SCP-2137
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アイテム番号: SCP-2137

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ケースから出されたSCP-2137。

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: 使用していない際は、SCP-2137はサイト-23のSafe棟にある一般的な10桁電子錠付きの金属製金庫に保管します。全てのデジタルおよびワイヤレス放送メディアは、SCP-2137から少なくとも100mは距離を取ってください。SCP-2137の異常特性には距離的な制限が無いと判定されたため、全てのデジタル・ワイヤレス・その他の放送メディアは使用可能ではあるものの、SCP-2137-1および-2の出現を綿密に監視する必要性があります。

トラック7の実験と記録を除いて、SCP-2137は自らの意思を持たない無生物アイテムと看做されるべきであり、SCP-2137-2が生成する全ての要求や脅迫は無視されるべきです。

週に一回、2137は清掃し、全てのトラックを連続再生します。トラック7に置換されるSCP-2137-1実例には特別な注意を払ってください。

SCP-2137-1実例によって挙げられた名前・状況・逸話は、その後2137特別委員会(“パック・ウォッチ”)に報告しなければなりません。

稀に非財団組織がSCP-2137-1実例の挙げた状況に対処できない場合、問題解決に必要な全ての処置を実行するため、O5-9が機動部隊-339(“シュグ・ナイツ”)の出動を承認します。作戦が成功した場合は2137-1の新たな実例によって示されることになります。

SCP-2137との対話や調査を望む職員は、事前に承認を受けるためキヴォウィッツ博士に依頼する必要があり、その後O5クリアランスで承認が保留されます。

説明: SCP-2137は、1995年にリリースされたトゥパック・シャクールのヒップホップアルバム、”Me Against The World”のシングルCDコピーです。物理的な検査とレーザーテストによって、このCDは1995年に製造販売された初期のものであると示されています。ディスク自体への一般的な実験は、異常性の無いアルバムのコピーと同一の結果を示します。ケースとライナーノーツは異常性質を持たないと判断され、ディスクの物理的デザインとエンコーディングも完全に正常に見えます。

しかしながら、通常は”Heavy In The Game”が収録されているトラック7を再生した場合、SCP-2137-1実例が発生します。SCP-2137-1はヒップホップ・ジャンル内の様々なスタイルでトゥパック・シャクールをフィーチャリングする、プロが手掛けた曲の形式を取って自然生成されます。生成されたSCP-2137-1の各実例はそれぞれ唯一無二の物ですが、主題の面では一定の共通点を有しています。曲の中心となるのは常に犯罪であり、そのほぼ全てが単一または連続的な殺人です。曲は続けて、殺人者を正確に特定および起訴するために必要となる事例証拠や情報を提供し、更には訴追者を指定、あるいは視聴者が自らの手で犯人を処断することを推奨するに至ります。

SCP-2137-1の生成は限定的な因果性を有していると判定されていますが、どのようにSCP-2137-1実例がSCP-2137にコピーされるのかは確認されていません。

SCP-2137-2
曲の根本的な音声(ここではSCP-2137-2と呼称)は、高度オーディオ分析の結果、SCP-2137回収の1年前、1996年に死亡したトゥパック・シャクールの声と正確に一致するものと確認されました。

しかしながら時折、特に複雑または残忍な性質の犯罪に言及する際、SCP-2137-2には異なる”出演者”が加わり、ゲストとしてラップを披露するか、コーラスまたはブリッジの歌唱を行います。ここにはトゥパックと同時代のアーティストも(スヌープ・ドギー・ドッグ、ナズ、ノー・ダウト、エヴァークリア、ウィーザー、バスタ・ライムスなど)、2000年代のアーティストも(クリス・ブラウン、ケイティ・ペリー、リル・ウェイン、レディー・ガガ、リアーナ、イン・ヤン・ツインズ、ドレイク、ネオン・トゥリーズ、ジェット、ジェイ・Z、カニエ・ウェスト、エミネムなど)存在し、通常は人気の高い人物です。

まだ活動中の犯罪者による長期未解決事件に関しての幾つかの注目すべき例では、より露骨に時代錯誤かつ著名なゲストが出演します ― フィル・ハリス、アンドリューズ・シスターズ、フランク・シナトラ、バディ・ホリー、ザ・フー、エルヴィス・プレスリー、ダイアナ・ロス、ビートルズなど。これらの大きく時代錯誤なゲストは主演者となって自己流のスタイルで歌唱する傾向があり、SCP-2137-2はラップゲストとして参加します。

接触時、これらのアーティストはいずれもSCP-2137に関する回想記憶、あるいは情報を有していませんでした。

述べられる犯罪は未解決、あるいは幾つかの例では発覚すらしていないという点を共有します。SCP-2137-1実例の大部分は連続殺人鬼・快楽殺人犯・常習者といった一般市民による犯罪を挙げますが、時折ハマス・ISIS・アイルランド共和軍などの大規模グループの名を挙げる事もあり、2例においてはカオス・インサージェンシーと壊れた神の教会に言及していました。

SCP-2137-1の代表的な例が、参考のためにここに掲載されています。

犯罪が対処され、関与者が法制度その他の方法で白日の下に曝された時、SCP-2137-1は直ちに新たな実例へと置換されます。しかしながら、当該トラックは従来の手法で簡単に記録可能であり、記録されたバージョンは変化または置換の対象にはなりません。また、オリジナル版は殺人犯が発見される前であれば際限なく再生可能であり、変化は全く殆どありません。現時点では、1000近いSCP-2137-1実例が記録されています。

補遺1a: XK事案:

当初、研究者たちは財団の施設を介して地元の警察署へ匿名で密告することで実験を行い、███件以上の未解決事件を解決に導きました。ここにはSCP-██、SCP-████、SCP-617の回収も含まれますが、関与した殺人事件以外の直接的な接点は確立されていません。

しかし、█年後、SCPのこの使用法は実用的でないと看做されました。2137の”曲”で述べられる犯罪に繰り返し対処することは、実際問題として、SCP-2137が収容状態に干渉することを可能にしており、また状況によっては、複数の政府部門に跨る法執行機関と継続的に接触することで、財団の存在が明るみに出る潜在的な危険性を伴っていました。

これに応じ、O5-9は20██年後半に犯罪への対処を打ち切りました。

2ヶ月後、SCP-2137の動作は劇的に変化し、SCP-2137-2が収容を認識している事を明らかにする内容のSCP-2137-1実例が始めて生成されました。

下された決定は、同意ではなく、実験の完全な停止でした。

一週間が経過した後、ロサンゼルスを拠点とするヒップホップ・ステーション[編集済]のYouTubeチャンネルにSCP-2137-1実例が自然発生し、1時間後に削除されるまでに█████再生を記録しました。

“XKシナリオ”事案

動画中に表示された画像は静止映像であり、外見上は普通ながらも、性質上極めて異常なものでした。写真は、Dクラス職員の制服を着て中指を立てた40代後半1と思われるシャクールのものです。”███ █████”という題名で付随していた歌は、SCP-███に焦点を当てて所在地と現行の収容プロトコルを破る方法を暴露し、O5評議会の一部メンバーの名前を挙げて特定しつつ財団の役割と性質について述べる内容でした。

█つの大陸に跨って複数の機動部隊を動員した大規模掃討作戦により、当該動画の全てのトレースは消去され、█████名の視聴者全員にクラスA記憶処理が施されました。この作戦の半ばに、“XKシナリオ”という題のアルバムが丸ごと、ビヨンセのiTunesアカウントにリリースされました。各曲はSCP-2137-2と様々なゲストアーティストをフィーチャリングしたもので、それぞれ異なる現在収容中のKeterクラスSCPに焦点を当てたものでした。

SCP追跡BOTは”XKシナリオ”を███件のダウンロードが行われた後に削除できましたが、個々のファイルを完全にデジタル上で根絶することは困難であると証明されました。生命や資産の損失は発生しませんでしたが、この収容違反によって齎される甚大な危険性から、財団全体に厳戒態勢が敷かれました。これは全ての自動SCPファイアウォールの継続的なアップグレードを促すものとなり、SCP-2137はEuclidからKeterへ再分類されました。

この違反は、SCP-2137の収容(および概念的理解)をどのように進めるかに関しての激しい議論を巻き起こしましたが、やがて議論は新たなSCP-2137-1実例の生成によって終了しました。この実例はSCP-███の口から自然生成され、この間SCP-███はトランス状態に陥っていました。歌詞は全体的に [データ削除]と特定されるものについて繰り返し記述しており、収容室内に響き渡る音量で117000回歌われました。

以前の、潜入した情報提供者にSCP-2137の語る証拠と情報を中継させる実験方法を再開するという決定が成され、一方でSCP-2137を完全に収容する努力の一環として放送の送信方法を研究し続ける方針が取られています。SCP-2137-2は以前の動作パターンを再開し、SCP-2137-1実例群も殺人者が法執行機関に発見されるまでその人物の犯行に焦点を当てるものとなりました。例外は、現時点で最も新しい財団への直接言及がある最後の一曲です。

SCP-2137が解決する犯罪との接続点やパターン、ならびにその能力を問題の犯罪者の追跡に使わず、代理人を介して行っている理由についての調査が進行中です。

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