SCP-223-JP
評価: +33+x
ヘリコプター2.jpg

不活性状態のSCP-223-JP-1群。(S-1-B群)

yosh0123-heli1・ヘリコプター1.jpg

活性化状態のSCP-223-JP-1群。上昇中。

アイテム番号: SCP-223-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-223-JPの完全な収容は成されていません。SCP-223-JPの影響を受けたと見られる飛行物体(SCP-223-JP-1)の発見があった場合、ヘリコプターを使用して追跡および誘導を行い、近隣の指定地点にSCP-223-JP-1を誘導します。飛行状態のSCP-223-JP-1は目視が難しいため、レーダー機能かサーモグラフィを使用してください。SCP-223-JPは接近する飛行物体から離れようとする性質を持つため、誘導の際にはこの性質を利用します。

SCP-223-JP-1が着陸後、不活性状態になったと判断した時点で回収を行ってください。SCP-223-JP-1同士が接触し、墜落事故が発生した場合も、それらの機体を回収します。回収されたSCP-223-JP-1はサイト-8123に移送され、標準収容コンテナに収容されます。墜落事故が発生していた場合は、現場の判断により適切なカバースト―リーを適応し、処理を行ってください。SCP-223-JP-1の発生源が特定できた場合、カバーストーリー「不発弾の処理」を適応し、巣を周囲ごと確保後、サイト-8123へ移送してください。確保された巣は常に観察し、SCP-223-JPの発生に備えてください。

説明: SCP-223-JPはアリに発生する異常現象です。財団が確認する限り、そのほとんどはクロオオアリ(学名:Camponotus japonicus)の「結婚飛行1」時に発生することが分かっています。SCP-223-JPは主に5月に発生し、同月中1回-3回発生したケースが確認されています。また、降雨量が少ない場合は発生しないことが多く、降雨がSCP-223-JPの発生頻度にかかわっているのではないかと考えられています。

SCP-223-JPの影響を受けたクロオオアリの巣では、本来の結婚飛行とは異なり2、新女王1個体とオスアリが数匹出現します。それらは飛翔後、SCP-223-JP-1に変化します。(以下、S-1と簡略化して表記。女王アリはS-1-A,オスアリはS-1-Bと記述)。S-1は自律して活動する回転翼式航空機(ヘリコプター)です。S-1の外見、機種は多様であり、同種の機体が見られることは稀です。S-1は無人での飛行を行いますが、構成する物質に異常な性質は見られず、通常に販売された既知の機種であることも少なくありません。

S-1は2機から6機程に同時に出現し、出現したS-1群は離陸後に200mから300m程上昇後、上空で編隊飛行を行います。上空に存在するS-1群は未知の効果により光学迷彩に似た状態になっており、周囲からの目視は困難になります。また、S-1以外の航空機から離れるように飛行する性質があるため、財団ヘリの接近によってS-1の飛行経路をある程度誘導することが可能です。

S-1群は編隊飛行中、特徴的な行動をとります。その行動は、女王アリが変化したS-1(S-1-A)に、オスアリが変化したS-1機体(S-1-B)が接近を行おうとするものです。この接近行動の際、しばしばS-1-B同士の接触が起こり、墜落の事故が発生する場合もあります。編隊飛行は10分から15分程度継続され、最終的にS-1-Bの1機とS-1-Aの2機体のみが並んで編隊飛行状態となります。他のS-1-B群は大きく速度を落とし、2機体から離れると着陸を行い、急速に不活性状態となります。

残った2機のS-1は5分ほど並行した編隊飛行を継続した後、障害物のない開けた地点で着陸を行い、通常のクロオオアリの新女王とオスアリに再度変化します。オスアリはその後死亡し、新女王アリは通常のクロオオアリと同じく、羽を落とした後、営巣行動を始めます。これらの行動にはなんら不自然なものは見られず、自然状態のクロオオアリと同じようにふるまうものです。

不活性状態となったS-1群の再活性化は未確認です。通常のヘリコプターとしても使用が可能であり、異常性は見られません。現在、回収されたS-1群についての研究がおこなわれていますが、光学迷彩効果を生み出す機構については不明です。

SCP-223-JPは2000年に広島県で公園や山内といった奇妙な場所でのヘリコプターの離陸や、無人での墜落事故、着陸後の消失といった事案が発生したことが財団の興味を引き、調査によって発見されました。確保された巣からの再発生を含め、現在までに12件の発生が確認されています。20██年現在、いくつかのS-1-A専用営巣地点とS-1-B群着陸地点を財団が確保しており、SCP-223-JPが発生次第、S-1を誘導する指示が出されています。

補遺: 20██年4月11日、南米アマゾン川流域の[編集済み]にて10機以上のAH-64の離陸が確認されました。周辺地域に同機種運用国の基地が存在しないため、S-1-Bに変化したグンタイアリ亜科の雄3ではないかと推測され、20██年現在、財団のアメリカ支部が調査中です。クロオオアリ以外でS-1化した唯一のケースであり、日本支部でも研究が進められています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。