SCP-202-JP
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アイテム番号: SCP-202-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-202-JPはサイト-81██の専用収容室内の耐熱耐水重量センサー上に設置されています。重量センサーと連動した自動給水システムが構築され、SCP-202-JPの内容物が65L以上を維持するよう常に注水されています。内容物を汲み出す際は必ず同量の水を追加し、その際一時的にでも水量が60Lを下回らないようにしてください。自動給水が停止した場合、手動による給水と水資源を確保できる施設への移送を行ってください。SCP-202-JPの周囲は満水の小型貯水タンクで囲み、その内側は緊急時を除いて立入禁止とします。保守員は別添の手順書に従い、定期的にSCP-202-JPの状態検査と水質検査を行ってください。

説明: SCP-202-JPは直径45cm、高さ45cm、満水容量71Lの調理用鍋です。SCP-202-JPは投入された液体を熱源なしに摂氏100度まで加熱します。SCP-202-JPに水以外の液体または小さな個体が投入された場合、時間をかけて消滅し、SCP-202-JPの内容物は水のみに戻ります。消滅にかかる時間は投入物の量と大きさに比例します。SCP-202-JPの温度は摂氏100度に保たれていますが、これは内容物から伝搬した熱による影響であり、SCP-202-JP自体は発熱していないことに注意して下さい。

またSCP-202-JPは接近した生物に脱水症状を起こさせる特異性を持ちます。この影響はSCP-202-JPの内容量が60Lを下回っている状態で、SCP-202-JPに最も近い水源の内側へ進入した場合にのみ発生します。このためSCP-202-JPは常時注水と内容量測定が行われており、周囲の貯水タンクの内側は立入禁止とされています。

SCP-202-JPで沸かされた湯は安全に利用可能であり、最大██L/時の湯量を得ることができます。これは保守の費用を考慮しても、通常のボイラー室を用いた給湯コストに比べてはるかに高効率です。このため現在はサイト-81██の給湯システムにSCP-202-JPが導入されています。この処置に関する再検討の申請は、議事録202-JPを読了したレベル4職員のみが可能です。

SCP-202-JPは████県████市の廃工場内の遊水池付近の小屋で発見されました。遊水池には付近の川から常に一定量の水が供給されていました。発見時、鍋の蓋に次の内容が記載されたタグが結び付けられていました。タグは一般的な厚紙と綿紐で構成されています。タグと蓋に特異性はありません。

給水・衛生事業支援プロジェクト
極地および貧困地域向け小型煮沸浄化槽 試作品
©東弊重工

実験記録 202-JP-██~██ - 日付20██/██/██

実験方法: 対象物を投入し5分ごとに濃度を測定する。
対象1: 食塩500g
対象2: オレンジジュース500ml
対象3: シアン化ナトリウム1g
結果: 全ての実験において徐々に濃度が低下し、1~2時間で完全に除去された。
分析: SCP-202-JPは水以外の不純物を除去する能力がある。

実験記録 202-JP-██ - 日付20██/██/██

対象: 微生物を含む泥水10L
結果: 約2時間後に土砂および微生物が完全に除去された。
分析: 清浄な水の確保が難しい地域での作戦行動に有効である。ただし豊富な水源が確保できることが条件であり、また浄化効率は通常の設備よりも低いため、導入の申請は保留とする。

実験記録 202-JP-██ - 日付20██/██/██

対象: 鉄のインゴット1kg
結果: 変化なし。
分析1: SCP-202-JPは内部の物体を「何でも沸騰させられる能力」はない。溶鉱炉に転用する案は却下。
分析2: 大きな物体は消化できないのか?

実験記録 202-JP-██ - 日付20██/██/██

対象: 豚肉1kg
結果: 大量のアクが発生したが、約15分後にすべて消失した。豚肉は消失せず、異常は認められない。Dクラス職員に摂食させたところ「パサパサでマズイ」との感想を述べた。健康上の影響はなし。
分析: 物体を茹でることはできる。水以外の液体や不純物とみなされるものだけが徐々に除去されるようだ。おそらく肉の脂もそうなったのだろう。

実験記録 202-JP-██ - 日付20██/██/██

対象: 豚肉1kg
実施方法: SCP-202-JPから湯を汲み出し、別の鍋で沸騰させながら、豚肉を茹でる。
結果: アクは消失せず、肉の脂も残されていた。
分析: 湯に特異性は転移しない。通常の湯として利用可能。
補足: 経理課から苦情が通達されました。実験には安価な材料を使用してください。国産有名ブランド以外の肉でも同様の実験は可能です。-████研究員

 

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