SCP-2145
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-2145

オブジェクトクラス: Keter Neutralized Safe

特別収容プロトコル: SCP-2145-1、-2、および-3はサイト19の標準的なヒト型生物収容室に収容します。彼らは頻繁に自傷行為を試みるため、中~高レベル自殺リスクが検討されています。██████博士は、自傷が致命的になることは彼ら自身の異常性質によって防止されると推測していますが、これは -自殺の試みを完了まで進行させる以外の方法では- 検証が不可能です。心理的な健康状態のため、彼らは整形手術の手順を要求して受けることが認められています。手術は3ヶ月に1回以上のペースでは行われません。

SCP-2145-4の死体はサイト26の遺体安置冷凍室に収容されています。組織サンプルへのアクセスはO5レベルの職員2名から書面での許可が必要となります。

説明: SCP-2145は、異常な手段によってアメリカのシチュエーションコメディ”となりのサインフェルド”(1989-1998年放送)の主演キャストの正確な肉体的レプリカへと変質させられた3名の人物と、4人目の死体を指す総称です。彼らの出現は1998年前後であり、SCP-2145-1は俳優のジェリー・サインフェルド、SCP-2145-2はジェイソン・アレクサンダー、SCP-2145-3はマイケル・リチャーズ、SCP-2145-4はジュリア・ルイス=ドレイファスのそれぞれ正確なレプリカです。3名の生存しているSCP-2145個体は肉体的老化の外部兆候を(1998年時点のサインフェルド、アレクサンダー、リチャーズに見られるもの以外には)示さず、顕著な肉体的改造を施された場合は、改造の度合いに比例した速度で徐々に逆戻りしていきます5

回収ログ: 22回に及ぶ初期収容の試みがSCP-2145の異常効果の予期せぬ範囲によって挫折した後[文書2145-HL2から-HM-17を参照]、財団は世界オカルト連合と一時的な協力体制を結び、また連邦捜査局・異常事件課とも同様の関係を持ちました。この時、両組織はお互いが財団と協力関係にある事を認識していませんでした。この根本的理由は、異常存在を巡って競合関係にある2つの別々の組織と力を合わせる事によって、財団はSCP-2145による確率・行動・認知の操作から除外されるという考えに基づくものでした。成功の可能性を高めるために、財団職員はGOCおよびUIUエージェントとの接触の機会を意図的に制限され、両組織のエージェントが財団の調整役と相談することなく行動を取るように誘導しました。同様に、GOCとUIUのエージェントに提供される情報は、故意に幾つかの重要な詳細を編集した不完全な状態で提供され、両組織のエージェントがSCP-2145の異常性の正確な性質について間違った、および/または不完全な結論を出すように仕組まれていました。

2005年12月17日、GOCはオペレーション・フラミンゴを発動し、この作戦においてSCP-2145-1には"ヒヤシンス"、SCP-2145-2は"ケプラー"、SCP-2145-3は"グースベリー"、SCP-2145-4は"ニードルワーク"というコードネームがそれぞれ付与されました。これと直接競合する形でUIUのオペレーション・グースベリーが(同日に)発動しました。UIU側の作戦においてSCP-2145-1には"ニードルワーク"、SCP-2145-2は"フラミンゴ"、SCP-2145-3は"ヒヤシンス"、SCP-2145-4は"ケプラー"というコードネームがそれぞれ付与されました8

UIUは、SCP-2145が同時に影響を与えられる人数は限られていると(正確に)判断していました。そのためUIUのオペレーション・グースベリーは、群衆操作プロトコルを利用して市民暴動を起こす事を意図していました ‐ この根底には、暴動によってSCP-2145の異常性は処理能力を超えて無効化するであろうという憶測があり、これを以てSCP-2145の4体を強制的に分離、各々を保護という名目の下に逮捕できるという計画でした。一方のGOCは、SCP-2145のメンバーの中で真に異常と言えるのは1体のみであり、残る3体は共犯あるいは(後に判明したように)異常な手段で変質させられた不本意な犠牲者であると(こちらも正確に)判断していました。実体への直接行動は異常効果によって妨害されてしまうため、GOCのオペレーション・フラミンゴは、まずSCP-2145の異常な”リーダー”を、仲間の1体が惨たらしく殺害される場面に直面させて精神的に挫くことを意図していました。どちらの作戦も、SCP-2145の異常性による阻害を回避するために、二重盲検法を介して行われることになっていました。

2005年12月18日、オペレーション・グースベリーとオペレーション・フラミンゴは同時に実行されました。発生した市民暴動の渦中、UIU工作員との間に数多く引き起こされた誤情報伝達や衝突によって、GOC工作員は、SCP-2145のリーダーは恐らくSCP-2145-3であり、次いで-1、-2という結論に至りました。従ってSCP-2145-4は異常性の無い付き人であるという可能性が最も高いと判断され、暗殺対象として選択されました。GOCの狙撃手は、[編集済]と[編集済]の角にある28階建てオフィスビルの窓から、SCP-2145-4を他3体の目撃下で射殺することに成功しました。

SCP-2145-1、-2、-3は直後に昏倒し、UIUエージェントによって拘束された後、財団の勾留下へと引き渡されました。SCP-2145-4の死体もまた回収されました。-1、-2、-3へのインタビューは、その振舞いや演出法的分析とは対照的に、実際にはSCP-2145-4が彼らのリーダーだった事を示しています。検死分析により、SCP-2145-4の脳と神経系はマクロおよびミクロ構造の異常を抱えていたと判明しました。しかしながら、これらがどの程度SCP-2145-4の異常性質を引き起こしていたかについては、むしろ異常性質によって構造変化が引き起こされたという説に比べ、特に暗殺によるダメージを考慮すると精々が推論的なものでしかありません9

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