SCP-2467
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1995年、沿岸に異常接近したSCP-2467のアーカイブ写真。オブジェクトの現在の形状を写した写真は入手されていない。

アイテム番号: SCP-2467

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 財団衛星は常時SCP-2467の動きを追跡し、分析官とプログラムはその航路を予測し、気象庁の潜入エージェントはSCP-2467が訪れる可能性がある海域から船舶を迂回させます。加えて、完全武装したレジェンド級カッター船のSCPSサンダーランドが、SCP-2467と他の船舶が接触する可能性がある海域の巡回に派遣されます。SCPSサンダーランドには、SCP-2467と遭遇した生存者を救出するための硬質船底式モーター救命ボート(最低2艘)と、SCP-2467による民間船、商船、軍艦への攻撃を阻止するための高衝撃性海軍兵器が配備されます。SCP-2467に伴う荒天現象に鑑み、対象の活動地域に航空機を派遣することは決して認められません。

可能であれば、SCP-2467が投棄した廃棄物は財団船によって回収し、研究のために最寄りの財団研究サイトへ移送します。

乗船イベントおよび/または拉致イベントの後には偽情報作戦が実行されます。提供可能な典型的説明としては、ユーザーエラー、時化や荒波による沈没、乗組員の反乱、海賊との遭遇などがあります。SCP-2467とその活動のあらゆる生存者や目撃者には記憶処理が施されます。

説明: SCP-2467は“DV Toluca1という識別板を帯びた、およそ全長300m、幅45mの大型遠洋航行船です。研究員は過去138年間に各地の港湾で登録された船舶の中に、この“トルーカ”と一致する記録を発見できていません。注目すべきは、SCP-2467の構成部品が他の多種多様な艦船に由来していることです — これには少なくとも1700年代まで起源を遡れる最上艦橋や、自律的に機能する各種の海軍兵器などが挙げられます。SCP-2467は専ら沖合を航行しつつ他の船舶を探し、乗組員や適切な貨物を強奪してからその船を放置、漂流させます。

SCP-2467の半径5km圏内の気象パターンは一貫して、その時点における海の状態とは無関係な(しばしば正反対の)悪天候であり、時として著しい荒れ模様になります。観測結果によると、SCP-2467の周辺海域にはほぼ常に中規模の豪雨と濃い霧が存在し、中~強度の暴風と僅かに荒れた波を伴っています。前述した雨、風、霧に加えて、SCP-2467が他船舶の武装解除を試みている際には風速が125kph以上に達し、最大波高は平均25mに及ぶことが知られています。ここには1958年2月20日2に観測された42mの高波3などの外れ値が存在する点に注意すべきです。様々な規模の渦潮がSCP-2467の航跡に生じた事例も複数回観察されています。

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SCP-2467による乗船被害を受けた日本の漁船、漁運丸。

SCP-2467は遭遇した他船舶から拉致された約75名の人間と対応する乗組員によって操縦されています。観察によって、SCP-2467の船上にいるこれらの人物らは拉致被害のストレスに適応してゆく傾向があり、拉致されてからごく短期間で“陽気”と表現し得る振舞いを開始することが示されています。これは精神影響異常の一種だと考えられており、長期間(3-10日、個人差あり)にわたってSCP-2467に接触または近接した人物は、SCP-2467の活動は正しいものであると信じ始め、可能な限りの手段でそれを支援したいという強い欲求/執着を得ます。これは徐々に影響者の脳の変性状態を引き起こし、影響者は接触から約4~5ヶ月で外面的な自立的思考を表さなくなります。

およそ40日ごとに、SCP-2467は船体後方から網にくるまれた大量の廃棄物を投棄します。この廃棄物は通常、破損/摩耗した船の構成部品や工具、生ゴミ、空き瓶、衣服、金属くず、廃燃料、人間の死体などから成っています。

補遺2467-01: 事案SCP-2467-12以降、SCP-2467が投棄した廃棄物を回収する財団職員は6人体制のチームで作業にあたり、そのうち最低2名がサメなどの海洋肉食生物4の接近に備えて水中を監視することが義務付けられています。

補遺2467-02: 現在SCP-2467に統合されている既知の船舶5
船名 説明 失踪報告/回収日時 失踪時の説明 SCP-2467に統合された部品
トルーカ 16世紀の戦列艦 1745/10/27 海賊に占拠され、沈没したと推定される 最上艦橋、大砲20門
SV シーバード 商取引用ブリッグ帆船 1750/02/08 海賊による乗組員拉致 錨、様々な木材
HMS ウールー 大砲22門装備の私掠ブリッグ帆船 1806/04/14 航海中に遭難 大砲7門
HMS ジュノー 大砲26門装備のフリゲート艦 1880/03/12 荒波による沈没 大砲3門、帆布
SS ワラタ 150mの蒸気船 1909/07/26 嵐による沈没 マスト2本、船殻
U-52 ドイツの武装潜水艦 1940/02/20 海軍機雷による破壊 船殻の一部、魚雷
ローマ イタリアの軍艦 1943/09/20 海戦で沈没 船殻の一部、艦橋および構造部品、様々な銃
MS ミュンヘン ラッシュ船 1978/12/19 荒波による沈没 船殻の一部、クレーン
MV ダービーシャー 油送船 1980/09/09 台風による沈没 船殻
SS アドミラル・ナヒーモフ 遠洋定期船 1989/02/20 別な船舶との衝突 船首、煙突
F/V アンドレア・ゲイル 漁船 1991/10/28 1991年のハリケーンによる沈没 船殻の一部
USS エルドリッジ キャノン級護衛駆逐艦 1999/11/11 スクラップとして売却 船殻の一部、Mk. 22 50口径艦砲3門、40mm Mk.1対空砲2門、20mm Mk.4対空砲8門、530mm魚雷発射管3本
カズII 9mのヨット 2007/04/18 パイロットエラー ガラス
サカピス P77 ミサイル駆逐艦 2011/09/24 解体 76mm艦砲、40mm艦砲、MM38“エグゾセ”対艦ミサイルランチャー4門、船殻の一部

補遺2467-03:
最近の監視により、SCP-2467の船殻の一部は、1975年11月10日にスペリオル湖で行方不明になったSS エドモンド・フィッツジェラルドに由来することが明らかになっています。沈没地点が内陸の湖であるにも拘らず、どのようにSCP-2467がエドモンド・フィッツジェラルドに接触したかについて調査が進行中です。

要2467/3クリアランス:

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