SCP-232-JP
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アイテム番号: SCP-232-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-232-JPは予期しない起動を避けるため、電磁波遮断能力を持つ素材で構成された容器に入れた状態で高機密性の収容室内に収容してください。
SCP-232-JPを用いた実験にはセキュリティクリアランス3レベル以上の職員3名の許可が必要です。ただし、実験によって被験者が得たイメージ/ビジョンを言語化した媒体物の内容は、必ずセキュリティクリアランス5レベル以上の職員の認可の下で公開されるようにしてください。その際に認可が下りなかった場合、レベル5の当該職員はプロトコル"私はキツツキ"に従い各処置を実行してください。

SCP-232-JPの実験には、必ずクラスD職員を用い、実験後には必ず被験者にクラスA記憶処理を施してください。SCP-232-JPの実験に同一の職員を複数回用いることは禁止されています。

説明: SCP-232-JPは未知の技術によって製作された人工物です。外観はアタッシュケースに酷似していますが開閉部は存在せず、表面の材質にはチタン、ポリエステル、炭素繊維、██████、██████████、未知の有機物質等が使用されており、高い気密性を持ちます。
破壊が困難であるため内部のスキャンが行われましたが、あらゆる既存の探知波もSCP-232-JPの内部が空洞であることを示しました。

人間がSCP-232-JPの取手に相当する部位に接触している状態で、SCP-232-JPに██.██Hzの電磁波が照射された時、SCP-232-JPは一秒間だけ起動します。起動中、被験者の身体は硬直し如何なる反応も示さなくなります。一秒間の起動が終了したとき、被験者はおよそ26分間失神しますが、覚醒後、SCP-232-JP起動中に特殊なイメージ/ビジョンを見たと証言します。
イメージ/ビジョンについて、被験者はそれらを正確に言語化できると確信しています。言語化されたこれらイメージ/ビジョンの記録は拡張記録文書-232-JPにて閲覧可能です。
これらイメージ/ビジョンには被験者に関係する情報を示唆した内容が含まれている場合があります。しかし内容が抽象的かつ断片的で客観性にも欠けているため、全ての記述に対して正確に解釈するのは不可能であると考えられます。

SCP-232-JPは被験者が失神中には、再び起動しません。また、人間が取手部分に接触していない状態での██.██Hzの電磁波への曝露は、何の反応も引き起こしませんでした。
これらを独自に感知する機構の欠如、そして言語化されたイメージ/ビジョンの記述内容から、SCP-232-JPは知性を持った物体である可能性が示唆されています。

補遺1: 実験232-7で被験者が言語化したイメージ/ビジョンの内容が、「被験者に関係しながら被験者がそれを明らかに知り得ていない情報」に言及していたことが判明しました。この発見から、SCP-232-JPは単純に被験者が持つ記憶情報を読み取って圧縮し被験者に再送信するオブジェクトである、との既存の見識が覆されました。
直ちに各実験記録の再検証を行った所、同様の解釈が可能な複数の記述が発見されました。更に、実験後の被験者の現在の状態1に言及している可能性のあるいくつかの記述が再発見されました。

現在、SCP-232-JPの性質の再調査が進行しています。複数の学説が存在し、中には有力であると思われるものもありますが、今もって完全な解明には至っていません。

この際イデアでも何でもいいが、SCP-232-JPは恐らく人間の肉体を通して、より多元的意識界から本質的情報を圧縮して、この現実世界に引っ張って来ているのだろう。故にその情報は時間軸も整合性も無い混沌とした、法則の無い世界を顕したものとなるのだろう。
私は、SCP-232-JPが情報を引き出して来る先を外意識と名付けた。SCP-232-JPの存在がそれらの存在の証明になるとは思わないが、イメージが被験者の現実世界内にある意識から引き出されたものでは無い事は確かだ。

しかし、些細な事かもしれないが、実に奇妙である。どの知能レベルの被験者であっても、彼らはSCP-232-JPから得たイメージを正確に言語化する。
一体どうやって? 言語化されたイメージはあくまで抽象的かつ断片的で主観的であるというのに、どうやって彼らはそれら抽象的かつ断片的なイメージを言語化しているのだろうか? 彼らはペンを止める事無く、一気に書き上げる。その目には確信が宿っていた。
見たままを文章化することすら難儀するような人間が、何故あのように確信を持って描写を完成させられるのだろうか?

この疑問が、全ての答えに結びつくと良いのだが・・・

──██████博士

補遺2: 事件232-██記録

[削除済]

補遺3: 拡張記録文書-232-JP

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