SCP-1989-JP
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アイテム番号: SCP-1989-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1989-JP-1はSCP-1989-JP-2と共に、青木ヶ原樹海に設置されたSCP-1989-JP-3を内包する形で建造されたサイト-8150内にて収容されます。SCP-1989-JP-3の周囲50mには実物、電子関わらず一切の文章、文字媒体の設置、使用を禁止します。また、SCP-1989-JP-1の閲覧、SCP-1989-JP-2に対するインタビュー及びSCP-1989-JP-3への侵入には日本支部理事の承認を必要とします。

説明: SCP-1989-JPはSCP-1989-JP-1、SCP-1989-JP-2、SCP-1989-JP-3からなるオブジェクトです。

SCP-1989-JP-1は現実改変能力を持つティーンズ文庫1です。組成面は一般的な書籍と一致していることが判明しています。

SCP-1989-JP-1の異常性は付近10m以内に何らかの文章が存在するときに発生します。該当条件を満たした場合、約12時間が経過した時点で対象となった文章は、本来の文章をオマージュした内容のティーンズ向け小説に改変され、SCP-1989-JP-1と同一の異常性を持ちます。SCP-1989-JP-1が文章を改変した場合、対象となった文章が主題とする概念は消滅し、変異後の小説作品のみが残存します。その為、本来どういった文章であったか、どのような概念が消滅したかの観測は困難です。

SCP-1989-JP-1の異常性はSCP-1989-JP-3内においては停止しています。また、改変された小説は全てが1巻で完結する内容です。

SCP-1989-JP-2は日本人女性に類似した人型実体です。SCP-1989-JP-2は自らを「財団極東支部理事、千凶」と名乗り、財団の行動に対し協力的な姿勢を取っています。SCP-1989-JP-2は明るい桃色の髪、巨大な眼といった、生物学上不可能な特徴を所持しています。また、何もない空間から刃物を取り出す、手から炎を発するなどの異常特性を所持しています。

SCP-1989-JP-3は半径約100mの他世界に由来されると推測される異常領域です。SCP-1989-JP-3内部は空間異常が最低1日から最大173日の間隔で発生します。これらの異常はSCP-1989-JP-1による現実改変に起因するものであると推測されており、SCP-1989-JP-2の証言によればスクラントン現実錨に類似した装置によって同領域は維持されています。SCP-1989-JP-3内に空間異常が発生する際、異常な特性を持つ生物、物質が出現します。出現した異常存在は多くの場合SCP-1989-JP-2に敵対的です。また、火器などによる攻撃は効果を示さず、SCP-1989-JP-2による攻撃のみ影響を与えることが可能です。SCP-1989-JP-2は現在時点で出現した全ての異常存在を破壊しています。

SCP-1989-JP-2及びSCP-1989-JP-3内に出現する異常存在がSCP-1989-JP-3外に移動することは不可能ですが、外部の存在が内部へ侵入することは可能です。SCP-1989-JP-1のみ外部への持ち出しが可能ですが、SCP-1989-JP-2の強い抵抗及びその潜在的な危険性を考慮し、現在時点での持ち出しは禁止されています。

以下は20██/██/██に財団が異常なヒューム値の変動を感知し、探索部隊を送り込んだ際に発見されたSCP-1989-JP-2との会話記録です。

音声記録1989-JP-02 - 日付 20██/██/██

担当探索部隊: 探索部隊ん-7("悪書")

<記録開始>

探索部隊隊長: 全員止まれ、誰かがいる。アルファ、周囲の状況は

探索部隊隊員: 現実性強度が我々の周囲と彼女の周囲で大きく違っています、まるで他の世界とでも言うようです

SCP-1989-JP-2: やあ、…どうやらライプニッツ現実圧縮壁は無事に成功し、この本はボクたちの予想通り動いたというようだね。初めまして、君たちはもしかするとこの世界の財団、かな?

探索部隊隊長: 全員、警戒態勢を解くな。…我々の存在を知っているのか?

SCP-1989-JP-2: もちろん、だってボクは…、やれやれ、こんなのまで改変するのか。…はあ、まあ、落ち込んでいても仕方がない。さっきの質問に答えよう。だってボクは財団理事、だからね

探索部隊隊長: …我々の所持する情報に貴女の存在は無い。説明を要求する

SCP-1989-JP-2: ああ、もちろんだとも。…でも、少々待ってくれ。何があっても決して君のいるところから進まないように。…やれやれ、ボクは戦闘経験はないんだけどね

(轟音)

<記録中断>

直後、SCP-1989-JP-3内に西洋伝承内のドラゴンと類似する異常存在が出現。約15分SCP-1989-JP-2と交戦し、死亡した後消滅した。

<記録再開>

探索部隊隊長: …アレは何だったんだ。漫画やアニメじゃあるまいし

SCP-1989-JP-2: 言いえて妙だね、すまないがセキュリティクリアランス上位の人物を呼んでくれないかい? ボクは逃げも隠れもしないからさ

<記録終了>

この後、探索部隊ん-7の要請を受け、財団による収容体制が確立されました。その過程でSCP-1989-JP-3内の異常存在により██名の死傷者が発生しています。

以下は収容体制の確立後行われたSCP-1989-JP-2に対するインタビュー記録の抜粋です

補遺1: 以下の文章が、SCP-1989-JP-1に特殊な塗料で記入されているのが発見されました。

模倣に、創造に幸あれ、僕を封じた彼女たちへ、僕を託された君たちへ、僕を解き放つ誰かへ

現在、SCP-1989-JP-3の範囲が増加する兆候が見られます。この兆候に対し財団内の研究チームがSCP-1989-JP-2に協力を仰ぐ是非が議論されています。また、これに比例する形で、財団日本支部内において異常性を保持する職員の増加が確認されています。両者の因果関係については現在調査中です。

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