SCP-2053
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SCP-2053-2のサンプルページの1つ。"オマエヲ ホコリニ オモウヨ"

アイテム番号: SCP-2053

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2053-1はサイト██の標準収容ロッカーに保管されています。SCP-2053-2は2ギガバイトのフラッシュドライブに保存し、SCP-2053-1と同じロッカーに保管します。月に一度、レベル2研究者1名がこのロッカーからSCP-2053-1を取り出し、オブジェクトの面を回転する試みを行ってください。失敗した場合、オブジェクトはロッカーに戻されます。回転が成功した場合、実験はブーン博士の指示の下に再開されます。

説明: SCP-2053-1は各外辺が約5.7cmのパズルキューブであり、標準的なルービックブランドのパズルキューブと物理的に同一です。SCP-2053-1は非異常性ルービックキューブの解き方と同様に、それぞれの異なる面上に貼られているステッカーの色が同一になるまで、面を回転させる事によって解く事が可能です。オブジェクトは、おそらくは多用による磨耗や損傷の兆候を見せています。しかし、実験によってステッカー自体が剥がされたことは一度も無いと判明しています。

時折、SCP-2053-1は活性化状態に入り、この間にオブジェクトの面は毎秒約3回転の速度で自発的に回転し始めます。オブジェクトは複数回の回転を終えた後、約20秒間の不動状態に入り、この間は面が終了時の配置に保たれています。その後オブジェクトは再び活性化し、面を”解けた”状態にしてもう一度休眠状態に入ります。

SCP-2053-2は”i_love_you_jake_please_read_this.pdf”というタイトルのコンピュータファイルです。ファイルに関連するメタデータは、サイズが1.21メガバイトであると示しており、利用可能なストレージの量が対応している全てのデジタルメディアに保存できます。しかしながら、文書内に含まれるページ数は、このファイルサイズにおいて可能なはずの量を遥かに上回るものです。PDF対応プログラムによって開かれた場合、結果の文書には、正確に43252003274489856000ページが含まれています。財団のアナリストは、この長さの非異常性PDF文書であれば、ストレージスペースの約2.1ヨッタバイト(2100000000000テラバイト)を占めると推定しています。

文書の各ページには、三次元ルービックキューブの二次元展開図が描かれています。各ページ上の図はSCP-2053-1の可能な準列に対応する色に塗られており、図の下には特徴のない黒の書体で英語のフレーズや文が記されています。██████社から入手したコンピューティング資産を使用して、SCP-2053の担当職員は、これらの図とそれに対応する語句全てを含むデジタルデータベースを作成しました。注目すべきは、SCP-2053-2のページ数が、SCP-2053-1において可能な配置の数と正確に一致するという事実です。これは即ち、全ての可能な準列に対応語句があることを意味します。SCP-2053-2に含まれる語句と対応するようキューブの面を物理的に回転させる事によって、文書内の特定の語句を使用したSCP-2053-1との意思疎通が可能です。

補遺2053-01: ████/██/██の段階では、SCP-2053に関連すると思われる人物の捜索には全く進展が見られません。

まぁ、ジェイコブというのはかなり一般的な名前だからなぁ。捜索範囲を変える必要があるだろう。別の角度から攻めていく。”父さん”が言う事に基づくなら、この”ジェイク”がある種の社会的な障害、あるいは発達障害を持っていると信ずるに足る理由がある。児童養護施設・精神病院・普通の病院などを探し始めるとしよう。 - ブーン博士

補遺2053-02: 財団は、サウスカロライナ州████████の拡張介護施設で、適切な条件に該当する個人を発見しました:ジェイコブ・████、31歳、[編集済]有り。インタビューの際、彼の主治医はジェイコブの複雑なパズル – とりわけルービックキューブ – に対する強い愛着と、それらを解く技術に関してコメントしました。

さて、ジェイクを見つけることは出来たようだが。彼の現在の状態のために、直接的な通信は不可能だ。SCP-2053-1とジェイコブの主治医から集めた情報によると、彼は実際に誰とも話さないらしい。私は、息子を実験外に維持して、現在の偽装の下にSCP-2053-1との対話を続ける事を推奨する。状態に変化があるかを見るため、1ヶ月に1回かそこら彼の様子を見る事にするが、この分では、おそらく彼の…彼のなんであれ、それを聞く事は決して無いだろう。 - ブーン博士

補遺2053-03: これまでに行われた全てのインタビュー(インタビューログ2053-02から2053-08を参照)において、SCP-2053-1は”ジェイク”に対して現在の状態の起源を明かす事に不本意です。これを考慮し、ブーン博士は一般的な医師を装ってSCP-2053-1と交信する事を決定しました(下記のインタビューログ2053-09参照)。

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