URA-9611
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eroded_torso.jpg

URA-9611の影響を受けた物体。対象01/02もしくは01/05を描写したものと思われる。

URA-9611、収集記録
1997/12/06


概要: 未登録異常#9611に関する全ての収集記録の照合。これらは収容をより容易にすべく、当該異常の効果を活性化させずに情報を記録するため集められたものである。

第1項:

URA-9611は現在、その本質的な異常特性によって自己収容状態にあります。更なる異常性が発現した場合、収容の義務は財団対抗概念部門へと引き渡されます。抽象的兵器や情報災害の収容/消去に応用できる可能性があるため、研究は現在O5-██(現時点でレベル5/2235クリアランスを有する唯一の人物)が主導しています。

この文書の劣化を防止するため、コピーが3ヶ月ごとにレベル4/2235クリアランスを有する研究員の下へ自動転送されます。受信者は文書の内容を記憶し、オリジナルのファイルを削除し、当該異常への受信者なりの理解に基づいて書き直します。その後、文章内に埋め込まれた忘却ミームエージェントが作動し、この出来事の記憶は全て消去されます。報酬として、これらの手順が完了した時点で、少額の金銭が自動化されたサーバーによって受信者の個人財団口座へ振り込まれます。

未登録異常の文書記録が、全ての職員が容易にアクセスできるような形式に標準化/形式化された場合は、関連する研究者の裁量で、2番目に使用頻度の少ないユビキタスフォーマットが代わりに選択されます。


第2項:

URA-9611、旧称SCP-2235は、数多くの歴史的人物のデータに影響する強力な物質情報災害1です。これらの人物(一貫性のためにクラス-01対象とする)やURA-9611自体2に関する情報を保管された非有機的媒体は、自発的な変化および/または急激な劣化のプロセスを受けます。これが発生する速度は、明らかに以下3点の主要な要素に比例しています。

  1. 略式的な観察者に対する情報の公開度。公共区域や旅行者の多い場所に配置されている文書や物体が最も強い影響を受けますが、多数の人物が容易にアクセスできるメディア形式は影響力の悪化に十分です。この理由から、一度にレベル4/2235クリアランスを割り当てられる職員は、乱数ジェネレータと容認できる候補者リストから選択されたごく少数のみです。
  2. 情報の明確さと正確さ、並びに伝達手段の事前知識を有する対象者の数。制御下の実験において、全世界のネイティブスピーカーが1,000人未満である言語や、アルカイオス風韻文などの曖昧な記述形式は、10時間以内に殆どないし全く劣化を示しませんでした。このような手段は未収容である情報災害異常の公式記録としては不適切であることから、概ね未使用であるURAフォーマットが記録維持のために選択されました — 詳細は第1項を参照。
  3. 媒体に予測される耐久性/寿命。これがどのように断定されるかは不明確ですが、石や非反応性金属などの物質は、紙やキャンバスなどを遥かに上回る腐食速度を示します。この特性から導き出せる結果として、近い将来に当該情報を破壊する意図を込めれば、影響の停止(或いは少なくとも緩和)には十分であると考えられます — 従って、勿論、第1項に詳述されたプロトコルに組み込まれています。

有機的な保存手段(すなわち脳組織)は、同じ形式で劣化することはありませんが、選択的な逆行性健忘症を経験します。URA-9611とクラス01対象の両方に関する直接的な記憶は、およそ2ヶ月かけて全て失われます(個人ごとに差異あり)。当該異常現象は現時点で24人以上のクラス01対象に影響を及ぼしていると考えられていますが、より多くのクラス01対象がある時点で歴史から完全に抹消された可能性があります。


追加資料:

以下は既知のクラス01対象の抜粋記録です。URA-961の性質上、ある程度分かりやすさが失われていると予想されます。

名前/指定番号 存在した年代 収集された情報 存在の証拠
対象01/05、“タムフィティス エジプト第4王朝、~紀元前2500年 ゼロに近い。ファラオであり、恐らくはシェプスセスカフとケンタカウエス1世の子だったと判明している。幾つかの激しい戦争の切欠になったようだが、その詳細は不明。現代の情報源においては架空の存在か、歴史的な記録上から抹消された僭主と見做されている。 特定の断片化した石板や彫刻においてさりげなく言及されている。01/05の可能性がある複数の像(添付画像参照)が発見されているものの、曖昧な顔の類似性と、部分的に腐食したヒエログリフ以外の決定的繋がりは無い。埋葬地と想定される場所の発掘で決定的な結果は得られていない。
対象01/07、“αντίγρα”、“アンティグラ 不明、恐らく古代ギリシャに存在 意図不明の神聖な人物、もしくはその治世において神格化されていた知名度の低い統治者。ギリシャ語の“αντιγράψω”、“複写する”との繋がりを持つ可能性あり。 歴史的な発掘現場で発見された1基の祭壇と、数点のモザイク画 — 現代アテネの外部にある寺院の遺跡も、文献の完全な欠如と全ての人物像の腐食ゆえに注目に値する。01/07の描写と一致する人物が、あるギリシャ人(?)哲学者の著作において、複雑な“権能を授ける”儀式と共に軽く言及されている。
対象01/19、名前不明 恐らく西暦1180~[?]年の間に誕生。数年後に死亡(または類似の状態になった)。 男性と推定され、フランスで生まれたことが判明している。フランス王ルイ8世(一般に知られている当時の統治者)に代わって、13世紀イギリスの一部を治めていた疑いあり — 報告によれば苛烈な統治者であり、01/19が“治世”において通した全ての条例や法律は、その死後数十年間で自然に廃止された。 数多くの印章や芸術作品で記念されていたが、これらは発見から数ヶ月で劣化するか、ルイ8世を描いたものへと変質した。当時のイギリスの統治者に関する文書記録のうち2点の記述内容は確立されたルイ8世の性格と一致しておらず、賭博を好む傾向と“[不明、原文破損。“栄光”、“追憶”、または類似の単語が入ると推定される]への渇望”について述べている。
対象01/??、“アルトン”、苗字不明。 最後に確認されたのは~1490年 コロンブスの直前にアメリカ植民を試みたとされているブリトン人(?)。不自然なまでに正確な航海士であり、用途の不明確な異常機器を複数所持していたとの報告あり。規模の不明な一連の時間操作儀式に関与していたと推測されている。 不明。この文書以外の原記録は失われている。
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通知:

予想通り、URA-9611/SCP-2235を記録する我々の試みは、乱雑に絡み合った破損コードと、2200ブロック全体をダウンさせるのに十分なほどの構文解析エラーをもたらした。私にはフォーマットを再構成する時間が無い(どうやら私の記憶保持期間は尽きかけているらしい)ので、後始末は次の4/2235研究者に任せる。つまり、これを読んでいる君のことだ。

ここには文書記録の問題を解析するシステムの一種があるようだから、私がリストから選抜されたのは偶然ではなさそうだ。或いは、必要な権限を持つ誰かを引き当てるまで何年も取っ替え引っ替えしているだけかもしれない。いずれにせよ、私には明らかにやるべき仕事があるので、これからそれに着手する。

即日施行措置。対象01-50と、同人物がかつて占めていた地位へのあらゆる言及は、財団の記録から全面的に抹消しなければならない3。削除範囲には過去と現在の情報の両方、並びに対象01-50の存在を示唆する全ての要素が含まれる。我々の組織系統においてこれほど高位にいる人物を相手取って危ない橋を渡るつもりは無い。対象の近親者には(もし仮にいるとすれば)標準的な手順に則って通達が行くだろうし、私はこれを最大級の反ミーム災害収容違反に偽装する覚え書きを用意している。運が良ければ、ミーム対策部隊の1つが警戒解除を通知し、難しい質問をしてくる者はいないはずだ。

最後に、勝手ながら次回の書き直し予定を前倒ししたので、この文書は私が忘れたらすぐさま君の下へ届くだろう。面倒なのは分かっているが、どうせここの作業はいずれも簡単に済まないものばかりだ。私には01-50が何をしたか、それによって何を得るつもりだったかは分からない。しかし、職員の記録をどれほど尊重しているかに依らず、我々はそこを無傷に保つことよりもデータベースの清浄化を優先する。何にせよ、12のほうが遥かに好ましい数字なのだから。

~ パーシー・ハッセル博士、RAISA、監督評議会保全部門


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