SCP-2489
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異常現象を発現させる前に撮影されたSCP-2489と思しき写真。

アイテム番号: SCP-2489

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2489は現在、収容房の内部に組み込まれたタール孔に沈められています。封じ込めを容易にするため、収容エリア-09が周辺に構築されています。SCP-2489は一日あたり100mの速度でタールを掘り進むことが可能であるという事実を踏まえ、湿式セメントなどの追加材質がSCP-2489の速度低下のために収容孔に導入されています。現在、SCP-2489の収容違反を阻止するための更なる措置が1068日後には必要になると推定されています。

SCP-2489が収容を突破した場合、財団エージェントは事前に指定された場所に移動し、SCP-2489が目撃されることを防ぎます。大手メディアに潜入中のエージェントはSCP-2489の活動に関する報道を抑制し、エネルギー関連事業を手掛ける財団フロント企業の一つが環境破壊の責任を負います。

ナポレオン・ボナパルト・ブロワードの墓を掘り返す如何なる試みも、フロリダ州の司法制度執行組織に所属する財団エージェントが阻止します。

説明: SCP-2489は2つの要素から成るオブジェクトです。SCP-2489-1はナポレオン・ボナパルト・ブロワード1に似た容姿のヒト型実体であり、ブロワードの在任期間中にエバーグレーズ湿地帯の排水工事に用いられた浚渫装置(SCP-2489-2)の座席に腰の位置で縫い止められています。SCP-2489-1の下半身はSCP-2489-2の下部から突き出しています。

SCP-2489-2は完全に自律的であり、通常の浚渫作業を行うことができます。自由に行動可能な状況下において、SCP-2489-2は約20km圏内にある最大規模の水域まで移動し、その土地の浚渫工事を開始します。SCP-2489-2は未解明のプロセスを介して水を吸収し始め、それに従って土地の水位は低下していきます。この間のSCP-2489-1は、急速な眼球運動と顔面筋肉の痙攣を除いては不活性状態を保ちます。

工事の完了後、SCP-2489-1は激しい勢いで、吸収した水とほぼ同量の液体を排出します。この液体は水銀・鉛・その他の不純物によって著しく汚染されています。液体の排出に先立ち、SCP-2489-1は通常、計器盤を操作してSCP-2489-2を停止しようと試み、頻繁にこの過程で自身を傷付けます。この行為はSCP-2489-2の動きを妨害している様子が見られません。

これに続いてSCP-2489-1は上体を起こし、増幅された声で演説を始めます。通常これらはボナパルトが知事選において行った演説に似通っており、頻繁にエバーグレーズの排水工事に言及します。SCP-2489-1は演説を英語・クレオール語・スペイン語・フランス語で繰り返した後、不活性状態に戻ります。

演説内容は常に歴史上の記録と一致していません。演説中における差異の分析は、“縁(Brim)”、“角(Edge)”、“淵(Chasm)”といった言葉を反復的に使用し、環境主義および環境保護運動に対して侮蔑的な言及を繰り返していることを示します。加えて、SCP-2489-1は森林火災を好意的に捉えている節があります。

SCP-2489は1970/04/22、フロリダ州エバーグレーズにて活性化し、重大な被害を齎した後に発見されました。ブロワードの墓を掘り返したところ、DNAおよび歯科記録がブロワードと一致する死体が依然として埋葬されていることが明らかになりました。SCP-2489-1に及んだ負傷はこの死体に反映されますが、その逆は発生しません。

SCP-2489が異常存在として動き始める前にブロワード知事の遺体が掘り出されたか否かは分かっていません。

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