アイテム番号: SCP-2204
Anomalyクラス: Safe
研究プロトコル: SCP-2204はケンタッキー州オークグローヴの町に限定されており、特に収容プロトコルを必要としていません。SCP-2204-Aは、異常な活動や暮らしの中での異常な変化を監視します。この目的のため、エージェント1名がトリプル・スレットのマネージャーの地位を保ちます。
SCP-2204-A-1から-3までの母親はSCP-2204-Aの異常性質について通知されており(職員は合衆国政府のために働いているように装っています)、これまでの所は研究支援に協力的です。
SCP-2204に関連する全ての文書は前哨基地2204-Aに保管します。研究職員は、少なくとも月に一回、SCP-2204関連文書を読んで再理解を行ってください。
説明: SCP-2204はSCP-2204-AとSCP-2204-Bを取り巻く異常な現象です。SCP-2204-Aは、ケンタッキー州の町・オークグローヴに住んでいる、本稿執筆現在17~24歳の思春期の人間男性5名です。
- SCP-2204-A-1:マーティン・アルバレス、19歳。
- SCP-2204-A-2:マシュー・”マット”・アルバレス、22歳。
- SCP-2204-A-3:マイケル・アルバレス、22歳。
- SCP-2204-A-4:ジェローム・トロイヤー、24歳。
- SCP-2204-A-5:オースティン・ベタンクール、17歳。
SCP-2204-A-1、-2、-3は兄弟であり、-2と-3は二卵性双生児です。彼ら自身あるいは個々人には特に危険性がありません。
SCP-2204-Bは、SCP-2204-Aが個別あるいは協力して作成する、作品やコミュニケーションを指します。
SCP-2204-A、SCP-2204-B、および彼らに関する全情報は、ケンタッキー州オークグローヴの町を離れることができません。
- 物理的オブジェクト(例として、SCP-2204-A自身やSCP-2204-Bを収録したメディアなど)は、オークグローヴの境界に達すると消失し、町の境界内にある何処か適切な場所に再出現します。
- オークグローヴの境界線外からSCP-2204を見る観察者は、蜃気楼のような効果を経験し、問題の情報や実体を認識できなくなります。音にも同様の効果が、認識できないレベルまで歪むという形で発生します。この効果は人間観察と記録装置の両方で発生し、SCP-2204の予備知識を持たない人物が異常性に気付くことは滅多に有りません。
- オークグローヴを離れた人物は即座にSCP-2204に関する全情報を忘却し、全ての適切な記憶は、SCP-2204を含まない一貫した筋書きを伴う、違う存在へと置換されます。この効果は典型的には、影響された人物の経験に基づく記憶材料を置換対象として呼び出します。この効果はオークグローヴに戻ると逆転します。
- SCP-2204-BまたはSCP-2204-B関連データをオークグローヴの外部に電子的に送信する試みは、送信器または受信器の不調で通信が妨害される結果を招きます。故障の理由は様々ですが、エラーメッセージは全て”Groovy, baby!”(「イカしてるぜ、ベイビー!」)に置換されます。
どの程度の情報からオークグローヴを離れられなくなるかの正確なパラメータは不明です。非常に限られた情報のみがSCP財団全体との間に通信されています ― メインSCPデータベースのSCP-2204主要文書を参照してください。
SCP-2204は、SCP-2204の異常性質発現を観測した、または異常性質に関する情報に曝露した人物に対して、二次的な認識災害効果を発揮します。5~7週間ほどで、影響を受けた人物はSCP-2204の異常性質に関心を示さなくなり、典型的には彼らが特異であることを考慮したうえで(そして幾つかの例では超自然的な資質を示しているようだと認めたうえで)、それでも注目には値しないと判断します。9週間が経つと、対象者はSCP-2204の異常効果を誘発する行動を自主的には起こさなくなります。
これらの認識災害効果は、この文書のようなSCP-2204の異常性質に注意を喚起する情報へ定期的に曝露すれば発散されます。効果は、オークグローヴの現住者やトリプル・スレットの楽曲を楽しんでいる対象者の場合、逆転することが実質上より困難になります。
SCP-2204-Aのメンバーは共にヒップホップ・グループ ”トリプル・スレット”を組んでおり、SCP-2204-A-1および-4が演奏、SCP-2204-A-2および-3が作詩とボーカル、SCP-2204-A-5がDJを担当しています。グループはこれまでにミックステープ2本(Spy vs. Spy および JAGUAR)とセルフタイトル・アルバム1枚を発表しています。高品質の音楽と絶賛されているライブショーのため、トリプル・スレットはオークグローヴの市民達の間では人気があります。
SCP-2204の異常特性が最初に発現したのは、SCP-2204-A-1から-3までが作曲を始め、自らを”トリプル・スレット”と呼び始めた2009年の何処かだと考えられています。三兄弟の長年の親友であるSCP-2204-A-4と-5は2012年にメンバーに加わり、その後SCP-2204の異常特性の対象になりました。
SCP-2204は2014年に人間関係の縺れと音楽性の違いからトリプル・スレットが一時解散していた時期も異常性質を保持し続けました。このため、SCP-2204の異常特性は、トリプル・スレットが発生のきっかけであると思われる一方で、その存在とは無関係らしいと推定されています。
SCP-2204は2013年に偶然発見されました。財団の大部分はSCP-2204の性質について完全に無知の状態ですが、反ミーム部門の助言の下、前哨2204-Aの要求に応じて収容試行のための資金と職員を提供し続けてくれています。
補遺: SCP-2204主任研究者、バヴィッツ博士の覚え書き
SCP-2204は、恐らく貴方も今は気付いているでしょうが、自己収容しています。これを”外部の世界”が知る可能性は事実上ゼロ。オークグローヴの人口は、あらゆる重要な面において完全に正常な生活を続けています。これらがすぐに変化することを示唆するようなものは何もありません。
ここで私達が何をやっているのか財団が知ったら、もう資金提供は望めないでしょう。どこか他の場所の方が貴方の才能を生かせると、あるいはこの様な形で財団を欺く事は何かしら不道徳だと考えているのなら、転任要求を出してくれて結構 ― 貴方が秘密を暴露する事を恐れてはいませんよ、当然。しかし、ひとつ言わせて頂きたい。この割当業務は低リスクですし、自分でも記憶できないほど記憶処理を受けたりする必要が無いぶん、健康的にも感じられるでしょう。少なくとも、私はそういう風に思っています。
我々の研究はSCP-2204-Aの利益のために行われています。ここに駐在している私達は、SCP-2204が彼らに不当な制限を課しており、私達の研究は彼らがより正常に生活を送れるようにする方法を見つけ出す事が可能だと信じています。彼らは自分たちが何を奪われているか知らないかもしれない、しかしそれでも成すべきことは変わりません。世界から幾つかの素晴らしい音楽が奪われている事は言うまでもありません。
貴方がここに来てくれて嬉しいですよ。