SCP-2589
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-2589

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-2589が存在していた住宅は解体・焼却されました。住宅が存在していた場所は立入禁止とされ、閉鎖された発電機に偽装されています。SCP-2589の目撃者にはクラスA記憶処理が施されています。未発見の人物については現在財団諜報員が追跡中であり、発見し次第記憶処理薬を投与した上で解放することになっています。

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グリーン・エーカーズ

説明: SCP-2589はインディアナ州ワルシャワのとある移動住宅に閉じ込められていた実体でした。実体には手足がなく、移動能力は限定的でした。SCP-2589の体はベル型で、大きな口を胴体部に1つ有し、上方を向いた細長い頭にはワルシャワ警察署の名が書かれた官帽が乗っていました。実体の皮膚は白く、打撲痕のような赤い斑点が散在していました。SCP-2589の体には内部構造が存在していなかったと見られ、皮膚は単に実体の輪郭として浮かぶ膜を形成していました。

実体は周囲の物理的現実を操作することが可能でした。SCP-2589はこの能力を用いて、自身の胃へと繋がる「口の罠」を生み出していました。これらのポータルはあらゆる壁と壁の間の空間や物体に囲まれた場所に出現しました。例としては犬小屋、クローゼットが挙げられ、一度だけズボンに出現したこともありました。またポータルには穴の内部に最も現れやすいという傾向がありました。SCP-2589の影響を受けた対象は、罠に落ちるのは住宅の主寝室を通るときが最も多かったと主張しました。

実体は給餌を受けた場合に人間または動物を「食べて」いました。SCP-2589に知性は存在していなかったと見られ、対象 (人間を含む) の摂食を積極的に試みることはありませんでした。SCP-2589は単に援助を受けた場合に対象を物理的に摂食するのみでした。

この摂食による影響は様々でした。被影響者はその後再出現しますが、外見に軽度から中程度の変容が見られました。被影響者の行動に異常はなく、SCP-2589に摂食された記憶を保持していました。対象はこの事象に対し、頻繁に不満あるいは歪んだ認識を持って応答しました。収容以前よりSCP-2589に曝露していたある女性は100回程度消化されていました。エマ・クラーク (23) は質問を受けた際、不満な様子で「どこに問題があるのか分かりません」と発言しました。

SCP-2589が前述の住宅を住処とした際、そこで生活していた人々はSCP-2589に対する無視または無関心を示しました。しかし子供は実体の影響を受けなかったと見られ、SCP-2589に対し一般的に予想される反応を返しました。SCP-2589が発見された住宅を調査した際、前述の生存した子供はSCP-2589の周りで育っており、小さいうちから実体を受け入れるよう条件づけられていたことが明らかになりました。

補遺A: 住宅内にあったビデオ映像の抜粋。テープの日付は発見できなかったものの、映像は発生順にまとめられています。この住宅には12台の防犯カメラが取り付けられていました。SCP-2589無力化以前、父親 (ジェイコブ・クラーク) はカメラについて地方警察に尋ねられ、「彼は自分の家で起きていることを知るのが好きだった」と返答しました。

SCP-2589の影響を受けた一家の当時の家族構成は、エマ・クラーク (23) 、エマの夫、ジェイコブ・クラーク (47) 、ジェイコブの弟、イーサン・ヤング (32) 、ジェイコブの母、マディソン・クラーク (67) 、2名の子供、アンドリュー (8) とエゼキエル (11) 、家族の犬、[デストロイヤー] (2) です。

00:03

融合した手足を有する奇形の男性が胎児のような格好で玄関の床に現れます。アンドリューは苦悩し、男に向かって叫び出します。アンドリューは携帯用ラジカセを手にしており、ラジカセからは『マッチョマン』が流れています。

アンドリュー: (奇形の男性との会話を意図したものか) うわっ。怖いよ! 何で? その顔どうしたの? 止めてよ!

アンドリューはデッキブラシを手に取り、男性に近づけます。

アンドリュー: おじさん?

SCP-2589が画面の隅に見えます。アンドリューはSCP-2589に気が付きます。アンドリューはSCP-2589を静かに1分間観察します。

アンドリュー: ごめん、おじさん。

アンドリューは奇形の男性を部屋の外に引きずり出し、SCP-2589から離れます。

11:05

アンドリューは居間でSCP-2589を発見します。SCP-2589は動きませんでした。アンドリューは祖母のマディソンに走り寄り、SCP-2589について話します。マディソンは興奮し、実体の口の中に叔父のイーサンを入れるよう提案します。エマとジェイコブが部屋に入り、マディソンと話し合います。マディソンはジェイコブと話しながら怒った様子でイーサンの方を指差し、ジェイコブはSCP-2589を指差して叫び出します。マディソンは態度を和らげ、SCP-2589の方に進み、実体の口を開きます。エマとジェイコブはイーサンの体を持ち上げ、SCP-2589の口の中に入れます。

音声が復活します。

ジェイコブ: どうだい? そんな難しくなかったろう?

03:33

アンドリューとエゼキエルが裏庭にいます。

アンドリュー: あいつのこと知ってる? お兄ちゃん、一度も部屋にいなかったけど。

エゼキエル: 俺も見たよ。気に入らないね。パパの銃なら置いてある場所を知ってるから持ってこられるよ。

アンドリュー: あいつは僕を食べる気だよ。 (泣き出す) 今夜銃を取ってこないと。

エゼキエル: 俺一人でやるよ。俺はすごく頭が良いからあいつはビビってるはずさ。

アンドリュー: 本当に?

エゼキエル: ああ。

アンドリューが画面から外れ、しばらく父親と話します。アンドリューと父親が屋内に入ります。エゼキエルは屋外に残ります。


緑色のハチドリが裏庭に現れます。

エゼキエルが鳥に話しかけます。

エゼキエル: 君は天使なの?

鳥はエゼキエルの存在に気が付いていない様子を見せます。この鳥はあらゆる面で普通の動物です。

エゼキエル: どうやったら奴を殺せるかな?

エゼキエルは頷き、犬小屋の中に走っていきます。エゼキエルは犬小屋から出てきません。その後2時間変化無し。


アンドリューとジェイコブは歩いて屋外に出てきます。ジェイコブは犬小屋を指差し、アンドリューは犬小屋を観察しようと近づきます。アンドリューは叫び出します。

23:02

イーサンが廊下に出現します。奇形はなくなったものの、外見が少し変化しています。彼はベストを着用し、顔は光沢性の物質で覆われていました。イーサンは廊下にいたマディソンの元に走り寄ります。

イーサン: (囁く) どこに行ってたんだ? 2週間も家を開けておいて誰も連絡しないなんて!

低いうめき声が聞こえます。SCP-2589の頭が画面内に見えており、マディソンの背後の曲がり角辺りで身体を曲げています。イーサンとマディソンは引き返しますが、それ以上SCP-2589に反応を示しません。

マディソン: 友達と出かけてたのよ。今はここにいるんだから何の問題があるの?

イーサンは首を横に振り、マディソンはSCP-2589の方に向かって画面から外れます。SCP-2589の頭が引っ込みます。その後2分間断続的で抑制された笑い声が聞こえます。

10:55

エゼキエルを除く家族全員が居間にいます。SCP-2589も居合わせており、ソファの後ろに立っています。アンドリューはSCP-2589について苦悩している様子ですが、努めて平静を保っており、時折ジェイコブの方を一瞥しています

マディソン: ほら見て。アンドリューがまたご機嫌斜めだわ。

ジェイコブ、イーサン、マディソンが笑います。エマは遠慮がちな様子ではありますが微笑んでいます。エマは立ち上がり、SCP-2589の唇を軽くなで始めます。

エマ: ダーリン、自分のことは自分でできるわ。

ジェイコブはソファから立ち上がると、エマをSCP-2589の口の中に押し込みます。イーサンとマディソンが笑います。アンドリューは目を閉じ、両耳を手で押さえます。

ジェイコブ: じゃあね、ハニー!

02:00

アンドリューは廊下を歩いています。テープには荒い息づかいとともに辛うじて聞き取れる音量でビージーズの『恋のナイトフィーバー』のループが記録されています。アンドリューのそばの壁が有機物のように波打ち始めます。壁が一部だけ崩れ落ち、奇形のエゼキエルが現れます。エゼキエルの体は立方体状に圧縮されているようです。アンドリューは動きを止め、穴を観察します。

エゼキエル: 奴を殺せ。

アンドリューは穴を見つめ続けます。

補遺B: 10時間前、家庭内の騒動を理由に件の住宅へ来ることを求める通報が地元警察の元に入りました。また██/03/12、アレクシス・ウォーカー保安官代理は自宅に来て欲しいという私的な電話をアンドリューから受けました。アレクシスは以前の訪問の際、自身の電話番号をアンドリューに伝えていました。アレクシスは現場に着くと警告無しで家に入り、イーサン・ヤングに暴行を加えているジェイコブ・クラークを発見しました。

00:02

ジェイコブ: 一体何だってんだ?

アレクシス: 落ち着いてください。

ジェイコブ: てめえは部外者だし、俺の家に入ってくる理由なんてねえだろ。

アレクシス: 床に伏せなさい。私が家に踏み込んだことは全部誰かに話しても構わないわ。床に伏せなさい、私は本気よ。

SCP-2589が画面内のイーサンの隣に現れます。

ジェイコブ: なっ? これは俺じゃねえ、俺は何も-

アレクシスはSCP-2589に12回発砲します。ジェイコブは激しく叫び声を上げています。SCP-2589の体が折り重なり、床に倒れます。

アレクシス: 何てこと、何てこと。子供達はどこ? 子供達がどこに行ったか教え-

アレクシスはジェイコブの方へと進み、ジェイコブが複数回打たれていることに気が付きます。アレクシスはSCP-2589の方に目を向け、実体がそこから消失していることに気が付きます。

アレクシスは自分の身体をつねり、しばらく辺りを見渡します。


アレクシスがアンドリュー、エゼキエルとともに現地を後にするのが見えます。彼女に続き、イーサンとマディソンが家を出ます。両名は車が離れていく間、アレクシスに向かってどなり声を上げます。

これより後、アレクシス、アンドリュー、エゼキエルは発見されていません。現行の偽情報プロトコルに則り、地方法執行機関の記録は抹消され、財団の内部記録に保管されました。現在に至るまで住居内で異常な活動は確認されていません。

関連するSCPオブジェクト: SCP-1782 「Tabula Rasa (白紙) 」・SCP-2782「The Flock (群がるものたち) 」

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