SCP-2277
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SCP-2277に誘導された”A”ストーリーにおける”女王達の死:彼女は成さねばならぬ事に苦しむ”を演じる、影響を受けた人物。この人物の身元と住所は機密扱いである。

特別収容プロトコル: 財団フロント企業は、将来的な全SCP-2277実例を収容するため、シスコシステムズ、IBM、マイクロソフト、インテル、HP、デル、その他の大手ネットワーク業者との協力関係を確立します。SCP-2277にリンクされたIPアドレスは監視1し、可能であればサイト-11、-442および/または-19の財団ネットワークに再割り当てします。確認されたSCP-2277実例は可能な限り早くメディア共有サイトから除去します。

SCP-2277の影響を受けた人物には、可能であれば記憶処理を施します。これ以外の全ての試みは、"アンドロニカ”:”Andronica"/"Andronika"/"Andronike"とだけ知られている人物、場所、または国民国家についての神話および/または疑史的性質を強化するために実行されます2。数多くの”陰謀説”Webサイトが秘密裏に財団職員によって保たれており、常時”アンドロニカ”に関する複数の相反するバージョンに言及しています。これらのWebサイト管理者は一般市民から募集し、SCP-2277に関与する財団職員との接触は許可されません。

説明: SCP-2277は正体不明の人物あるいは未知の起源を有する自律プログラムです。SCP-2277は定期的に、事前録音された音声と異常な雑音のバーストを用いて、電話を用いたスパムおよび嫌がらせ行為を行っています。さらに近年、SCP-2277は████████、Ventrilo、Mumble、███ ████、SkypeなどのボイスオーバーIPサービスでもスパム行為を開始しました。SCP-2277はこれらのイタズラ電話のやり取りを録音し、YouTube、Vimeo、DailyMotionなどの様々なサイトに、いわゆる"Ventrilo Harassments"または"Soundboard Prank Calls"と呼ばれる動画3を装ってアップロードしています。これらの動画はSCP-2277-Aと分類されています。

動画は多くの場合、永続的な暴言やスパム行為に激怒する被害者を強調した構成であり、特定話者を表すユーモラスな画像やビデオクリップが点在しています。アップロード者は頻繁に自身を、1980年のテレビシリーズ「コスモス」に出演していた頃の天文学者カール・セーガンの8bitアニメーション画像で表現します。SCP-2277とセーガン博士/「コスモス」との更なる関係は不明、あるいは無関係です。SCP-2277-Aの異常効果は明らかに、嫌がらせ動画に散在する雑音のバーストによって引き起こされています。雑音を解読する試みは、それらが素性不明の人物間における日常的話題と思しき会話の断片、あるいは様々な言語を話す人の声が入った未特定の公共領域における背景音であることを明らかにしました。

SCP-2277に曝露した人物は、徐々に”アンドロニカ”:"Andronika"/"Andronike"/"Andronica"という名の人物、派閥、あるいは国家についての持続的な妄想を発展させ始めます4。人物にもよりますが、”アンドロニカ”についての世界的知識の欠如は、近代の歴史的記録の精査と、”アンドロニカ”の没落およびそれに関する情報抑制という陰謀説の永続化に繋がります。持続する”アンドロニカ”についての詳細情報は以下の通りです。

  • 強い母系社会および/または女性指導者の重視。
  • 古代ギリシャ/ローマの歴史と哲学、とりわけ軍事史に重きを置く。トゥキディデス、ガイウス・ユリウス・カエサル、ポリュビオス、クセノフォン、[編集済]の文章には、直接的な重視と頻繁な言及が行われており、ごく稀にセオドア・エロー・ダッジ5もここに含まれる。
  • 結び付きと士気向上の手段としての、軍事部隊間におけるセックスの重視。例としてテーバイの神聖隊が引用される6
  • 一律に”ヒエロ・ジェネト・ソーシャル(hiero-geneto-social)”、通称”GS”という未知の層別化に基づく強制断種(幾つかの例においては大量虐殺)が関与する優生学システムの必要性に関する信念。この等級分けシステムの基礎が詳しく述べられる事は無い。
  • これらの優生学プログラムが制定されなければ、世界の終わりは差し迫っているという信念。
  • ある秘密主義の準政府組織が世界共通調和の試み、あるいは単一の世界的権威(“テクニクス/The Technics”、”喰らう者/Eaters”、”汗国/Khanates”、”プレイストアナーク/Pleistoanarchs”など様々な名称で知られる)の形成を意図的に妨害しているという信念。((: 補遺を参照))

SCP-2277-A分類には3つの種別が、影響を受けた人物間で確立されています。

SCP-2277-Aに影響された人物の少数(██%)は、どの分類の妄想を抱いているかによらず、SCP-2277-Aの”A”分類に登場する人物としての”アンドロニカ”を苛むのが描写されている精神病とほぼ類似した症状を示し始めます。

SCP-2277-Aの影響を停止する努力は殆ど成功しておらず、記憶処理は”アンドロニカ”の記憶抑制に一時的な効果しかありません。SCP-2277-Aの記憶を除去するには、██~25年にわたって記憶処理薬を繰り返し投与する必要があると判明しました。しかしながら、その結果としての自己免疫および/または神経障害のリスクのために、記憶処理薬の頻繁な使用は禁止され、新たな収容プロトコルが既存の影響者による潜在的影響を最小限にするために始まりました。

補遺: 財団の収容プロトコルが実施される中で、SCP-2277影響者たちの一部は、SCP-2277の拡散を軽減するための財団フロント企業の努力を認識し始めています。財団フロント企業によって維持されている誤情報Webサイト█つにDDoS(分散型サービス拒否)攻撃が仕掛けられました。また、SCP-2277-Aの新たな発信源がポルノビデオとして配布されているのが見つかりました。音声はSCP-2277-Aの以前の実例と一致しています。

SCP-2277影響者へのインタビューにより、影響者はSCP-2277によって財団の収容試行のことを気付かされているらしいと示されました。”アンドロニカ”の物語は更新され、各バージョンのアンドロニカ没落に関与する存在として”権力統合のための共同体(Society for the Consolidation of Power)”という疑似財団組織を告発する内容へと変化しました。フォーラムやウェブサイト上の影響者が投稿する情報は、この”共同体”とその活動、ならびに“アンドロニカ”の知識および想定される”GS”基盤社会構造の永続化を抑制するという明確な目的のために世界政府に潜入して秘密裏に活動している秘密主義の”十三会議”についての詳細を徐々に多く含むようになっています。共同体の階層構造に関する詳細の大部分は、SCP財団が利用しているものと同様であると発覚しています。

2014/██/██現在、機密情報は“漏洩”していませんが、問題のWebサイトは閉鎖されました。SCP-2277に取り組んでいる財団職員や資産の情報が暴露される潜在的リスクを軽減する当座の解決策が見つかるまで、関与した影響者は財団職員に勾留されています。財団が異常物品/[編集済]を収容していることに関する情報はまだありませんが、SCP-2277はKeterに格上げされており、全ての措置は架空の”権力統合のための共同体”に関する情報の更なる”漏洩”を防ぐために行われるべきです。

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