SCP-2064
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特別収容プロトコル: SCP-2064-A、-B、-C、および-Dは、個別の標準的なヒト型生物収容チャンバー内に収容します。対象は、取り調べおよび/または実験以外で他の対象と接触またはコミュニケーションをとることは許可されません。対象群が一緒にいる場合は、常に物理的に拘束され、非致死的な武器を伴った4人以上の警備員を伴います。

説明: SCP-20641は、マーズ(SCP-2064-A)、キット(SCP-2064-B)、ルース(SCP-2064-C)、リース(SCP-2064-D)と言う名の4人の女性を指す呼称です。相互の視線および/または音によって集団を形成した時、彼女らは、自分たちが”フランク”と”アンディ”という名の架空人物2人によって主導されている強盗団 兼 傭兵団であるという妄想を共有します。

集団状態において、対象は言葉に依らない手段で複雑な詳細・抽象的概念を伝えることが可能であり、肉体的苦痛に対しては高い耐性を示します。加えて、彼女らは銃火器や即興の爆破装置の熟練した取扱い・アメリカ手話の知識・金庫破り・声の偽装・腹話術など、彼女らの”取引”に必要とされる技術の洗練された知識を実証しています2

発見: SCP-2064はまず、20██/9/██、最終的に銃撃戦となった銀行強盗未遂において地方██警察局の注意を惹きました。応酬の中で警官13名が死亡、7名が負傷し、対象4名全員が逃走して警察の捜査を掻い潜りました。彼女らはカリフォルニア州██████郡の近辺に再び姿を見せ、国境警備隊の倉庫から大量の小型武器および砲煩兵器を盗み出しました。監視映像には盗難に先立ってボディアーマーを着用し違法銃器を装備した対象が映っていたため、この時点で連邦当局が関与し始めました。

財団職員は、20██/██/██、対象がサイト██への潜入に成功した際に関与することになりました。警備は早い段階で彼女らの存在を警告し、その後の銃撃戦において対象のうち3名が逃走しました。SCP-2064-Dは脱走を試みて負傷し、財団の勾留下に置かれました。

残る3名の対象は技術の著しい下落を見せ始め、続く事件はより頻繁に失敗に終わるようになり、最終的には20██/11/10のSCP-2064-A捕獲に繋がりました。残る対象2名は7週間後に強盗未遂で逮捕され、後に財団の下で再勾留されました。取り調べにおいて、対象は犯罪行為には無意識で参加していたと主張し、他の対象を識別できませんでした。

それぞれが逮捕された際に対象から押収された武器にはシリアル番号と製造元のマークがなく、製造記録を見つける事も出来ませんでした。使用されたボディアーマーも同様に、識別マークや出所が分からない状態です。対象の財務記録のいずれも、いかなる種類の銃器の購入も示さず、顕著な金銭的払い戻しも確認されていません。そのため、いつ何処で対象が使用していた武器を入手したかは不明です。

別々にインタビューを行った場合、対象は彼女らの行動の明確な理由を説明できず、展開した出来事を理路整然と、あるいは正確に報告することもできません。SCP-2064-Cに関しては、発生した出来事を公然と拒絶しています。

一緒にインタビューを行った場合、対象は自分たちが起こした一連の出来事を忠実かつ正確に語る事が可能であり、混乱・自責の念・不確実性の兆候を示しません。

インタビューログG-03:

(前書き: インタビューのために全ての対象が在席した。このインタビューはSCP-2064対象が職員への攻撃または逃亡を試みることなく完了した最初のものである。)

(記録開始)

マーロウ博士: ではマーズ、キット、ルース、そしてリース。あなた達の誰がリーダーなのですか?

(対象はいずれも応答しない)

マーロウ博士: あなた達の誰も指揮を執っていないと?だれの指示もなく全員一緒に行動してきたのですか?

マーズ: 私たちは皆、何をすべきか分かってたんです。

リース: どこですべきかも。

マーロウ博士: では何故そういうことをしたのですか?

マーズ: 誰もが何かしら物事をやるもんじゃないんですか?

マーロウ博士: 大抵の人は、一度も撃った経験がない銃を持ちだして、銀行強盗の過程で数十人も殺したりはしませんよ。

キット: でも、あたしらはやったわ。

マーロウ博士: どうやって?

キット: ただやったってだけよ。

ルース: 何その質問?

マーロウ博士: 最初のインタビューによると、あなた達は最初の銀行以前には会った事がない。あなた達の誰ひとりとして近くに住んでいる者はいない。あなた達はお互いの名前すら知らなかったんですよ。

リース: 私はリースだ。彼女はマーズ。

キット: あたしはキットよ。最後の1人がルースね。

マーロウ博士: そういう意味じゃないんです。

ルース: でも、これがあたし達の答え。

マーロウ博士: では、”フランク”と”アンディ”というのは?

ルース: フランクはフランクよ。彼女は無線であたし達に話しかけてきた。時々、アンディが引き継いだ。

マーロウ博士: 捕まった時、あなた達の中に無線機を持っている者はいませんでしたが。

ルース: 間違ってる。

マーロウ博士: イヤホンを着用していたんですか?

リース: 私たちは個人的な無線で聞いたんだ。分かったか?

マーロウ博士: ええ。で、どういう無線なのかを聞いているんです。

キット: [ルースに対して] “彼女”って?

マーロウ博士: フランクは女性ではないと?

ルース: フランクはフランクだってば。彼女は無線であたし達に話しかけてきたの。時々アンディが引き継いだの。

キット: 彼女は無線であたし達に話しかけてきたのよ。分かった?

マーロウ博士: 捕まった時、あなた達の中に個人用の無線を身につけた者は誰もいなかった。そして目撃者はいずれも、あなた達の誰かがイヤホンをつけていたという事は覚えていません。

ルース: で?

マーロウ博士: で、何が起こっているんですか?あなた達は自分が何をどうしたか私に話してくれていますね、なのに何故”フランク”と”アンディ”がどうやってあなた達に話しかけたのかは言えないんです?

リース: 私から君に言えるのはこれだけだよ。いつかある夜、私は独房の外に出ていくだろう。君がオフィスに居残って、遅くまで仕事をしているのを見つけるだろう。そしてその喉を搔っ捌いてやるからな。

マーロウ博士: 警備員、彼女らをチャンバーまで丁重に送って行ってくれませんか。インタビューは終了します。

(記録終了)

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