SCP-258-JP
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SCP-258-JPの便器

アイテム番号: SCP-258-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-258-JPの特性との関与が推測されているSCP-258-JP-Aの移動が困難な事から、SCP-258-JPおよびSCP-258-JP-Aは発見当初の位置で保護下に置かれています。

SCP-258-JPが発見された建造物は財団により買収され、フロント企業の事務所として改修されました。SCP-258-JPの警備および監視の担当者は、表向きはフロント企業の警備員として雇用されています。

SCP-258-JPの特性の全容が判明して以降、SCP-258-JPの使用は禁止されています。しかしSCP-258-JPの有用性のため、その実験を再開するべく、SCP-258-JP使用時の周辺住民への影響を遮断する方法についての議論が行われています。

説明: SCP-258-JPは静岡県[編集済]で発見された和式トイレの一室です。[編集済]社の一般的な陶器製の便器には黒いインクで「R.SAKAMOTO」と印字されており、また、壁面には下記の内容が書かれていました。

悩みを打ち明けてみて! 学校で先生に言われたんだ、悩みって、話す事ができたら半分は解決してるんだって。 てるこ

SCP-258-JPへ人間の被験者1名だけが入室し、施錠をすると、被験者は便器の中へ大声で話しかけ始めます。予め決められた内容を話すように指示した実験は失敗に終わりました。SCP-258-JPは入室された時点で被験者に影響し、その深層心理において最も重大な内容を話すように作用していると考えられています。「悩みがないことが悩み」のような内容が便器の中へ話された事例はまだ確認されていません。

便器に話し終わり、SCP-258-JPを出た被験者に対するストレス診断テストは、これまでに例外なく、便器に話しかける前に対しておよそ50%ほど良好な精神状態になったことを示しました。試験前から良好な精神状態と診断されていた被験者の場合は、運動や業務、情報処理等の遂行能力に著しい向上が見られました。

便器に話しかけるプロセスの以後24時間の間、SCP-258-JPの周囲5 km以内で、海抜0 m未満の水道管を流れる水について、カドミウムと水銀の含有量が2倍に上昇します。24時間以内に4回連続でSCP-258-JPを使用する事で前述の有害物質の含有量は基準値の10倍を超えるようになり、人体に対して明らかに有害となります。また、この影響を受けた水道水に触れた人間は、精神状態や行動能力の明確な低下を示すと同時に、それまでにSCP-258-JPの便器へと話しかけられた内容についてランダムに1つ、知識として知覚し、記憶します。影響を受けた水道水で調理された食品の摂取も同様の効果を発生させます。この水質汚染と記憶の共有は、SCP-258-JPが最後に使用されて24時間が経過すると解消します。

SCP-258-JPは、Are We Cool Yet?の反乱分子として知られる「池光子いけてるこ」に関する調査と追跡の過程で発見されました。財団が「池光子」本人もしくはその構成員の1人と見られるPOI(要注意人物)-011/013-JPの身体の一部を入手した際、同時にPOI-011/013-JPの直筆と見られるメモが発見され、そのメモにSCP-258-JPの所在地が書かれていました。

補遺: SCP-258-JPの移設を試みるための調査中に、SCP-258-JPの地下20 mほどの地点に約800 m^3の空洞がある事が分かりました。その空洞で、SCP-258-JP-Aが発見されました。

SCP-258-JP-Aは高さ(座高)5.5 mという巨大な人間型の構造物であり、両手の平を上にして正座をしているような姿勢をとっています。SCP-258-JP-Aの全体は包帯で包まれており、包帯の下の竹製の骨組みの中には、歯車のような機械の部品やコンピュータの基盤のような電子部品が無造作に詰め込まれています。これらの部品に関連性はなく、SCP-258-JP-Aには何ら機械的・電子的な機能は存在しないと結論づけられています。SCP-258-JP-Aを包む包帯には「頑張れ!」「がんばれ♡」「ガンバレ☆」といった語句が余さず書かれていました。

以下の要素は、SCP-258-JP-Aが一度「完成」してから2か月以上後に付け足されたものと分析されています。

  • 前述の激励に対して上書きされた、横線、斜線、×印といった「取り消し線」。即ち、発見時点におけるSCP-258-JP-Aの体中の記載は「頑張れ!」「がんばれ♡」「ガンバレ☆」のような見た目となっていました。
  • SCP-258-JP-Aの両手の平の中心を穿つ直径約60 cmの孔。
  • SCP-258-JP-Aの頭部の片側半分ほどの陥没。

SCP-258-JP-Aの付近には、POI-011/013-JPの切り取られた臀部がホルマリン漬けにされている、ガラスの容器が置かれていました。また、下記の文章が記された、開封された書簡が、その容器の下敷きになっていました。

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池の試みに意義がなかったわけではないが、如何せんその手法はあまりに浅薄で、目新しさに欠けるように思われた。しかし、弓氏の改訂によってこの作品には多くの価値が付与された。単に「悩みを和らげるトイレ」だった頃と比べて、遥かに蒐集家たちの注目を集め、彼らの目録へ加わるに値する作品になったと言えるだろう。

ところで、池はもういないのであるから、これは池と弓氏の合作ではなく、弓氏の単独の作品とし取り扱っても良いのではないだろうか。この件は現在審議中だが、肯定的な方向へ進んでいる。

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