SCP-222-JP
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SCP-222-JPが地面から現れる瞬間を撮った写真

アイテム番号: SCP-222-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-222-JPは、サイト██の隅の1.5mの防音壁構造で囲われた標準的な動物SCP収容用の部屋に収容されます。許可を得ていない限りSCP-222-JPの収容室より半径20m以内には、飼育係のDクラス職員と関係者以外は立ち入る事は出来ません。SCP-222-JPにはGPS機能を付けたSCP-222-JPの持ち物の首輪を常時嵌めさせ、SCP-222-JPが『通り過ぎた』際にも居場所が特定出来るようにして下さい。また、SCP-222-JPの収容室にはスピーカーや放送機等を設置してはいけません。世話用のロボットアームの設置も、SCP-222-JPの性質上推奨されません。SCP-222-JPの収容室は、常時カメラで監視をし続けて下さい。

SCP-222-JPの世話をするDクラス職員には、防音機能の付いた無線用マスクの装着が義務付けられます。20██/█6/██の事故からこの収容方法は変更され、SCP-222-JPへの新たな実験も停止される事になりました。詳しくは事件記録SCP-222-JP-aを参照してください。
SCP-222-JPの世話をする際に用いられるDクラス職員には、出来る限り発声障害を持った者が選ばれます。発声障害の無いDクラス職員には発声をさせない暗示を掛けて下さい。職員がSCP-222-JPの影響を受けてしまった場合には即座に無力化ガスを部屋に流し、被影響者を拘束した後にAクラスの記憶処理を施して下さい。

説明: SCP-222-JPは黒首輪が着けられ、黒い毛並と金の瞳を持った雄の幼体のイエネコです。首輪は発見時から装着されており、発見時のSCP-222-JPの体重は約1.1kgで、体重は██年経った今でもほぼ変化していません。SCP-222-JPは人間好きな性格で、暫くの間人間と一般的な交流を摂っていないと、動物によく見られるストレス性の病気を発症してしまいます。病状のまま放置しておくと、SCP-222-JPがSCPとしての性質を発揮した時に予期せぬ結果を生み出す事が多々あります。
SCP-222-JPは20██/██/█2に██県の███湾█████倉庫で、拳銃で口から脳髄を撃ち抜かれた2つの指定暴力団、██組と██組の構成員の死体と、辺りに散らされた使用痕跡のある麻薬と高額紙幣と共に、地元の警察により発見されました。現場の警察が大声で事件現場の概要を同僚と伝え合っていた所、SCP-222-JPは地面に溶け、警官達の前に現れて鳴きながら通り過ぎていったようです。勿論警官達は影響を受け、概要確認もそこそこに現場検証を終了する『妥協』をしてしまいました。この事件より異常を確認した財団により、20██/██/█6に同県の[編集済]でSCP-222-JPの捕獲が行われました。しかし、初期はまだSCP-222-JPの性質について判明していなかった為に、エージェント達はSCPではない黒猫を持って帰るという『妥協』を犯してしまいました。次の捕獲作戦で[編集済]でSCP-222-JPは捕獲されました。
ヤクザ共は…剣呑な雰囲気で麻薬取引をしてて、どこかで爆発したのかな。そこにあの猫奴が通りがかって「みんな死のう!麻薬はたのしく使おう!」ってなったのか?―██博士

SCP-222-JPは、半径10m以内で複数人が約70dB以上の声量で言い合っている事を知覚すると近くの『地面から出現』し、良く通る声で一度鳴きながら、言い合っている人々の間を通り過ぎます。ついで鳴き声を聞いた人々は、言い合っていた議題に対し、通常なら立場や状況等の上から納得出来ない条件で双方『妥協』し、妥協案をお互い実行/認知し合います。この時第三者が実行を阻止しても、被影響者は異常な膂力で抵抗し遂行しようとします。この精神的汚染はAクラスの記憶処理で取り除ける事が明らかになっています。SCP-222-JPが地面から現れる際には、元の場所に居たSCP-222-JPは、好みで着けている装飾品以外をその場に残して、まるで液体のように地面に溶け込んで消えます。複数のグループ達に分かれて人々が言い合っている場合には、SCP-222-JPは地面からグループの数分複数出現し、グループの間を通り抜け影響を与える事が20██/█3/██の実験により明らかになりました。その後SCP-222-JP達は一体以外の全員が地面に溶けて消えます。

また、SCP-222-JPは██年前に確保されたにも関わらず、未だ成体になる兆を見せません。何らかの方法により無線機等から発せられる音声の無線電波等を傍受し、内容を知覚した上で電波の発生源達が10m以内であればそこを『通り過ぎる』性質がある事が、20██/█6/██に発生した事故から明らかになりました。

補遺1:
実験記録222-█ - 日付20██/█3/██

対象:2人1組のDクラス×3
実施方法:SCP-222-JPの収容室にスピーカーを繋げ、付近の一室で1つ1つのグループに[編集済]はどうやったらもっと住みやすい所に成るのか議論させ、それを収容室に流します。
結果:収容室内のSCP-222-JPは地面に溶けて消えました。それと同時に3つのグループの元にそれぞれ1体ずつ出現し、鳴いてから通り過ぎた後に1体を残し地面に溶けました。その時GPSから、対応する座標に3つ反応があった後2つの反応が失せた事を確認しました。また、Dクラスのグループは全員その場で即座に自殺を試みて、█名への措置が間に合わず死亡しました。SCP-222-JPが現れた当時、Dクラス達は社会のネガティヴな面について話し合っていました。
分析:ビーコンが3つ対応する座標に点いていた事から、SCP-222-JPは『分身』している事が明らかになりました。また、分身した後の個体は1体以外消滅するので拡散の虞は無いと思われます。
メモ:社会のネガティヴな面について話し合っている所を妥協させたら首つりとは…見たくなければ死ねば良いって事か?あの猫奴には、感情と決断を急がせるような性質もあるんじゃないかねぇ。それが妥協か。―██博士

実験記録222-█ - 日付20██/█4/██

対象:D-2945とD-2946
実施方法:無線機を持たせたD-2945をSCP-222-JPの収容室の中に配置し、D-2945の持つ物に繋がる無線機を持たせたD-2946を、10m以上離れた付近の一室に設置して両方とも大声でコミュニケーションを執らせます。議題は何でも可。
結果:SCP-222-JPは一瞬動揺している様を見せましたが、直ぐに地面に溶け込みD-2945の元に出現し、一度弱弱しく鳴いてから通り過ぎました。するとD-2945は急に、何かを実行しかけて途中で止める動作を連続して繰り返し、2分45秒後に動作を止めました。記憶処理を施しても、D-2945は正気に戻りませんでした。D-2946には特に影響はありませんでした。
分析:SCP-222-JPが混乱しながら、彼の特異な性質を発現させたのが原因と思われます。この実験は、SCP-222-JPを無暗に妙な実験に使わせないべき事実を提示しています。
メモ:ふむ、この猫奴にも対応できない事象、状況は存在するみたいだな。そこを突いたら何を妥協させたらいいか分からなくなって、酷い目に遭わせるみたいだが。―██博士

補遺2:

事件記録SCP-222-JP-a:

日付:20██/█6/██
場所:サイト██のSCP-222-JP収容室
概要:防音マスクを付けたD-7251がSCP-222-JPに与えるエサを用意している途中に私語をし、傍受していた職員の静止を振り切り、財団を出た後何をするか大声で話しました。すると大音量が籠められた無線機の電波を感知したSCP-222-JPが地面に溶け、再度地面から現れてDクラスの股の間を通り過ぎました。Dクラスはその後、[編集済]を行った後、死亡しました。
分析:D-7251には剥離病の気が有り、悪質な性犯罪からDクラスへと転用された事が[編集済]の原因と言われています。この事件以降、SCP-222-JPの世話に用いられるDクラスは発声障害持ちが好ましくなり、そしてこの事件を切欠に、██博士の要請とO5の承認によりSCP-222-JPを扱った実験は停止される事になりました。
メモ:奴には謂わば自然の力がある…「こうなる」と思っていても「ああなる」事が多々あるんだ。後もう少しでDクラスの『収容違反』が起こる所だったんだぞ?―██博士

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