SCP-2198
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2007/██/██、写真家の████ ███████-████████によって意図せず撮影されたSCP-2198。SCP-2198は左側に写っているが、急速に消散しつつある。

アイテム番号: SCP-2198

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 前哨基地93-A、-B、-Cが、南極にあるSCP-2198の元々の出現地点直下に建設されています。SCP-2198の将来的な実例が形成される可能性はほぼ無いと考えられますが、当該エリアは地上の前記前哨基地群と空中の静止衛星を介して継続的に監視しなければいけません。

SCP-2198を介して現れる涙液および唾液は、限られた量をサンプルとして収集し、保管サイト-109の独立した収容容器に保管するものとします。

説明: SCP-2198は、2006/██/██から2007/██/██にかけて、南極圏の真上、および中国・インド・アメリカ・イギリス・ロシア・日本・韓国の限られた地域に形成される様子が観察された乱層雲の集合的な指定名称です。発生以降、全てのSCP-2198実例は消散しています。

南極大陸の大半を覆うように形成された最大のSCP-2198実例は、凍結したヒトの涙液(口語的には“涙”と呼ばれる)を降らせる様子が観測されていました。このSCP-2198実例の基本的な形状は、同エリアの上にあるオゾンホールの形状と直接相関するように思われたことには留意すべきです。

上記の国々の上に形成されたSCP-2198の二次的実例は、ヒトの唾液を56km/h以上の平均速度で降らせる様子が観測されていました。SCP-2198二次的実例の体積は200m3を超えず、出現地点は例外なく消火器・エアーコンディショナー・溶剤・エアロゾルなどを製造する工場の上空でした。

SCP-2198二次的実例の発見後、直下に存在する工場もまた特定されました。問題の産業部門を隔離し、可能な限り唾液の痕跡を浄化し、状況に応じてクラスA~Cの記憶処理を施すために、複数の共同機動部隊が選択的に指名されました。限られた量の涙液を採取するため、SCP-2198最大実例からの降雨がまだ続いていた南極で同様の措置が実施されました ― 流体が細かい雹の形で降り注ぐ結果、氷に衝突して完全に粉砕消滅するか、大部分が周辺の雪に溶け込んでしまうために、採取は然程成功したとは言えませんでした。

分析によって、保存された唾液・涙液の試料には███,███名を越える人物のDNAが含まれることが判明しました。DNA指紋データは、このようにして特定された人物の97%が既に死亡しており、現存する遺書はこれら対象者の死因の92%が2007/██/██の致命的自傷行為であることを確証もしくは示唆しています。上述の通りサンプルは部分的に喪失しているため、特定可能な人物の総数を確かめることは出来ません。他の2%の人物は失踪が確認されています。最後の1%は身分・居場所を特定されていますが、大半の人物はまだ財団からのアプローチを受けていません(補遺を参照)。

補遺: 以下は、収集サンプルから最初に特定された存命中の人物、█████ ██████へのインタビューの転写です。

質問者: H・ハムリン上級研究員
回答者: █████ ██████

<記録開始>

H・ハムリン上級研究員: こちらに見覚えはありますか?

ハムリン研究員は、雲の形状と南極上空における拡散状況を詳述したSCP-2198最大実例の図解表現を出す。

█████ ██████: オゾン層に空いてる穴の写真だろ。俺に分かるのはそれだけだ。

H・ハムリン上級研究員: 以下に挙げる名称には覚えがありますか? ― [編集済]。[編集済]工業団地。[編集済]・スクエア・ワークス。

[煩雑な転写部分を編集済]

█████ ██████: いいや。そんな名前には一切心当たりがないね。

H・ハムリン上級研究員: 貴方にはオゾン層の破壊、南極、クロロフルオロカーボン・ハイドロフルオロカーボン・ハロンを含む商品の製造に対する関心や関連する専門知識がありますか?

█████ ██████: いや、全く。言っただろ、俺は[編集済]。そいつは俺の仕事分野じゃないんだ。

H・ハムリン上級研究員: 今まで臨床試験に参加したことはありますか? もしくは血液・血小板・骨髄・精子・臓器の提供を、完全にはその必要理由を明らかにしていない団体に行ったことは?

█████ ██████: いいや。

H・ハムリン上級研究員: 貴方は最近、一般の範疇を離れる何らかの目的で意図的に泣いたり、唾液を出すように求められましたか?

█████ ██████: いいや。

H・ハムリン上級研究員: 定期的に唾を吐いたり泣いたりしてらっしゃるとか?

█████ ██████: いや、無論そんなことは無いさ。

<記録終了>

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