SCP-2080
評価: +8+x

アイテム番号: SCP-2080

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2080は現地で収容されており、偽装のために窓が板張りされ使用禁止物件である旨が宣言されました。職員2名が監視のために観測地点2080に駐在します。SCP-2080の敷地内で発見された民間人は勾留・尋問し、必要であれば記憶処理を施します。

SCP-2080-1個体はSCP-2080から除去されるべきではありません。活性化事象が発生した場合、全SCP-2080-1個体はSCP-2080への立ち入りが認められ、全SCP-2080-2実体は事象終了時に押収されます。それぞれ2体が実験のためにサイト81で保管されています。SCP-2080-1Aを解放するための更なる試みは行われません。

説明: SCP-2080はミシガン州インクスターにある2階建ての家であり、███████・█・ハーシェル・シニア氏 (SCP-2080-1)と青の2001 PTクルーザー(SCP-2080-2)の複製体が関与する現象の焦点です。実験によってSCP-2080-1個体群は遺伝的に同一であり、SCP-2080-2実体群は正確に同じ位置に傷や凹みを有する事が実証されました。SCP-2080-1個体は意思疎通が不可能であり、34種類の明確なフレーズを繰り返すことしかできません(完全なリストは文書2080-02aを参照)。SCP-2080内で使用可能な領域の約96%は、クローゼット・キャビネット・家電製品の内部も含め、SCP-2080-1個体によって埋め尽くされています。撮影された画像は、SCP-2080-1個体の██%が生存中である事を示唆します。

活性化事象は、1体以上のSCP-2080-1個体がSCP-2080から除去されるごとに発生します。10分以内に4体のSCP-2080-1個体を載せたSCP-2080-2実体が南方に出現し、出来る限り私道に接近し、もし他のSCP-2080-2実体があればそれらと衝突します。SCP-2080-1個体はSCP-2080へ立ち入り、内部のSCP-2080-1群の塊をさらに奥へと押し込みます。活性化事象はSCP-2080-1個体が以前の数に達した時点で終了します。これは事象終了時に以前より多い数の個体を齎し得るものであり、結果的に将来的な活性化事象の限界値は上昇します。収容以来█回の活性化事象が発生しており、SCP-2080-1の総個体数は██体まで増加しました。

SCP-2080-1AはSCP-2080-1のオリジナルと考えられる個体であり、意思疎通が可能な唯一の個体です。彼はSCP-2080の主寝室に位置しており、他のSCP-2080-1個体に挟み込まれた状態で、頭部が窓から視認できます。SCP-2080-1Aは活性化事象中に苦痛を表明しています。救助の試みは成功しておらず、現在の封じ込め手順が制定された事によってSCP-2080-1Aとの意思疎通はもはや不可能になりました。

最初期の活性化事象を目撃したと考えられる███████・ハーシェル‐ジャクソン・ジュニア氏からの通報を受けた地元警察は、ミシガン州デトロイトの財団エージェントにSCP-2080の存在を警告しました。当時のインタビューの転写が以下になります。

インタビュー対象: ███████・ハーシェル‐ジャクソン・ジュニア氏

インタビュアー: エージェント アルンシュタット女史、デトロイト現地事務所所属

<記録開始、16:44>

アルンシュタット: ハーシェル‐ジャクソンさん、私はエージェント アルンシュタットです。貴方に幾つか質問があって参りました。

ジャクソン: あ、あぁ、いいよ。

アルンシュタット: 貴方が父上と最後に会話したのはいつの事ですか?

ジャクソン: 今朝だよ、あんたも知っての通り。

アルンシュタット: その時何が起こりましたか? 彼はいつもと違うように見えましたか?

ジャクソン: 正直そこまで注意払ってはいなかったよ。口論になってたからね。

アルンシュタット: 何の口論です?

ジャクソン: それは、あー、親父はさ、何つうか、俺が付き合ってる人を好きじゃなかったんだ。あの人は女の子じゃないから。親父は俺に罵声を浴びせ掛けて、俺もそうした。その、もう二度と親父と話したくないってことをだ。で、俺は立ち去った。

アルンシュタット: 貴方が去った後、何が起こったんです? 何かおかしいと最初に気付いたのはいつだったんですか?

ジャクソン: 悪い、ホント、悪かったよ、大丈夫だ。で、えー、妙な事が起こったのはほとんどすぐ後のことだ。俺はあたりを歩き回ってた、本気でどっかに行っちまうつもりは無かったのさ。その時、あの車が近づいてきたのが見えたんだ。親父の車にそっくりだったから目を引いた。で、気付いたんだ、実際に親父の車だってな。ナンバープレートが同じだった。通り過ぎて行って、俺が窓を見ると、そこに親父がいた。まるで何も起こらなかったようにニコニコ笑って手を振ってやがるんだ。そしてもう1台車が来た、その後にもう1台、続々と走ってきた。それで全部に、どの車にも、親父が乗ってたんだ。親父が車を運転して助手席から手を振って後部座席に座ってた。それで皆、俺が今まで親父を罵った事が無いみたいに笑顔だった。そいつらが次々に押し寄せたんだ。

アルンシュタット: 警察の報告書によると、貴方は家に走って戻ったそうですね。

ジャクソン: ああ、後ろから車がどんどん付いて来たよ。俺が私道に着いた時は、車が山ほど停まってやがった。正面玄関を試してみたけど、ダメだった、びくともしないんだ。それで裏口に…

アルンシュタット: 分かりました、もう結構です。有難うございました、████さん。

ジャクソン: あんた、なぁ、これって俺のせいだと思うか?

アルンシュタット: いいえ、私たちにも何故これが起こったかは分かっていません。私としては貴方のせいだとは思いませんよ。心配せずに家族の下へ戻ってください、私たちも貴方の父上を助けるために何が出来るか検討しましょう。

ジャクソン: ありがと、エージェントさん。俺、ホントにさ、全部取り消したいんだよ。俺が言った事を。

アルンシュタット: 力を尽くしますよ。

<記録終了、17:03>

最後に: 標準的な隔離期間の後、███████・ハーシェル‐ジャクソン・ジュニアは記憶処理を施され、███████・ハーシェル・シニアがガス漏れで死亡したというカバーストーリーの下に、祖父母の親権へと解放された。███████・ハーシェル・シニアの遺志に基づき、撒くための遺灰が家族に提供された。SCP-2080-1Aの家族とのこれ以上の接触は必要とされていない。

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