが発覚しました。その後██氏の寝室に置かれていた掛け時計に対する調査が行われ、その異常性が判明しSCP-1969-JPとして回収されました。

インタビュー記録1969-JP-2

対象: D-1969-2

インタビュアー: ██博士

備考: SCP-1969-JPが配置された実験チャンバーで就寝を行ったDクラスへのインタビュー記録です。

<記録開始>

██博士: では、昨晩あの部屋で起きたことを説明してください。

D-1969-2: はい、えっと、まず夜の10時に実験が始まって、そこで私はベッドで横になったんですけど。事前に薬を飲んだせいかすぐに眠くなって、そのまましばらくはぐっすりだったんですよ。

██博士: ええ。外から見ていましたが、非常によく眠れていたようですね。しかし、23時になると同時にあなたは目を覚まし、周囲を見回した。それはなぜですか?

D-1969-2: それが、急にこう、部屋の出入り口あたりから電子音みたいな感じの音が2回聞こえて、それでまず起きたんです。多分部屋の電子ロックか何かですよね?

██博士: 23時になると同時に実験チャンバーのロックが一度解除された後再び施錠された記録が残っています。恐らくその音を聞いたのでしょう。続けてください。

D-1969-2: その後は、もう一回寝ようと思ったんですけど、部屋にあった時計の音が急に気になり始めて。

██博士: 気になった、というのは具体的にどのように?

D-1969-2: ううん、うるさいというよりかは、何かが迫ってくるというか、近づいてくるというか。とにかく、時計の音が耳に入ってくる度にそんな気がしたんですよ。

██博士: 何かが近づいてくる、というのは?

D-1969-2: いや、はっきりとは分からないんですけど、なんだろう、漠然と何か嫌な物が近づいてきてるというか、とにかく来て欲しくない物が迫ってきてるというか。それが不安で全然眠れなかったです。ちょっと寝れたと思ってもすぐ起きちゃいますし。

██博士: なるほど。

D-1969-2: あ、それと先生、私が目を覚ました頃に、あの部屋の中に誰か入ってきたりしませんでしたか?

██博士: 誰か? いいえ、監視カメラにはそのような映像は記録されていませんし、私も見ていませんが。

D-1969-2: 本当ですか? おかしいなあ。私が部屋のロックの音を聞いたすぐ後に、誰かが部屋の中に入ってきてるような感じがあったんですよ。いや、実際に姿とか足音とかを聞いた訳じゃないですけど、なんとなく部屋の中に自分の他に誰かが居るって気配があったんです。で、その誰かは私の背中の方を通り過ぎて、その後は部屋のどこかでずっと動いてなかったと思います。確か時計があった壁のあたりだったかな。

██博士: その「誰か」というのは、先程の「近づいてくる何か」とは違う物ですか?

D-1969-2: どうだろう、ずっと同じ所に居たから違うんじゃないでしょうか。不思議とそこまで嫌な感じもしませんでしたし。だから多分別の物だと思います。

██博士: そうですか。その後はどうでしたか?

D-1969-2: はい、それからは、その部屋に入ってきた誰かの気配を感じつつ、ひたすら時計の音が気になって眠れないのが続きました。そうやって時間が経っていくうちに、その、物凄く嫌な物がどんどん近づいてきてる感じがして、とんでもなく怖くなって、思わず叫び出してしまいました。

██博士: 6時のことですね。

D-1969-2: そうです。その時にはもう、近づいてきてた嫌な物がすぐ傍にまで迫ってきてるような感じがして。それで、我を忘れてひたすら叫んでたんですけど、その、突然ふっと冷静になって。嫌な物はまだすぐ隣にいた感覚があったんですけど、あれだけ怖かったのに、それがもう全然何とも思わなくなったんですよ。そしたらその嫌な物の気配が無くなってて。しばらくしたら、途中から部屋に入ってきた誰かの気配も消えてました。

██博士: なるほど。冷静になった時に何か変わった事は?

D-1969-2: ええっと、あるにはあったんですけど。

██博士: と言うと?

D-1969-2: その、胸のあたりを何かに強く押されたんです。

<記録終了>

補遺1: インタビュー記録1969-JP-2に於いて、D-1969-2がインタビュー中で恐怖を覚えていたと供述したにも拘らず、D-1969-2のベッドに設置されたマイクに記録されたD-1969-2の呼吸が至って正常であったことを疑問視した██博士により、複数の被験者に対して23:00から06:00の間のバイタルチェックが行われました。その結果、その期間中に於いて、全ての被験者の1分間の心拍数が60回で一定していたことが判明しました。

補遺2: SCP-1969-JPの収容後、SCP-1969-JP担当研究員を含む職員の何名かから、SCP-1969-JPが収容されている低脅威度物品保管ロッカー周辺での、四肢が非常に長い人型実体の目撃が複数報告されています。施設内の監視カメラにそのような実体は記録されていなかったものの、特定の状況下でのみ肉眼で観測できる実体である、あるいはSCP-1969-JPが幻覚を引き起こす異常性を保有している可能性を考慮し、SCP-1969-JPのオブジェクトクラスはSafeからEuclidへ再分類されました。現在この人型実体に関する調査が進行中です。

インタビュー記録1969-JP-7

対象: █研究員

インタビュアー: ██博士

備考: 低脅威度物品保管ロッカー周辺で四肢が非常に長い人型実体を目撃したと主張する研究員へのインタビュー記録です。

<記録開始>

██博士: まず、当時はどのような状況だったのですか?

█研究員: ええ、あの時は実験の為に低脅威度物品保管庫へSCP-███-JPを取りに行っていたんですがね、保管庫の他のロッカー付近に妙な人影のようなものを見つけまして。

██博士: それが例の人型実体だったと?

█研究員: ええ。真っ黒で、体は細く、手足が異常に長くて、身長は目測ですが3mはあったと思います。保管庫内を平然とオブジェクトが動き回っているものですから、最初は目を疑いましたよ。その当時、我々の研究チームが徹夜3日目だったもので、寝ぼけているのではないかとも思いました。しかし、実体は共に保管庫へ来たチームの同僚にも見えていたようで、同僚が人型実体の件を通報している間、私はその実体を観察していました。

██博士: それで、実体は何をしていたのですか?

█研究員: 保管庫内を歩き回って、ロッカーの内の1つへと向かった後、そのロッカーの扉を叩いたりこじ開けようとしていました。しかし、しばらく続けていてもロッカーの扉は開かず、実体はそのまま保管庫の出口へと向かい、いつのまにか消失していました。

██博士: なるほど。実体が開こうとしていたロッカーがどのオブジェクトの物であったか記憶していますか?

█研究員: はい、実体が去った後に確認しましたので。ロッカーのラベルにはSCP-1969-JPと記載されていました。

██博士: そうですか。他に何か気になった点は?

█研究員: 1つ挙げるとすれば、実体が非常に不安定な動きを見せていたことですね。移動する際の足取りもそうでしたが、最も顕著なのは首の動きで、実体は、頭部を前に大きく傾けた直後、頸部を使って後ろへ引き戻す動作を繰り返していました。同僚はそれを振り子のようだと表現していたのですが、私にはどうもそうは思えませんでした。最近ちょうどあのような動きを身近なところで見たような気がするのですが、どこだったか。

<記録終了>

映像記録1969-JP-8

対象: D-1969-8

備考: インタビュー1969-JP-7の2日後に行われたSCP-1969-JP実験の映像記録です。

<記録開始>

[23:00:00] 実験チャンバーの扉から解錠音が鳴り、その後施錠音が鳴る。

[23:00:06] ベッドの上D-1969-8が周囲を見回す。

[23:01:24] D-1969-8がSCP-1969-JPの方向を3回ほど見た後に、SCP-1969-JPに対して背中を向けるように寝返りを打つ。

[23:37:21] D-1969-8が何度も寝返りを繰り返す。

[重要度が低い為省略]

[02:41:28] D-1969-8がSCP-1969-JPへ背中を向けたまま、ベッドに備え付けてあった枕をSCP-1969-JPの方向へ投げる。枕は壁に命中し、床に落下する。

[03:58:42] D-1969-8は体を丸め、両手で耳を抑え始める。

[04:21:19] D-1969-8はシーツで頭部を含む身体全体を覆い隠す。

[05:17:35] D-1969-8の泣き声が記録される。

[06:00:00] D-1969-8が叫び声を上げ始める。

[06:00:12] SCP-1969-JPが突然震え出し、壁とSCP-1969-JPとの間から異常に細長く巨大な黒い腕が出現する。

[06:00:32] 黒い腕は数秒間何かを探すような動きを見せ、その後D-1969-8に触れる。

[06:00:43] 黒い腕が掌をD-1969-8に何度も振り下ろし始める。D-1969-8はその衝撃により内臓を損傷したためか、吐血しながらも叫び声を上げ続けている。

[06:01:18] 実験の終了が宣言される。警備スタッフが実験チャンバー内への進入を試みるも、扉の電子ロックの解錠に失敗する。

[06:02:51] D-1969-8の叫び声が止む。黒い腕の殴打により、D-1969-8の肉体は原形を留めていない。

[06:02:57] 約4秒間に亘って不明瞭な音声が検出される。

[06:03:11] 黒い腕が壁とSCP-1969-JPとの間に引き込まれ、黒い腕は消失する。

[06:56:28] チャンバーの扉の電子ロックが解錠される。警備スタッフ及び研究員が実験チャンバー内に進入する。

<記録終了>

実験後、映像記録1969-JP-8の06:02:57にて検出された不明瞭な音声の解析が成功しました。以下はその内容です。

ううん、あと5分。

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