SCP-2102
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アイテム番号: SCP-2102

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2102はサイト-122でL-タイプ人型異常収容室(HACC)を住居として与えられています。この措置はSCP-2102が負傷する可能性を最小限とするように修正されます。SCP-2102は常時完全に拘束され、偶然ないし意図的な皮膚の裂傷を避けるため、両手足はパッド入りのスリーブで覆います。自殺を試みる傾向があることを考慮し、SCP-2102は常にクラス・α-レッドセキュリティリスク下にあると見なされます。

無制限外部エントロピック反応(Unbounded Ectoentropic Reaction:UER)が発生した場合、本プロジェクトに携わっていないサイト内の全職員は避難します。そして、最低レベル2/2102クリアランスを持つセキュリティスタッフ3人がSCP-2102の収容室に入り、漏洩プロトコル1を開始します。プロトコルの終了後、SCP-2102はレベル3医療スタッフによりプロトコル中に負った火傷の治療を受けます。過剰な組織は切除され、その結果生じた傷はすぐに焼灼して塞ぎます。これがSCP-2102が発生させる組織の量を減らすために現時点で唯一有効な手段です。切除した組織は、標準的なバイオハザード処理プロトコルに従って処分されます。

漏洩プロトコルの遂行が失敗した場合、サイト-122のレベル3セキュリティクリアランスを持つ全職員は本プロジェクトのキルスイッチのパスキーを与えられます。このスイッチは遠隔起動が可能で、SCP2102の収容室の内部にジシアノアセチレンガスと粉末状のフッ化アルミニウムを散布します。この混合物は拡散から3秒後に自動的に点火されます。キルスイッチによるSCP-2102の不活性化に失敗した場合、それ以上の対策は準備されていません。

説明: SCP-2102は、年齢や家系が判明していない身元不明の男性です。SCP-2102の身長は約178cm、体重は約48kgです。SCP-2102の体表は100%が肥大した傷跡で覆われており、これは過去に発生したUER/2102事件の収束のために漏洩プロトコルを実行した結果です。この傷跡が原因で、SCP-2102は聴覚と発声、そして視覚が不自由であり、インタビューが不可能です。SCP-2102に関するすべてのデータは実験とロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)師団"P"の生存者の文書から収集されました。

SCP-2102の異常な特性は対象が刺創または裂傷を負った際に発現し、異常な癒傷プロセスを開始します(UER/2102イベントに指定)。このプロセスは止血と炎症の段階を通常通り発生させながら瞬間的に進行します。またプロセスにおける増殖段階は通常より格段に早い速度2で発生し、創面収縮は見られません。UER/2102イベントの間、全ての開放創を適切に焼灼しない限り、SCP-2102は指数関数的な割合で新しい組織を生産し続けます。この異常性に基づき、本イベントはおよそ4週間でNK-クラスシナリオに発展すると推定されるため、それ以前に完全に無効化しなければなりません。UER/2102イベントの間に発生する組織は利用できる空間全てを用いて膨張します。この膨張は障害物によって遅延させることが可能ですが、より多量の組織が発生すると、組織は周囲の物体に対して与える圧力を強めていきます。現在、SCP-2102が発生させ得るMPa3の上限は不明です。

鈍器外傷はSCP-2102の表皮を傷つけずその異常な特性を誘発しません。高熱を利用して全ての開放創を焼灼することで、SCP-2102の異常な癒傷プロセスは停止します。また実験により全ての軟部組織を破壊すればSCP-2102の異常な特性はおそらく持続しないだろうとの推測が立てられました。

補遺2102-A-01: 回収と仮収容時の記録

SCP-2102は1972/12/02、チェコスロバキアの███████████に存在する実験医学研究所ČSAVの敷地から回収されました。チェコスロバキア政府に潜入した財団エージェントはその年の初めに研究所の敷地内で進められていたロシア連邦軍参謀本部情報総局師団"P"のプロジェクトの存在を知りました。諜報部の報告により、このプロジェクトは急速細胞再生の実用化開発を目的としていることが判明しました。SCP-2102とその異常な特性を詳述した機密文書の横領に成功した後、1973年1月の回収計画が立案されました。

1972/12/02、UTC/GMT07:14、実験医学研究所ČSAVの施設で混乱が発生し、多数の民間人が敷地から避難したという報告がありました。東ヨーロッパに配置されたいくつかの機動部隊から選出したメンバーによる小人数の財団調査部隊が組織され、回収が開始される前に状況を把握することを目的として即時の派遣が行われました。仮収容は1972/12/02のUTC/GMT23:01に完了し、1972/12/13に永久収容が完了しました。

2102-補遺A-02: 2102/OpRec/721202調査ログからの抜粋

[13:38:15] 司令部: メリック、現在地はどこだ?
[13:38:23] メリック: 地上一階、建物の入口付近だ。ドアは開け放たれている。見る限り無人だ。
[13:38:36] 司令部: 了解した。接近を許可する。幸運を。
[13:38:40] メリック: 侵入する。
[13:54:03] メリック: この臭いは…ここじゃないな、出所がはっきりしない。ジョーンズ、キョロキョロしてないで左の廊下を見てこい!
[13:54:09] メリック: 大部分は研究室とオフィスだ。ずっと昔は休憩室だったらしい部屋を見つけた。ほとんどのファイルは持ち去られていて、重要そうな書類は残っていない。あるのは貨物の書類だ。食品に、生活必需品に、一般的な物流品だな。
[13:54:21] 司令部: 全て回収しろ。IA4に調査させる。まだ何も異常はないか?
[13:54:27] メリック: 了解、回収する。今のところ異常は見られない。地下2階以降かもしれない。アシュトン、紙切れをあるだけかき集めるんだ。
[13:54:35] 司令部: 注意深く探せ、メリック。
[13:54:38] メリック: 了解。
[14:13:43] メリック: 地下一階の調査はほぼ完了。異常の徴候は未だにない。臭いが更に酷くなっている。それと地下へ続くエレベーターを見つけた。記録しておいてくれ。
[14:13:51] 司令部: 了解した、メリック。気を付けて進め。
[14:13:55] メリック: 勿論だ。ジョーンズ、アシュトン、下へ行くぞ。総員警戒して…待て。司令部、この地域で地震活動は起きているか?
[14:14:06] 司令部: こちらでは分からない、メリック。どうした?
[14:14:11] メリック: 何かが下で動いたような気配がした…
[14:17:24] メリック: 応答を、司令部。エレベーターが止まった。おそらく1フィート程度下がった所で何かにぶつかった。 一体何が起き…待て、この音は何だ?
[14:17:31] <金属がひしゃげて裂ける音»
[14:17:32] <複数の絶叫と警戒を呼びかける大声>
[14:17:35] 司令部: 応答しろ、メリック!状況はどうなってる?
[14:17:35] メリック: ここ[不明瞭]階だ。何かが通った。[不明瞭]梃子でドアをこじ開けろ!
[14:17:36] <意味の取れない雑音と複数の声>
[14:17:36] <呟き声と絶叫>
[14:19:33] 司令部: 応答しろ、メリック!
[14:19:36] メリック: 司令部、なんとかドアを開けて脱出することができた。我々は階下から登ってきた正体不明の不定形物体と接触した。即時対抗措置を取ることを提案する。
[14:19:45] 司令部: 了解した、メリック。2機のF-4が[編集済]で待機中だ。そちらに到着するまでおよそ…7分。それまで持ちこたえられるか?
[14:17:32] <セミオートマチック火器の発砲音>
[14:19:53] メリック: まるで見当が付かない、司令部。たった今ありったけの手段を試しているが、俺たちが傷つけるたびにより速く成長するようだ。アシュトン、レモン5をまとめて食らわせてみろ!
[14:19:53] <複数の爆発音>
[14:19:54] メリック: 司令部、送ってくれた戦闘機がこいつを止められるような代物を積んでることを期待する。俺たちの手持ちじゃどうにもならないらしい。
[14:20:03] 司令部: 心配するな、IAの連中はそいつの扱い方を知っているそうだ。チームをそこから脱出させろ、メリック。
[14:20:08] メリック: 了解。これから外へ…
[14:20:09] <音源不明の大きな雑音>
[14:20:11] 司令部: 状況はどうだ、メリック!
[14:20:13] メリック: 全員無事だ。だがアレは爆発的に膨れて、地表を突き破ってもまだ止まる様子がない。戦闘機の到着は早まらないか!
[14:20:19] 司令部: 到着予定時間(ETA)までおよそ6分だ。それはどれほどの早さで動いている?
[14:20:22] メリック: ジョーンズ、出てこい!
[14:20:23] 司令部: メリック、何が起きている?
[14:20:23] <くぐもった泣き声>
[14:20:26] メリック: ジョーンズが死んだ。アレの下に巻き込まれたんだ。スピードなんて知るか、どうだっていい。今すぐ戦闘機をここに寄越せ!

UTC/GMT14:22:56、2機のF-4ファントムは搭載したミサイル弾頭M47A1ナパーム焼夷弾を投下し、そして進行中のUER/2102イベントの間にSCP-2102が発生させた組織の焼灼に成功しました。

補遺2102-A-03: 回収されたロシア連邦軍参謀本部情報総局師団"P"の文書からの抜粋翻訳

以下の抜粋された日記のエントリは、実験医学研究所CSAVから回収された文書の中から発見されました。筆者を明確に特定することはできませんでした。

日付: 1972年3月2日
ようやく到着した。断言していいが、ツポレフは俺が運転するBMPより震えてた。機器の入った木箱は先に到着、大部分は無傷だったか、電車で運ばれた2つの[編集済]容器とレントゲンがやや歪んでいて、メインフレームも調子が悪い様子だ。
例の件について色々と耳にしていた現地スタッフに会った。あちらの研究責任者、同志チャーニ博士は基礎代謝率に基づく被験者の適正指数とその他二つの事柄に関して真に説得力に富んだ意見を持っている。もっともバラックパリンカ6の産物だったかも知れないが。

日付: 1972年3月3日
俺たちのと彼らの三相プラグは少々違うものだと判明した。頭痛がする。

日付: 1972年3月5日
朗報だ ― 俺、ミカイル、クズマとあちらの技術者プラズノフスキーは主導権をすっかり入れ替え、彼がどこかから苦労して発掘してきた予備の部品によって壊れた道具を修理できた。おかげでどれも動くようになった。
次は悪い知らせ ― 試運転のために機器を接続した途端、ヒューズが飛んで研究所の半分が停電した。こちらの仕様書を読んで向こうも準備してるものだと思っていたのに。
嫌になるニュース ― 彼らの取り付け図に目を通している ― 俺たち三人は整理に半日を費やした。これを持ってきたのが誰だろうが、そいつにはルビャンカ7の地下室の掃除をやらせとくべきだ。

少なくとも観光に行くくらいの時間は持てそうである。近場になかなか見事な城の遺跡があり、同志オラブコバ博士の姉妹がそこで働いているというので、俺たちは私的な旅行に出かけることに決めた。とはいえ、下らない理由でプロジェクトが停滞したままなのは居心地が悪い。

日付: 1972年4月19日
ONV会議でいくつかの話し合いをした。研究所の責任者、それとモスクワへの怒りの電話一件、俺たちは送電網を記録的な早さで強化しておいた。これでワットレイとウェーバー8に連絡がつく。
それ以外のニュースとしては、彼らが今日二名の有望な候補者を運び入れた。理想からは程遠いが、俺たちは今あるもので仕事をしなければならない。もうじき、あの理論が正しいかどうか分かる。

PS. 旅行は最高に楽しかった。マルーシャが気に入ってくれそうなスカーフ、それと、在庫ありったけ=だいたい1キロのチューインガムが店主にルーブルを一巻き分渡すだけで手に入った。

日付: 1972年5月5日
一人目の被験者は最初こそ有望に見えた。創傷を与えると、急速な凝固が予想通りに生じた。しかしこのプロセスはすぐに停止し、皮膚に損傷が発生した。ミカイルが過剰な量のネオジムを混入させていたことが判明した。あの間抜けめ。全くもって我慢の限界だ ― もう一度しくじれば首根っこ掴んでモスクワまでケツを引きずっていくぞと言ってやった。

日付: 1972年6月28日
どうして死んだ!? 合点がいかない ― ネオジムの量を減らすと壊死がより酷くなった。このことはミカイルには話せない。話せばこの先ずっと皮肉を聞かされる羽目になるだろうしな。

日付: 1972年8月3日
培養が完了し、エレナ(エレナ・オラブコバ医学博士、現在の所在は不明 ― レッド)がその組織構造を調べた。結果は興味深いものだった ― ある種の均衡状態に近いらしい。細胞は対照サンプルよりも50倍は速く分裂するのだが、いずれもほぼ即座に死亡し、やがて全体が自身の排泄物によっていわば窒息死する。そこが問題だ。
仕事を達成するためには、そのバランスをどうにかして崩す必要があるようだ。

日付: 1972年8月15日
俺たちは新しい候補者を得た。プロジェクトの開始から数えて16番目になる。俺はシラード(シラード・チャーニ自然科学博士、救出計画の文書を参照 ― レッド)に会い、常人よりずっと回復力の強い候補者が必要だという話をした。省は約束を果たしてくれた ― 聞いた所によると送られてきたのは、刑罰としてウラン鉱山で15年過ごし、なぜか健康体のまま出て来れた反革命主義者らしい。確かに、組織構造の検査結果によると彼の細胞はまるで不死身のコシチェイ9のようであり、彼の自然再生速度は平均的な人間のおよそ二倍だ。もしかしたら? 彼こそが答えかもしれない。

日付: 1972年9月5日
予備段階の結果は良好だ。癒傷プロセスはもう中断することはなく、むしろ完了するのがいささか早過ぎるのではないかとさえ思える。まったく、自分で書いていて信じられない! このプロセスを洗練して永久的にできたならどうなる? 本来の目的ではないが、もしも実現できれば…

日付: 1972年9月24日
俺はますます眠れなくなっている。X-16は他の奴とは違う。彼には脆弱さがない。他の候補者は絶対に一度のサイクルしか耐えられなかった。だがX-16は幾度も切り裂かれて、そのたび生き延びてきた。今日、彼は何らかの方法で拘束から抜け出して自身の手首を切ろうとした。幸いにも、それは想定より数時間も長く効果が続くことを意味するが、彼には同情せざるを得ない。少しオフの時間が欲しいな。多分シラードに言えばマルーシャに会いに行かせてくれるだろう。

日付: 1972年10月15日
ついに! 俺たちは正しい組成物を発見した。それにより2、3週前にユーリー(詳細不明 ― レッド)が導入した分解防止剤がもう少しだけ必要だったことが判明した。それは以前からずっと目の前にあったのだ。被験体X-16の反応は良い、少なくとも医学的に見れば。彼は相も変わらず非協力的だ。それは問題じゃない。もうじき完成するだろう、あとほんの一歩で俺たちの勝利だ。考えてみれば、あの男は英雄と言える。本人はそのことを知りもしない。

日付: 1972年11月3日
もう一回分の血清を調合していたちょうどその時、エレナが研究室の俺のセクションに現れた。彼女は取り乱した様子で、俺の袖を掴んで強引に引っ張っていった。もっともな理由があった。掻い摘んで記すなら、サンプルがどこからともなく自身の質量を増大させているらしい。彼女はそれを測定誤差だと思ったという。しかし、丸一日掛けて機械を調整した後に俺も同じ結果を得た。非常に気に掛かる。
俺はシラード、ユーリーを加えて議論した ― 俺とエレナは一体何が起きているのか詳しく調べたいと主張したものの、彼らはエラーに違いないと言ってプロジェクトを続行しようとしている。

日付: 1972年11月26日
質量の増大にはパターンが見られ、あらゆる面において[データ抹消]が見られる。そしてそれは最早X-16ではない。答えを掴んだと思った。昨日は事がすべて上手く運んだ、しかし俺はすぐに自分のデスクで目を覚ました。本当に睡眠時間が欲しい。マルーシャ、彼女に会いたい。しかしシラードが会いに行かせてくれない。

日付: 1972年11月27日
俺たちはサンプル分析と組成物の経験的チューニングに取り組むのを止めるように命令された。この場所でほんのちょっとでも常識がある人間は俺とエレナだけみたいに思える。あともう数日だ。

日付: 1972年12月2日
起きるにはまだ早すぎる時間だが、眠れない。今日は世界初のスーパーソルジャーが生まれる日であり、あるいは何も無い所からやり直す日だ。俺はどちらを願うべきなのか全く分からない。明日もそういう一日なんだろう、ええ?

日記のエントリはここで終わっています。

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