アイテム番号: SCP-206-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-206-JPは20枚だけがサイト-8181の収容ロッカーに保管され、その他は焼却処分されます。調査にはセキュリティレベル3以上の職員の許可が必要です。回収のために日本国内の全ての銀行システム及びATMには監視装置が組み込まれています。回収対象は記番号が褐色の█████████から█████████であるD号一万円紙幣です。回収方法の詳細については添付の別紙を参照してください。
説明: SCP-206-JPは認識災害を引き起こす旧一万円紙幣です。科学的な分析では、わずかなインクの濃淡を除いて、SCP-206-JPは一般的なD号1万円紙幣と同一です。紙幣に描かれた肖像画を直接目視した場合、目視時間に応じて次の影響を及ぼします。
段階 | 目視時間 | 影響 |
---|---|---|
段階1 | 0~5分 | SCP-206-JPに対し「偽札であるような気がする」などの違和感を感じます。 |
段階2 | 5~10分 | SCP-206-JPの肖像画が明らかに他の紙幣とは違うと認識します。 |
段階3 | 10~15分 | あらゆる肖像画の見分けがつかなくなります。 |
段階4 | 15~20分 | あらゆる人物の見分けがつかなくなり、相貌失認を発症します。 |
表中の目視時間は段階が進行する目安の時間であり、個人差があります。ある被験者は目視直後に段階1を発症しましたが、別の被験者は目視後数分間は違和感を感じなかったと報告しています。段階2に至った被験者は、他人にも紙幣を確認させようとするため、被害が拡大する傾向があります。この行動は強制的なものではなく単純に被験者の不安からくる行動と考えられています。段階3に至った被験者は、写真に写された人物を見分けることはできます。見分けるためにどの程度の写実性が必要であるのかは個人差があることが確認されています。段階4に至る前であればAクラス記憶処理で影響を除去できます。
目視時間は断続的であっても蓄積され影響を及ぼします。目視しなかった期間が長いほど、段階が進むまでの時間が長くなる傾向があります。SCP-206-JPを撮影した写真やビデオを目視しても影響を受けません。またSCP-206-JPが視界に入っていても肖像画を認識していなければ影響を受けないことが実験から判明しています。紙幣に描かれた肖像画を裁断したり十分に汚損することで影響を失わせることができます。
SCP-206-JPは19██年から19██年にかけて█████枚が発行されました。流通量が多いため完全な収容が困難となっていますが、そのために希少価値は認められておらず、一部のコレクターなどが秘匿する可能性は低いと考えられています。また流通量に対し被害報告がごく少数に留まっていることは、一般的に一枚の紙幣を5分以上見つめ続けることが少ないためと推測されています。
補遺:
199█/██/██ SCP-206-JPの効率的な回収のため、日本銀行券のデザイン変更が申請されました。
200█/██/██ 申請が承認されました。関係各所への通達は日本政府より行われます。
2004/11/1 新紙幣が発行されました。
201█/4/10現在、███枚が未回収です。