拡張記録文書232-JP
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SCP-232-JP起動実験に於いて被験者にもたらされたイメージ/ビジョンを被験者の手によって言語化したものの記録。原本の保管場所はレベル5クラスの機密に指定されています。

実験232-1 - 日付████/██/██

被験者: D-232-1 3件の殺人犯 強い暴力傾向アリ
言語化した文章:
雪解けにある山は何処に。私は失った。消えた雪が降る先に私はいる。だから誰かを失わせたかった。あなたを追いかける私は姿形心根度胸強いはず全て強いはず。
あなたは首を見た。首から滴る雪解け水は冷たく聖書を濡らしあなたの股間をぐしょぐしょに濡らした。その景色を見た。電気の色もコンクリートの色も私は同じ、鉄格子に覆われているのはあなたも世界も全てが同じ。閉じ込められた世界は血に満ちあなたはその正体を知ろうとした。静粛に万事静粛に。振り下ろされる木槌はどこにも着地しない。
聖地にあるのは骸、それ意外に何もありはしない。なにも、なにも、その墓穴をあなたは見下ろす。ハサミに刻まれた肉があなたを満たし、墓穴を満たす。「茶番だ茶番だ茶番茶番茶番茶番茶番茶番茶番茶番」覆水盆に返らず。
踊る山羊が雪解け水に流される。山羊の角は黄金に光り、水はそれを穢す。厳粛に万事厳粛に。山の頂上は頂点。頂上の樹の頂点。頂上、重畳。
ここにある全てを私は見る。汗が飛び散り人の形が飛び散りたましいが飛び散る。水が欲しい。雪解けにある山は何処に。冷たく濡れた聖書は何処に。それを舐め取り、吸い付くし、再び汗を形をたましいを飛び散らせる。止まらない。止まりそう。止まった。止まっている。止められた。止まる。止まる。留まる。止まる。
一秒経過。
[記述終了]

追記: 言語化後、被験者は言語化した内容に不快感を覚えた。被験者は本実験の53日後、SCP-073-JPの収容違反事例により死亡している。

実験232-4 - 日付████/██/██

被験者: D-232-4 元カルト教団員 鬱傾向アリ
言語化した文章:
神の姿を見たか? 見た。見ている。私が何者なのかわかるだろうか? そこにおわすものは求める。時間が逆転する。安らぎを感じる。産まれた寸前の安らぎを感じただちに世界に産まれた不安と恐怖を知る。泣き叫んだ。私はそれを聞いていた。
神の声を聞いたか? 聞いていない。聞こえない。あなたが何者なのか私は知っているだろうか? あなたは求めない。時間が加速する。死を感じる。神を感じる寸前の恐怖を感じただちに世界から旅立つ興奮と期待を知る。咆哮した。あなたはそれを聞けなかった。
神の心に入ったか? 狂う狂う狂うクール羨み妬み恨み消える消える消える私の名前を知っている? 湖の底。山の頂上。あなたは漂い神は見下ろす。いと低き者もいと高き者も同じ世界にいる。同じ世界に囚われる。
クソくらえ。死んでしまえ。死んで、もう一度死んでしまえ。死んで、もう一度死んで、もう一度死んでしまえ。死んで、もう一度死んで、もう一度死んで、もう一度死んでしまえ。お前はなんだ私はなんだあなたはなんだ結局何も無いここにあるのは地平線だけだ。
遠くに何が見える。地平線、水平線。何かが飛んでいる。私が得たのは? あなたが得たのは? 鳥が見える。鳥を見た。あれはなんだろうか? 知らない。どうせ神じゃないものだろうさ。
母が泣く、父が怒る。どちらもあなたの母じゃない父じゃない本当の家族はどこに? そんなもの存在しないんだよ。
ここじゃないどこかを私は知っている。さようなら。さようなら。さようなら。神はいる、だがあなたの神なんかじゃない。あれは赤い鳥。[削除済]
一秒経過。
[記述終了]

追記: [削除済]

実験232-7 - 日付████/██/██

被験者: D-232-7 ████政治犯 統合失調症と診断される
言語化した文章:
消えろ。何故山にしがみつく? お前のいるべきところはそこじゃない。いるべき所とは? いないべき所だ。お前はいないべきだ。銃弾がお前の命を正確に狩り取ってくれれば良かったのに。
私は見た。あなたは見た。お前は見た。見ている。間にあるものは利便性の欠片。共通項は存在しない数式。Xから始まりαに終わる。可哀想に。哀れみはまさにお前のために世界に存在しているようなものだ!
それはある、焼け付く銃身はAK-47。あれはある、抉る銃弾は30口径。罵る声は鞭を打つ音。肉と骨に亀裂が入る如くに。死は喜び。歓喜が満たす。お前は死ぬべきだ罰を受けろ私に触れる価値すらない。
助けて欲しかった。自分すら手放した。あの山を登りたかったのに。Xに戻れるだろうか? アスペルギルス、Plague、何故笑う。罪には罰が支払われると信じたい。だからお前は死ぬべきだ。
大地にあるここはどこだ? 答えを探すのはお前の仕事じゃない。傾注せよ。備えは万全ではないが私がやるべきことはあなたがやるべきこと。何が見える? 無意味なものが無数に見えている。山の頂上に無意味な光がひしめく。
手を離せ。誤魔化しは効かない。私は知らない。私は知らない。知りたい。あなたが見るのはどこかの星なのだろうか? 疫病と死に満ちた星なのか?
雷撃。曇天。泥沼に足をとられる。泥沼からのびるアサガオの蔓が顔を掴む。引き込むのは少女の顔か? 日暮れて道遠し。この星には疫病と死の代わりに光が満ちている。あなたの数字が皆の王なのだ。暗い光が暗渠に満ちる。
一秒経過。
[記述終了]

追記: 実験の二日前に、D-232-7の実父がアスペルギルス症により死亡している。この実験によってSCP-232-JPの性質の見直しが行われる事となった。

実験232-11 - 日付████/██/██

被験者: D-232-11 性犯罪者 後に[削除済]
言語化した文章:
悲鳴が聞こえる。何かが変わっている。あなたの知らない何かが変わる。暗い部屋の隅にうずくまるのは無垢か恐怖か。どこにいる? 何かが始まるのだ。乾燥が部屋に満ちてゆく。どこかなど存在しない事を知ってしまった。
波打つクジラの腹だ。横たわり、規則正しく揺れている。律動が短い悲鳴を引き起こし、恐怖が彼を慰める。あなたがすべきことは? 悪徳、背徳、キモチヨイ。私が得るものは彼が得るもの。何も止まりはしない。
小さき者が柔肌を引き裂く。死を知らぬ子に眠りを。世界を満たすは恐怖ではなく無知に過ぎない。それはまさに鞭の如くに。塔の頂上から輝く月が太陽を見下ろすには、彼女の眠りは浅過ぎる。
消えているのはなんなのだろう? 記憶か、知か。一輪の薔薇は何も生まない。無惨に散り、何も憶えられずに燃やされる。ゴミに過ぎない。あなたの意思も彼女の意思も。
振り下ろされる棍棒が彼女の懇望を打ち砕く。青白き生。あなたは躊躇わず、またその必要も無い。鎖がきらめく。三叉路を進み、また戻る。涙の在処を誰が知ろう。
クジラの涙を私は見た。それは恐怖。それは歓喜。あなたがすべきことは? あなたは何のためにここにいる? クジラの白い腹を突き刺し、抉り、中身を全て引きずり出せ。月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人也。
一秒経過。
[記述終了]

追記: 記述後、D-232-11は自身の記述内容を一切理解しておらず、何の感情も抱いていませんでした。しかし本実験から27日後に[削除済]へと異動されています。

実験232-14 - 日付████/██/██

被験者: D-232-14 女性 ヒステリック傾向アリ
言語化した文章:
目が見える。目を見ている。白い目があなたを見ている。あなたの白い目が皆の目を見ている。日の光は強過ぎた、暗闇は深過ぎた。必ず現すのだ。それは高き故に遮られしエジソンの遺産にして黒鉄の王が纏いしバンパーの突起。
何を見ている? 誰も正確には答えられない。真実と欺瞞は何処に? 確保。確保。破壊。護国卿は何処に? 収容。収容。漏出。夢見るベンチは何処に? 保護。保護。漸減。あなたと私が死ねば何かが助かるだろう。それは終わり。彼は助かりあなたは死ぬ。
最早誰も信じぬ時が来る。あらゆる人々があらゆるものを信じなくなる。あなたはそれを信じている。私はそれを信じている。光陰矢の如し。それはいつなのか? いま今イマ、つまりは未来。過去。繰り返し。巡。始まり。過去。今。
神の心臓と悪魔の心臓はどちらが先に生まれたか? 黄金と闇はどちらが早く存在したか? 全ての意識は繋がっている。あなたは私を知らず、そして知っている。
怒りと当惑が意識を繋ぐ。いつか誰かが訊ねるだろう。「この世界は何度目だ?」私はこう答えなければならない。「この世界は九度目だ。まもなく梵天の塔の十本目が立つ」
時間は進む。不安と恐怖は全てに繋がる。あなたの不安と恐怖はあらゆる不安と恐怖。それらをもたらすあらゆるものと繋がっている。意識は繋がる。意識はあらゆるものと繋がっている。私はあらゆるものと繋がっている。
怒りが見える。白い目が見える。終わりが見える。あなたが見える。私が見える。逆転の刻は近く、人の形が獣の形となり、4の老人は姿を変える。今にも神は寝返りを打つ。兄弟たちが寝言をあげ、世界の悪は終わりを告げる。悪は悪でなくなり、それを失った世界は老衰する。
Dsgr Riv;of Lryrt キーボードは横へとズレる。あなたは日本人。文字や言葉が横へとズレる。最早すべてが形を保てぬ。覗き込め。白い目は光も闇も受け付けない。盲目こそがあらゆる力に対抗し得る。
さあ、見よ。
一秒経過。
[記述終了]

追記: 言語化後、D-232-14は記述内容に対して強い不安と恐怖を覚え、典型的なヒステリー症状を発生させた。

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