SCP-2458
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SCP-2458 (細部)

アイテム番号: SCP-2458

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2458は本来のケースに入れて標準的収容ロッカーに収納し、実験の際のみ取り出します。全ての実験は防音室で、Dクラス職員のみが実施します。研究者は別のブースから指示を出さなければいけません。SCP-2458の生演奏の放送は禁止されています。

説明: SCP-2458は起源を18世紀初頭まで遡れるチェロです。デザインは弦楽器の名工ジュゼッペ・グァルネリの作品と一致しており、予想される作成年代や摩耗度とも合致します。過去40年間に弦を張り直した形跡があります。

演奏すると、SCP-2458が聞こえる範囲の人物は、音楽のテンポに合わせてリズミカルな動きや発声を始めます。これらの動きは演奏される曲ごとに固有ですが、典型的には首を振る・腕を振り回す・意味不明の呟きなどが含まれます。SCP-2458の演奏者は影響を受けませんが、他の楽器との合奏が行われることはありません。演奏のライブ放送は効果を引き継ぎますが、録音には異常性がありません。SCP-2458の影響への長期もしくは反復的な曝露は、聴取者に対して激しい苦痛を齎し、音楽への嫌悪と常同性運動障害を引き起こします。

補遺2458-1: 実験ログ

実験2458-A
演奏: D-385
聴取: D-296、D-4883、D-5019
曲目: きらきら星
結果: 聴取者は演奏に合わせて頷くように首を振った。D-385の定期的な演奏ミスによって聴取者は痙攣を起こし、演奏の再確立前に効果は途切れた。聴取者は運動制御を失ったことに不安を報告している。

実験2458-D
演奏: D-7294。訓練を受けた交響曲チェリスト。精神病的な傾向あり。
聴取: D-296、D-385、D-4883、D-5019
曲目: バッハのチェロ組曲第1番
結果: 聴取者はより複雑な動きを見せ、立ち上がってお辞儀をし、その後跪くなど、カトリックの祈りに共通と思われる仕草をした。聴取者は演奏中に5回「Kyrie eleison / 主憐れめよ」と唱えた。実験後の聴取者は運動制御の喪失により強い不安を表明している。

実験2458-G
演奏: D-7294
聴取: D-296、D-385、D-4883、D-5019
曲目: ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲
結果: 聴取者は実験開始時に相当な動揺を示した。演奏が始まると、聴取者たちはすぐに抵抗を止め、一斉に額を叩き始めた。6:17、D-7294は実験プロトコルを逸脱し、不協和音の即興曲を弾き始めた。D-385は自身の目を突き、D-5019およびD-4883はお互いの首を絞め始めた。D-296はつなぎを脱いで[データ削除]。15:18にはD-296、D-4883、D-5019は死亡し、D-385は盲目であった。研究者はD-7294に演奏停止を指示し、D-7294はこれに従った。

D-385は音楽から自傷するように言われたと主張し、実験2458-Gの後に極端な音楽恐怖症を示した。D-7294は将来的な実験のために終了されていない。

補遺2458-2: 回収ログ
SCP-2458はイタリアのイモラにあるオッサーヴァンザ精神病院の跡地から回収されました。備品目録は、SCP-2458が1978年、以下の覚え書きを添えて病院宛てに遺贈されたことを示します。

私の最愛の妻アレッサンドラを丁寧に診療してくださった医師の皆さまに。この楽器の音楽は、平和と秩序を患者たちに与えることができるかもしれません。私から病気の妻へは与えることが遂にできなかった、最上の贈り物を。ゴルゴタの丘で聖ディスマスがそうしたように、我々には皆、懺悔の道を選ぶこともできるのでしょう。

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