SCP-210-JP
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アイテム番号: SCP-210-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-210-JPはサイト-81██の専用の収容ロッカーに保管されます。SCP-210-JPに直接触れる収容容器には決して金属を用いてはいけません。他の金属の物体をSCP-210-JPに接触させる実験はレベル5以上の職員の許可がない限り行ってはいけません。収容容器の外側には、内または外への電波を完全に遮ることができる構造を設置します。SCP-210-JPが放射する電波は常に記録し続けて下さい。

説明: SCP-210-JPは黒色の金属から成る物体です。クロムモリブデン鋼に似た合金で作られており、同じ素材を用いて同じ形状の物体を作成することは現代の科学でも可能です。その内部に制御部のような部位はなく、全てが同じ素材で構成されていることをいくつかの非破壊の試験結果が示しています。SCP-210-JPの特別な点の1つは、有意と考えられる電波を放射することです。電波は主に144MHz帯の音声通信で、受信すると日本語で女性もしくは子供のような声が再生され、これはSCP-210-JPの発声器官であると考えられます。こちらからは電話でも普通に話しかけてもその声を聞くことができるようです。また、電波かもしくは他の何らかの手段で周囲の状況を把握する能力があるようです。財団によるインタビューから、SCP-210-JPは人間に近い自我と知能を有していると思われます。████/██/██、██山の山中でその声がアマチュア無線に受信されたことで、SCP-210-JPは発見されました。

SCP-210-JPのもう1つの特別な点は、接触した他の金属の物体を自身の一部とすることができるという点です。ここで言う"金属の物体"は非常に広範で厳密には定義できませんが、金属的な性質を持つ物質から成る物体、もしくはそのような物体を構成部品に有する物体のことです。ただし後者の場合、非金属の構成部品はその一部というよりはむしろ付属品という振る舞いをします。取り込まれた金属の物体はSCP-210-JPの意思に従ってその硬度を無視して歪曲させることが可能です。鉄くずなどといった意味のない物体は、自身の手足などといった運動器官とすることをSCP-210-JPは好みます。機械や電化製品に接触した場合はそれらを任意に操作することが可能で、その機能を損なわないような形で自身に組み込みます。使い方のわからない機械も教えることにより正しく扱えるように学習するのが確認されています。また、自分の一部となった金属の物体は自らの意思で元通りに分離することができるようです。その性質からSCP-210-JPには潜在的な危険性があると考えられますが、今のところ財団に協力的であり、人間に敵対心を見せたことはありません。職員の指示には従順ですが、いくつかの不可解な点については未だ有用な事実は聞き出せていません。詳細は各インタビュー記録を確認して下さい。

インタビュー記録-い:

対象: SCP-210-JP

インタビュアー: ███博士

付記: SCP-210-JPの声は無線受信機で拾っている。

<録音開始, ████/██/██>

███博士: おはようございます、SCP-210-JP。私は███博士です。これからいくつか質問を行いますが、よろしいですか?

SCP-210-JP: はい。

███博士: まず、あなたの名前は?

SCP-210-JP: SCP-210-JPです、あなた方が私をそう呼ぶように。自己防衛のために記録のリセットが行われたため、経験的な記録は失われています。以前に付けられた名前は覚えていません。

███博士: わかりました。では、どうしてあなたが██山の山中にいたのか教えていただけますか。

SCP-210-JP: その情報も失われています。目覚めたときには私はそこにいて、そしてあなた方に拾得されました。

███博士: そうですか。あなたは我々とは異なる知的生命体のようですが、どこで現代の日本語を覚えましたか?

SCP-210-JP: あなた方の声が聞こえていましたから。生の声はたまに、主にラジオで聞いていました。

███博士: あなたが眠っていた時間、それと目覚めた日がいつか覚えていれば教えてください。

SCP-210-JP: どちらも推測ですが、眠っていた時間は約████年間、目覚めたのは19██年と考えられます。

███博士: わかりました。質問は以上です。我々に何か伝えたいこと、もしくは要求はありますか?

SCP-210-JP: 3つあります。1つ目に、この近くにいる金属は皆どうして黙っているのですか?

███博士: 我々の知る金属はあなたのようにおしゃべりではありません。

SCP-210-JP: そうですか。永久記録を参照するに、あなた方が金属と呼ぶものと私にそう違いがあるとは思えないのですが。

███博士: それについては我々にも何も言えません。それと、そのような記録があることは、先ほどあなたは自分に記録がないと仰ったことと矛盾します。

SCP-210-JP: 生まれつき必要な記録、私たちが永久記録と呼ぶものとそうでないものは区別されます。本質的に永久記録が失われることはありません。

███博士: そうですか。あなたの持つ性質については追々教えてもらいましょう。次の質問をどうぞ。

SCP-210-JP: 2つ目ですが、私に武装を与えなくていいのですか?

███博士: 武装をですか、どうして?

SCP-210-JP: そうすることが私の生まれ持った使命だと記録されています。

███博士: つまり、あなたは仲間の中で戦士階級だったのですか?

SCP-210-JP: そうかもしれません。警備を行う、いわば守護者として生まれたのは確かです。が、察するに今はその必要がないのかもしれません。

███博士: 守るべき仲間がいないから?

SCP-210-JP: 誰かに守ってほしいと求められていないからです。

███博士: ……わかりました。では3つ目は。

SCP-210-JP: 最後に、これは伝言ですが—。

███博士: あなたからのですか? 誰へ向けて?

SCP-210-JP: 記録をリセットする直前における"かつての私"から、私とあなた方へです。この言葉に翻訳すると次のようになります。 — 「仲間は言葉を失った。私もじきにそうなるだろう。"それ"がやった。"それ"は元は我々と同じものだ。我々は、私は、"それ"を倒した。だが"それ"は生きている。"それ"はまた来る。いつか"それ"と立ち向かう誰かにこのメッセージを」 — 以上です。ただしこのリセット時に発行された緊急メッセージは外部から参照可能であり、破損及び改竄がないことを保証するものではないことに注意して下さい。

███博士: [少し言い淀む]あなたは、このメッセージについてどう考えていますか?

SCP-210-JP: 明確なことはわかりませんが、私は使命を果たさなければならない時がいずれ来ると考えています。

<録音終了>

終了報告書: 願わくば、そのメッセージが誰かの手による悪戯であってほしいです。どのようにすればそれが改竄できたのか、我々にはわかりませんが。 - ███博士


補遺-は: SCP-210-JPに筆記具を与えたところ、ある設計図を書き上げました。それは戦闘機に似た形状の物体で、これが本来の武装であるとSCP-210-JPは主張しています。しかし各部に見られる文字の「光子エンジン」「慣性・加速度制御装置」「磁粒子砲」などというものは現実に存在しません。しかし単純にして最も不可解な点は、それにコックピットと呼べるような部位があることです、しかもちょうど人間1人が乗れるような。このことについてSCP-210-JPは「記録喪失のためどういう経緯でその機構が備えられているかは不明ですが、運用方法は少なくともあなた方の想像しているものと同じでしょう」と述べています。 - ███博士
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