SCP-2480-JP
評価: +42+x
blank.png

アイテム番号: SCP-2480-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2480-JPの葉は何があっても守り抜いてください。SCP-2480-JPはどのような環境にあっても生命活動を継続できるため、収容場所に指定はありませんが、その葉が枝から落ちないようにしてください。現在は発見当時の高気密性植物収容セルと呼称されたスペースを補修した上でその中に収容し、カメラにより24時間監視しています。

説明: SCP-2480-JPは高さ7.7mの樹木1と推測される生命体です。

SCP-2480-JPは呼吸・光合成とみられる生命活動を行いますが、生命の生存に適さないとされる環境であっても死滅しません。

SCP-2480-JPは多くの枝2と呼称された構造を持ちますが、葉3とされる構造は地表面近くから最上部まで伸びた枝の最も高い部分に1枚ついているのみで、旧報告書に記録されている抗不安作用・鎮静催眠作用については確認できていません。

SCP-2480-JPに唯一ついた葉は我々の種族と相互に関係しており、その葉が落ちた時、我々の種族は緩やかに、または急激に絶滅に向かう事が明らかになっています。前文明・前生態系の滅亡にはこの異常性の関連が否定できません。前生態系の滅亡時、「紅葉イベント」が観測されているため、SCP-2480-JPはカメラにより24時間監視されています。紅葉イベントの内容については、SCP-2480-JPの葉が紅色に変化するものと推測4されていますが、一切が不明です。

補遺: この報告書にはアーカイブ版(旧暦2020/1/31最終更新)があります。

    • _

    旧報告書アーカイブ(旧暦2020/1/31最終更新):

    アイテム番号: SCP-2480-JP

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: SCP-2480-JPは高気密性植物収容セルに収容してください。有根系統樹との対応が確認された葉は対応種を記録したICタグを用いて管理し、落葉は早急に対応箇所を確認の上冷凍保管ロッカーに収容されます。

    keitouju.jfif

    SCP-2480-JPと一致する有根系統樹の一例。

    説明: SCP-2480-JPは有根系統樹と完全に一致する形状の高さ7.6mの未知の広葉樹です。財団で作成された有根系統樹を種単位まで拡張し3次元に展開したモデルとの形状の合致率は99.998%であり、SCP-2480-JPの枝には他の枝と合流するような構造もみられます。

    SCP-2480-JPの遺伝情報はこれまでに存在した全ての広葉樹の遺伝情報を複合したものであることが明らかになっていますが、中には未知の遺伝情報も含まれています。SCP-2480-JPは呼吸・光合成を行いますが、植物の生育に必要な要素全てが排除された環境であっても枯死しません。

    SCP-2480-JPは870万枚を超える一般的な植物と比較して過剰な量の葉を持ち、葉は枝だけでなく幹を含めた全体についています。葉には抗不安作用・鎮静催眠作用のある成分が含まれ、蒐集院収容時には職員のケアに用いられていました。

    SCP-2480-JPは1945年に葉の採取記録とともに蒐集院から財団に移譲されました。移譲当時から高さは7.6mでほとんど変化はありませんが、枝葉の数は変動しています。

    SCP-2480-JPの葉は地球上に存在する生物種に対応し、互いに相互関係があります。地球上で生物種の1つが絶滅した場合にはSCP-2480-JPの対応する葉が落葉し、SCP-2480-JPの葉が落ちた場合には対応する生物種が緩やかに、または急激に絶滅に向かう事が明らかになっています。以下は蒐集院収容時に葉が採取された日時とそれに対応していたとみられる生物種の一覧の一部です。対応する生物種が不明である葉の採取記録・SCP-2480-JPに現存する葉について、対応する種の調査が続けられています。

    採取日時 対応していたと推定される生物種 推定絶滅時期
    1534/██/██ オオウミガラス(Pinguinus impennis) 1844年6月
    1598/██/██ ドードー(Raphus cucullatus) 1681年
    1741/██/██ ステラーカイギュウ(Hydrodamalis gigas) 1768年
    1833/██/██ オオスベトカゲ(Chioninia coctei) 1940年
    1888/██/██ フクロオオカミ(Thylacinus cynocephalus) 1936年

    追記1(2020/1/31): SCP-2480-JPの葉が全て紅葉しました。この現象は蒐集院収容時含めこれまで確認されていない現象です。SCP-2480-JP担当職員を増員し、24時間監視体制に移行します。

    • _

    SCP-2480-JP報告書アーカイブについて(3/██/██追記):

    なぜこの報告書は旧報告書がアーカイブされ、補遺として残されているか、疑問に思った者もいたかもしれない。

    君も知っている通り、前文明と生態系は丸ごと消え去った。
    その原因がこの木だったのか、それとも別の原因があったのかは今となっては分からないが、
    我々がこの地にたどり着いた時、ここにあったのは放棄された研究施設と1枚の葉もないこの木だった。

    先人達は多くの異常存在について報告書の形で収容方法を遺した。
    それらを基に我々は研究を進め、報告書はほぼ全て改訂され、旧版は一般にはアクセスできない領域に保管されている。
    では何故このSCP-2480-JPの報告書はアーカイブされ、補遺という一般にアクセスする領域に残されたか?

    我々がSCP-2480-JPについてできることは、今、我々が確認できる事実を整理することだけだからだ。
    SCP-2480-JPについて、我々は失敗できず、これ以上の実験もできないからだ。
    我々に残された葉はたった1枚だけなのだから。

    先人達は素晴らしいものを遺していくが、彼らと同じ道を行くのは必ずしも正解ではない。
    過ちもまた、彼らの遺産である。

    3年██月██日
    SCP-2480-JP管理主任

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。