SCP-2188
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1972年、ウルグアイのモンテビデオで開かれた芸術家の集いにおけるエージェント エスキベル(一番右)とイスキエルド氏(右から二番目)。

アイテム番号: SCP-2188

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2188に関連する異常活動は1998年7月29日の時点で停止しました。警戒のための最小限の観察期間が2023年に満了するまで、SCP-2188はEuclid分類を保ちます。万が一SCP-2188が活動を再開した場合、職員は直ちにサイト41管理者と、セクターG変異現実型芸術作品研究コレクティブ(S-TARC)に通知して下さい。

この時点では、SCP-2188の封じ込めのために現地職員が必要とは判断されていませんが、エージェント ロベルト・エスキベルが特別退職後割当の一環としてアメリカ合衆国ネブラスカ州ドットソンに駐在しており、必要に応じて接触可能です。

説明: SCP-2188は、1名のウルグアイ人とアメリカ合衆国の1つの町の間に結ばれた異常な関係性です。この関係は、以下のもので構成されていました。

ホアキン・パブロ・イスキエルド・デ・サン・フェリペ: 一生を通して、主にウルグアイのモンテビデオに居住していた半・渡り労働者。イスキエルド氏は、ウルグアイのトレインタイトレス県にある無名の村で1943年に生まれたと考えられています。ウルグアイ当局が労働許可書を発行した1961年以前の彼に関する信頼できる文書は存在していません。

イスキエルド氏は1965年、生きたミナミキノボリヤマアラシをアルゼンチンに密輸しようとしてウルグアイ警察に逮捕された際に、ブエノスアイレス支部に拠点を置く財団職員の注目を集めました。これは、合衆国ネブラスカ州において”パフォーマンス・アート”の実演と称し、パートナーに自分の身体をヤマアラシの針で33回刺させながらタンゴを踊るという振舞いに及んだ人物に関するファイル報告と一致するものでした。

研究者たちによって、イスキエルド氏の行動が合衆国ネブラスカ州ドットソンの住人に与える因果関係が理解されると、幾つかの封じ込めの試みが行われました。観察と幾つかの実験により、イスキエルド氏が(時として彼の行動から論理的に予測される)深刻な危害から保護されて比較的正常な生活をすることができれば、ドットソンの住民たちの間に潜在的に有害な影響が広まるのを最小限に保ち、SCP-2188が公共知識となって広範に拡散するのを防げると判断されました。これに応じ、エージェント ロベルト・エスキベルが1967年にイスキエルド氏の秘密の監督者として割り当てられました。

その後数十年にわたり、イスキエルド氏はモンテビデオの様々なバリオ1を放浪し、恐らくは街の貧しい人々・孤児・ストリートアーティスト達との交流によって、優しい放浪者(そしてまた、有名な変人)として地域住民に知られるようになりました。エージェント エスキベルの取り組みや地域社会におけるイスキエルド氏の支持の間、封じ込めは1998年のイスキエルド氏の死まで保たれ、ドットソンの町に対する負の影響は最小限のものでした。

アメリカ合衆国ネブラスカ州ドットソン: 人口5137人2の農村コミュニティ。遅くとも1965年から1998年までにホアキン・パブロ・イスキエルド・デ・サン・フェリペの人生で起こった重要な出来事は、町の住民の精神状態に影響を与えました。この関係は1998年におけるイスキエルド氏の死によって停止したと思われます。

ドットソンの住民に対するイスキエルド氏の行動の影響は、主に芸術または創作活動への衝動という形を取りましたが、幾つかの作品の極端な性質は一時的な精神疾患の一種として分類する事も出来ました。イスキエルド氏の異常な影響力の結果、ドットソンの町では洗練された芸術的サブカルチャーが多数発生し、S-TARCの調査結果によると”匹敵する人口密集地や文化的地域に見出される創造的開発の基準線を大幅に超え”ているものでした3。このサブカルチャーは町の社会的慣習として植えつけられ、主流科学において文書化されている人類学的規範と一致する形式ではあるものの、イスキエルド氏の死後も進展が続いています。

SCP-2188はドットソンの人口の15~25%に影響を及ぼしたようです。中間報告書は遥かに多くの者が影響を受けていると示していましたが、1970年代のS-TARCの研究は、住民たちの芸術作品(急進的な性質のものを含む)への予想以上に高い受容性は、町で上昇した創作活動レベルへの曝露の結果として自然に齎されたものと判断しました。イスキエルド氏の異常な影響により、ドットソンは地元および国際的なメディアによって顕著に注目されましたが、SCP-2188の本質の発見は最小限のセキュリティリスクであると看做されました。このため、ドットソンに対する封じ込め手順は全く必要とは認められませんでした。

指令2188-03.17に従い、イスキエルド氏はドットソンの町の領域外2kmに位置するミスティ・ベール墓地に埋葬されています。

補遺2188.1 - エージェント ロベルト・エスキベルの報告書

研究者注: 1967年から1998年の間、エージェント ロベルト・エスキベルはSCP-2188封じ込めの主要起点としてウルグアイのモンテビデオに勤務した。エージェント エスキベルは、この期間に一連のレポートを提出した。これらのレポートの代表的なサンプルが記録目的でここに再現されている。エージェント エスキベルのレポートの完全な記録については補遺Aを参照のこと。

===SYSTEM NOTICE=== 職員による設定が参照され記録されました 一次資料をスペイン語から英語へ翻訳

フィールドレポート2188.1 - 自己紹介

日付: 1967年4月17日

概要: エージェント エスキベルは、調査監督者が設定した封じ込めの条件に従い、ホアキン・パブロ・イスキエルド・デ・サン・フェリペとの関係を確立する。これは将来的な接触を容易にし、対象との信頼関係を構築し、過度の害から対象を保護するための努力を可能とし、これによってドットソン住民のために相対的な正常性を確保する事を意図していた。

結果: アクションは成功する。

S-TARC関連作品リスト - FR2188.1
タイトル アーティスト メディア 説明
見知らぬ人とお茶を ウィリー・ジョン・リンカーン ブルース・ソング リンカーン氏によって”赤羽根酒場(Redfeather's Tavern)”にて始めて演じられた、アコースティックギターによる無伴奏演奏。
日の出: アポロ ジョン・グラウベール 壁画・油絵具 日の出を背景に竪琴を演奏するギリシャ神アポロの、高さ6mの絵画。グラウベール氏の雇用主が所有する納屋の側面に描かれた。
アララト山 レベッカ・ムーラッド 短編小説 激しい吹雪によって一緒に発掘現場に閉じ込められた、ノアの箱舟の証拠を探す考古学者2名に関する未発表の物語。2人の男、ロバートとポールは当初お互いを警戒するものの、生き残るために物資を共有する事を学んでいく。2人は両者とも豊富に持ち込んでいたお茶を分け合い、これは物語の〆の段落で重要な展開点となる。

フィールドレポート2188.4 - ラロの哀詩

日付: 1967年8月23日

概要: イスキエルド氏は、ラ・フィグリタのバリオへ使いに行く際、エージェント エスキベルの支援を要請する。

結果: エージェント エスキベルが軽傷を負う。民間人2名が非致死性武器で鎮圧された。

S-TARC関連作品リスト - FR2188.4
タイトル アーティスト メディア 説明
父ちゃんの胸像 カルヴィン・メディナ 彫刻(大理石) メキシコからの移動農場労働者である、メディナ氏の亡き父を象った胸像。フィールドレポート2188.4が提出された同日、メディナ氏はトラクター事故で重度の頭部外傷を負った。メディナ氏はごく普通に回復したが、彫刻に強い関心を持ち始め、この作品で関心は最高潮に達した。
インナーワールドへの案内人 キャロリン・ウォルシュ ダンス ドットソンのフリーメーソン・ホールにて、観客60人の前で演じられた。ウォルシュ女史はこれを、ダンテを地獄へと導くウェルギリウスの物質的表現であると述べた。ウォルシュ女史は上演前に少量のLSD摂取を観客に勧め、大部分がこれに従った。上演終了時、ウォルシュ女史は彼女を”襲う”よう観客に奨励。深刻な暴力行為は発生しなかったものの、現地当局の注意を引くのに十分な騒ぎが持ち上がった。ウォルシュ女史は上演後にドットソン警察に逮捕されたが、正式な起訴状は提出されなかった。
祖母なる月を偲んで ベス・ファイブウルブズ コマンチ族の医療儀式 / パフォーマンス・アート 他2名の助けを借り、ファイブウルブズ女史は南グランジ大通りに”月の通り道”を印すために、伝統的なコマンチ族の葬祭の慣習に基づく儀式を行い、午後の交通を混乱させた。ダンス・詠唱・儀式的なタバコの使用・および他の一連の活動から成るこの儀式は2時間続き、この間運転手たちはパフォーマンスの様々な部分に参加するため車を離れた。

フィールドレポート2188.15 - 聖母の篝火

日付: 1976年11月14日

概要: エージェント エスキベルは、伝統的なウルグアイの”三十三の聖母”4崇拝の一環として、フロリダ州の大聖堂への巡礼にイスキエルド氏を伴う。

結果: アメリカ合衆国とウルグアイの間に国際的事件が勃発。財団外務部門は2国間の解決を交渉し、持続的な反響は残らなかった。

S-TARC関連作品リスト - FR2188.15
タイトル アーティスト メディア 説明
苦しみと啓蒙の三十三の詩 ゼルダ・ヒューズ ドットソンの繁華街にあるダスティ・クロスロード・コーヒーハウスで毎週月曜の夜に朗読された、33の別々の詩を収録した本。大義に仕える事による犠牲と、その結果としての個人的な苦悩のテーマが様々な点に見られる。
ティック・クアン・ドックの三度の焼身 スティーブン・F・ブラドック 小説 南ベトナム政府の政策に対する抗議の形として焼身自殺したことで広く知られている仏僧、ティック・クアン・ドックに関する自費出版小説。内容は、最初の焼身自殺を遂げた後に生まれ変わり、前世の記憶を持ったままに同じ人生を歩むクアン・ドック氏の物語である。物語は、ストーリーの過程で大きく異なるが最終的には常に同じく焼身自殺へ至る彼の行いに対する、クアン・ドック氏の様々な自己正当化で構成されている。
石の心から来たるマナ フランシス・アバナシー牧師 宗教的説教5 町で最大の教会の指導者による、極めて風変わりな説教。集められた会衆に対し、身元不明の浮浪者が埋葬されている屋外の墓地で行われた。アバナシー師の語った話は”トピーカの聖アウグストゥス”という、キリスト教神学において今日まで知られていない宗教的な人物に関するものであった。話は当時のCIA長官であったジョージ・H・W・ブッシュについての寓話の形式を取っており、アバナシー師は、暴力と破壊が伴う行為を必要不可欠なものと考えて常にのめり込んでいた非情で強大な男は、神秘的な”炎の精霊による試し”を受けて全く違う魂へと生まれ変わり、その身を虐げられた者への寛容さと奉仕に捧げるようになったと述べた。アバナシー師はその後、会衆が集められた墓に埋葬されている浮浪者を称賛し、自分だけが彼の素性と成した事を知っているが、両方とも秘密のままに保つと彼が死ぬ前に誓ったのだと主張した。

フィールドレポート2188.31 - 家で過ごす静かな1日

日付: 1987年8月28日

概要: イスキエルド氏は知人の家でサッカーの試合を見るのにエージェント エスキベルを誘う。

結果: SCP-2188封じ込めの準違反。

S-TARC関連作品リスト - FR2188.31
タイトル アーティスト メディア 説明
すべてがかたられおこなわれたときわたしがもっているすべてのものはあなたとわたしとあなたです モリー・H・R・エレヴァン 実験的散文 ナレーターとその親しい仲間の経験に関する、一人称視点の語りからなる緩く構造化された物語。これに、語り手とその仲間の生活に影響を与えている単一の不明瞭な出来事を異なる視点から見た物と思われる一連の自由詩が続く。物語には幾つかの歌が点在している。エレヴァン女史により、ドットソン・ハーベスト集会場の美術工芸部で朗読された。
ブラザーズ・マン ジョージ・ヒルソング ビデオ・プレゼンテーション 3台のテレビモニターを通してヒルソング氏が語る、事前に記録された独白。ヒルソング氏は、メイクや人工装具の着用により、各モニター間で著しく見た目が異なる。独白はアイデンティティの性質についての黙想で構成されており、ウルグアイのスポーツクラブ、ディフェンソールとレンティスタスの試合映像が恐らくはランダムに散在している。ドットソン・ユニオン高校における、毎月のアート・フェスティバルで発表された。
俺には8つの顔がある ザ・フェーディング・スカイ ロックアルバム ドットソンを本拠地とするロックンロールバンド、”ザ・フェーディング・スカイ”のマイナーレーベル・リリース。バンドのトレードマークとして知られる、ポスト・ニューウェーブ的なスローテンポの重厚なシンセサイザー音の発展が続いている。8トラック構成で、そのほとんどは微妙なパンクロックの影響を特色としている。第8トラックには、”火影”終了の3分30秒後に開始する追加の曲が含まれており、この9番目の曲は日本でリリースされたレアアルバムには”パブロは彼自身に囲まれて”という題でリスト化されている。

フィールドレポート2188.48 - 別れの言葉

日付: 1998年7月29日

概要: エージェント エスキベルはイスキエルド氏の要請を受け、モンテビデオ、パルケ・アトジェのバリオにあるクリーニカス病院を訪れる。イスキエルド氏は前月に、膵臓癌の先進事例のため入院していた。エージェント エスキベルは現地時間03:15に到着する。

結果: SCP-2188の停止。

S-TARC関連作品リスト - FR2188.48
タイトル アーティスト メディア 説明
追憶のマーチ ドットソンの住民 マルチメディア 1998年の8月初頭に、数日間にわたって行われたイベント。ドットソンの地元ボーイスカウトの隊長であるローランド・ニゴールの提案で、住民たちはボーイスカウトのメンバーたちから自発的に、昨年喪ったものを記念してはどうかと求められた。何千人もの人々が無数の歌・絵画・物語・彫刻・その他の作品でこれに答えた。町議会に置いて、住人たちは集まった芸術作品を、近くのミスティ・ベール墓地にある未活用の納骨室に置くことを決定。”町境線の儀仗兵”を名乗る18人の住民で結成されたその時限りのマーチングバンドに率いられて、ドットソンの全住民がパレードを形成し、町の中心部からミスティ・ベール墓地へと様々な作品を運んだ。作品は納骨室に配置され、墓地で音楽・芸術的スキルのコンテスト・そして少なくとも147件の亡き家族や友人への文書化された賛辞を特色とする即席の集まりが開かれた。

補遺2188.2 - 将来的収容指令

指令2188-03.17

1998年10月13日

既知の異常現象の再開の可能性を最小限に抑えるため、リスク軽減策としてPOI 2188-A(ホアキン・パブロ・イスキエルド・デ・サン・フェリペ)の遺体を、合衆国における以前の異常性発現地点に密かに埋葬するべきという、フィールドエージェント ロベルト・エスキベルの勧告を承認する。

さらに、エージェント エスキベルはこの指令により、モンテビデオ・フィールド事務所(サイト87)から、S-TARCによってドットソン近傍に確立された活動基部(サイト41)へと転勤になる。エージェント エスキベルは、ドットソンの芸術的サブカルチャーの継続的な発展を文書化・分析することでS-TARCを支援する新しい割当業務を開始する。

最後に、SCP-2188の成功裏に終わった封じ込めへの31年に及ぶ奉仕のために、またドットソンおよびその他における人類文明の保護への継続的献身のために、私は個人的にエージェント エスキベルを賞賛する。POI 2188-Aの遺産に関する彼の今後の研究は、人類の利益のためにも継続できるだろう。

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