SCP-225-FR
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第二次世界大戦期、イギリス兵が彼の武器ブレン軽機関銃を使用するのを妨害しようとするSCP-225-FR。

アイテム番号: SCP-225-FR

脅威レベル: 白 o - 橙

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 職員に対する有益な影響のため、SCP-225-FRはサイト-Alephの、カフェテリアや休憩室といった重要でないエリアに自由に留まることが出来ます。職員は、非異常性のイエネコと接するようにSCP-225-FRとの相互交流を行うことが許可されています。ただしSCP-225-FRが、収容および研究エリアや、またいかなる場合も当該サイトの軍事区域に存在することがあってはなりません。許可された領域外でSCP-225-FRを発見した全ての職員は、処罰を与えることで、速やかに対象をその場から追い払うことが推奨されます。

収容違反やサイトへの攻撃、その他あらゆる武力介入を要する事案が発生した場合、SCP-225-FRは速やかに適切な収容ユニットに配置され、任意の戦闘を目撃することが出来ないようにします。この型の収容ユニットはSCP-225-FRに許されている各休憩室とカフェテリアに存在します。これらユニットは、床に嵌め込んだ60センチメートルの箱の形を取り、その入り口には厚さ3センチメートルの鉄製の罠を使用します。各ユニットは給水器および光源を備えている必要があります。危機的状況が収束すると、SCP-225-FRを収容ユニットから解放することが可能になります。収容スペシャリストはその後、この箱に備え付けた罠の状態を点検しなければなりません。

SCP-225-FRのホストが死亡した場合に備え、少なくとも一匹の非異常性のイエネコをサイト-Alephにて維持します。

職員への警告: 我々全員にとり、休憩時間に猫がいてくれるのは喜ばしいことではある。しかしだからこそ、この猫はやはりSCPオブジェクトなのであり、その収容が我々全員の職務であることを忘れてはならない。

説明: SCP-225-FRは現在、アメリカンロングヘアー種の、赤みを帯びて強い毛皮のイエネコ(Felis silvestris catus)の外見を取っています。対象は重量3.2キログラムで、尾を除いた体長は59センチメートルです。

SCP-225-FRの本当の性質を確定することは極めて困難なままに留まっていますが、SCP-225-FRはおそらく寄生型の概念存在1と説明しうるものであり、専らイエネコにおいてのみ発現します。この概念は占有しているイエネコに、あらゆるものへの事実上完全な耐性を付与しますが、老化に関してはその限りではありません。この概念の意識はまた、何らかの手段でホストの制御権を握っていると考えられ、この意識の知能は十二歳の人間の子供に近いものと思われます。またSCP-225-FRは、ホストの寿命が訪れるまで同じホストを使用します。

SCP-225-FRは極めて苛烈な平和主義思想によって突き動かされているように見えます。事実、SCP-225-FRは何らかの暴力を目にすることに耐えられないものらしく、戦争などの制度化された暴力は、SCP-225-FRをさらに苛烈な行動に移させるものと思われます。こうした思想のために、SCP-225-FRは自身が目撃者となり得たあらゆる形態の暴力を不断に妨害しようと試みます。ただしホストの性質上、SCP-225-FRはそのような使命を果たすにあたり、大きな制限を被ることとなっています。したがって、戦争のような争いを妨害することは、それらの自明な規模のゆえにSCP-225-FRには不可能なものとなっています。SCP-225-FRはしかし、夫婦間での暴力や同僚間の諍いといった、より小規模な闘争ないしは暴力を最小限に食い止める能力を如実に示しています。

この概念存在にとっては何とも哀れな話だ… かくの如き理念によって活動していながらも、肉体を借りている宿主が真面目でないばかりに、その実現が不可能であるとは…
- デュピュイ博士

SCP-225-FRの意識もまた、ホストの性質によって一部制限を受けることとなり、加えてこれらのホストを完全に掌握することも不可能であると思われます。事実、ホストの中のSCP-225-FRは非異常性のイエネコが持つ欲求や制限を保っています。SCP-225-FRは人間との接触を必要とし、また — SCP-225-FRは明らかにこれらの欲動を抑制しようとしているものの — 縄張りにマーキングを行うなどの、ホストの持つ本能的な欲動に引き続き従います。

そう、要するに、君たちはこの平和主義的な存在にレーザーポインタを追っかけさせて遊べるということである。ただまあそういうことはしないように。
- デュピュイ博士

しかしながら、ホストに伴う制限にもかかわらず、SCP-225-FRは自身の強みに自覚があるとも考えられており、その様子はこの概念存在が、人間に影響を与えることに成功した際の手段において見受けられます。これは常に自身の周囲の人間たちに好かれることから始まり、この猫を取り巻く人間たちの熱狂によって殊更容易な段階ともなっています。最終的にSCP-225-FRは、観念連合を利用して事を進めます。すなわちSCP-225-FRは、暴力が振るわれる現場に居合わせた場合、理解して貰うためにあらゆる手段を弄しつつ、悲哀や不安を表明します。SCP-225-FRが予め彼らの好意を勝ち得ている場合、大多数の人間たちはSCP-225-FRを苦しめることを望まず、結果としてこの時を境に争いを中止します。

微妙な問題ではあるのだが、SCP-225-FRは本当に、異常効果によって職員間の諍いを減少させているのだろうか。それとも彼らは実際は、奉るべき存在を失望させてしまう恐怖を前にして口論を止めているのではないか? 我々は決して解答を持たないのではないか、と不安に思う。
- デュピュイ博士

SCP-225-FRのホストが死亡したとしても、SCP-225-FRが死亡することはありません。反対に、SCP-225-FRの意識は最も近傍にいるイエネコの中に転移するものと思われます。財団によるSCP-225-FRの発見もそのような手筈で行われました。サイトAleph外に居住しているデュピュイ博士の飼い猫が、相次いで発生した二件の事故から一切の負傷を負うこともなく生還し、さらに『尋常でない』振る舞いを取ったことから、博士は異常効果によるものと疑いました。SCP-225-FRの鎮静能力に関する実験により、最終的にこの説の正当性が裏付けられました。

補遺225-FR-01: 概念存在としての性質上、SCP-225-FRとのコミュニケーションが非常な困難を伴うことは明白なものです。しかしながら、デュピュイ博士の研究チームがこの問題の打開を試みました。第一段階は、「はい」と「いいえ」の観念をSCP-225-FRに理解させるものでした。これにより、対象は人間の表情を識別可能であると判明し、よって「はい」「いいえ」を表象している画像と、深い不安や、ある程度の静穏を示す人間の顔との関連付けが行われました。反復的な試行を通して、否定的な側面を有する一枚目の画像と否定性との間の(またそれぞれ、肯定的な側面を有する二枚目の画像と肯定との間の)観念を結び付けることに成功しました。これにより、モンタージュを使用してSCP-225-FRに問いを提示すること、およびその問いに対するSCP-225-FRの返答を得ることが可能になりました。そのためSCP-225-FRは自身の平和主義思想と、しかし同時に多大な倦怠感をも直接表明することが可能になっています。SCP-225-FRはまた、歴史的な事件に参与した旨を認めているものの、それがどの事件であるかを正確に述べる能力を有しません。

補遺225-FR-02: SCP-225-FRの明白な不死性および、種々の歴史的な事件に関与したという供述のために、対象の発言の真実性と、それらの事件に及ぼした影響とを明確にするための歴史研究が進められています。

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ベルリンの戦い直前にSCP-225-FRを抱き上げるエーリッヒ・ベーレンフェンガー。

第二次世界大戦期のドイツ国防軍少将、エーリッヒ・ベーレンフェンガーのケースに焦点を当てた調査が行われました。終戦前のナチスによる隠蔽工作のため、収集に際しては困難を極めたものの、幾分かの資料によって、この将校が、1945年2月にベルリンで回収したSCP-225-FRの影響を受けていたらしいことが判明しました。ベルリンの戦いの折、ベーレンフェンガーの命令を受けた身元不明の兵士が、1945年4月25日に次のように認めています :
『ベーレンフェンガー少将殿は、自身の部隊の指揮を執ることを拒絶された。今ボリシェヴィキどもがベルリンに居り、総統閣下直々にAおよびB区画の防衛を任されているというのに、彼は司令部の中に飼い猫だけを伴って蟄居している。二日前に其処から出て来なくなって以来、様子に変化は見られない。何故この暗澹たる時に、こんなことを帝国に背負わせてしまえるのか? 彼の鉤十字は偽りだったのか? いずれにしても、彼はベッカー警部補がごとく正気を失い、明日ボリシェヴィキどもの戦車に攻撃を仕掛ける旨を決定した。少将殿の活動停止が、我々全員の死刑宣告とならないことを願う。』
その他の資料では、ベーレンフェンガーは5月2日ではなく4月30日に自裁した可能性が示されており、仮にそうであるならば、SCP-225-FRが持ち得ていた心理的な作用を明証するものになります。

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